イラスト/lala nitta
【JJドラマ部】絶対面白い!オタクが選んだ2025年夏ドラマBEST5

『しあわせな結婚』(テレビ朝日)公式ホームページより
7月からスタートする夏ドラマの中から、ドラマオタクのコラムニスト小林久乃と元JJ編集長イマイズミが「これは絶対面白いはず!」と太鼓判を押したものをそれぞれ5本選びました。災害級の猛暑が続く夏は、クーラーが効いた部屋でじっくりドラマ鑑賞しましょう!
【コラムニスト小林久乃が選んだ5本】
①『しあわせな結婚』(木曜21時/テレビ朝日系)
②『僕達はまだその星の校則を知らない』(月曜22時/カンテレ・フジテレビ系)
③『愛の、がっこう。』(木曜22時/フジテレビ系)
④『DOPE 麻薬取締部特捜課』(金曜22時/TBS系)
⑤『初恋DOGs』(火曜22時/TBS系)
【元JJ編集長イマイズミが選んだ5本】
①『しあわせな結婚』
②『ちはやふる-めぐり-』(水曜22時/日本テレビ系)
③『僕達はまだその星の校則を知らない』
④『誘拐の日』(火曜21時/テレビ朝日系)
⑤『19番目のカルテ』(日曜21時/TBS系)
5位は王道ラブストーリーとハートウォーミングな医療ドラマ
元JJ編集長イマイズミ(以下、イマ):夏ドラマはタイプの作品があんまりなかったせいか、5本選ぶのが難しかったです…。
コラムニスト小林久乃(以下、小林):そうやって期待していない時に限ってダークホースが現れるものですよ。早速ですが、私の選んだ5位は『初恋DOGs』。クールな弁護士・花村愛子(清原果耶)と動物しか愛せないこじらせ獣医・白崎快(成田凌)の“愛犬”同士が恋に落ちたことをきっかけに始まるラブストーリー。そんな2人の前に現れた訳ありの韓国人御曹司・ソハ(ナ・イヌ)と三角関係になり…。
イマ:うわっ、超王道のラブストーリーじゃないですか。
小林:これね…、愛子と快は最終的にくっつきますよ。
イマ:でしょうね(笑)。どこらへんが推しのポイントなんですか?
小林:『マイ・セカンド・アオハル』、『西園寺さんは家事をしない』、『まどか、26歳研修医やってます!』など、私の好きなドラマが多い「火10」枠には絶対的な信頼を寄せています。そして、三角関係になる清原果耶、成田凌、ナ・イヌの3人のキャストに注目です。
イマ:牢屋に入ってない成田凌が新鮮ですね(笑)。こんな笑顔、最近見てないかも。
小林:とはいえ、彼をキャスティングしている以上、秘めた過去はありそう。そして、恋の当て馬に韓国俳優のナ・イヌ。もしかして『初恋“DOGs”』だからイヌ…?
イマ:そんなダジャレでキャスティングしないでしょう(笑)。最近、小芝風花と佐藤健主演でリメイクした韓国ドラマ『私の夫と結婚して』(2024年/tvN)ではヒロインの相手役として話題になりました。デビューが2013年で、12年ものキャリアがある韓国でも人気の俳優です。
小林:『Eye Love You』(2024年/TBS系)や『キャスター』(2025年/TBS系)など、韓国俳優が日本のドラマに出るのも自然になってきましたね。
イマ:『魔物』(2025年/テレビ朝日系)ではテレビ朝日と韓国のSLL(『梨泰院クラス』などを制作)が共同制作をしていましたが、このドラマもTBSが超メジャー制作会社STUDIO DRAGON(『愛の不時着』などを制作)とタッグを組んでいます。
小林:第1話ではソウルロケをしていましたね。そして、動物病院の看護師・杉本みちる役に野呂佳代! もうこれで何回ナース服着たのかと(笑)。
イマ:似合いすぎて、もはや本職に見えてきますね…。
小林:肝心の清原果耶ですが、最近おとなしい役が多かったので、こういう王道ラブコメでヒロインをどう演じるのか期待しつつ見守りたいと思います。
イマ:そして、私の5位は『19番目のカルテ』。私も小林さんの火10と同じくらい、日曜劇場への絶対的な信頼感があります。19番目の新領域である総合診療科の医師・徳重晃(松本潤)が、「問診」により患者と向き合い、病気を診るだけでなく、心や生活背景をもとに患者にとっての最善を見つけ出していくヒューマン医療エンターテインメント、という内容。
小林:漫画原作ですが、脚本は『コウノドリ』(2017年/TBS系)シリーズも手掛けた坪田文さんなので安心感がありますね。
イマ:意外ですが、松潤って医者を演じるのは初めてなんですって。この夏、相葉くんは『大追跡~警視庁SSBC強行犯係~』(水曜21時/テレビ朝日系)、櫻井くんは『放送局占拠』(土曜21時/日本テレビ系)、そしてニノは映画『8番出口』で、それぞれが主演を務めます。来年、嵐がラストイヤーだから露出が急激に増えてるんですかね?
小林:そうでもないかも? グループとしてはもちろん、個人でもスターだから通常運転でたまたま重なっただけではないでしょうか。
イマ:医療ドラマっていろんなタイプがありますが、『Dr.コトー診療所』(2003年/フジテレビ系)や『PICU小児集中治療室』(2022年/フジテレビ系)みたいなハートウォーミングな作品が大好きなので、このドラマで号泣する準備はできています!
近未来SFと韓国ドラマのリメイクが4位にランクイン!
小林:次に、私が4位に選んだのは『DOPE 麻薬取締部特捜課』。謎に包まれた新型ドラッグ「DOPE」が蔓延している近未来の日本で、新人麻薬取締官・才木優人(髙橋海人)と型破りな不真面目教育係・陣内鉄平(中村倫也)という正反対のバディが「DOPE」によって巻き起こる不可解な事件の解決に挑んでいくというストーリー。
イマ:こういうSFっぽいの好きでしたっけ?
小林:実はあんまり観ないんですけど、主演の2人が推す理由ですね。変人をやらせたら右に出るものがいない中村倫也と、『だが、情熱はある』(2023年/日本テレビ系)も良かったし、デビューから演技力がレベチの髙橋海人とのバディが楽しみ!
イマ:初回はすでに放送されましたが、なんと伊藤淳史(山口始役)が1話で退場(笑)。相関図の写真も白黒になりました。
小林:最近、嫌なやつ役が多かったから、今回も黒幕として暗躍するのかと思ったら…。
イマ:黒幕といえば、このドラマでは井浦新(ジウ役)が怪しい立ち回りをしています。
小林:彼が入るとぐっと締まりますよね。近未来設定だからなのか、黒をベースにした衣装も似合ってます。さすがモデル出身!
イマ:異能力者同士の戦いが繰り広げられる展開になりそうですが、原作小説が面白いだけに、チープな映像にならないといいなー。
小林:そして、イマイズミさんの4位は『誘拐の日』ですね。
イマ:心優しい間抜けな誘拐犯・新庄政宗(齊藤工)と記憶喪失の天才少女・七瀬凛(永尾柚乃)という凸凹コンビが、次々と襲いかかる危機を乗り越えながら犯人捜しと逃亡劇を繰り広げる、巻き込まれ型ヒューマンミステリー、という内容です。
小林:『ブラッシュアップライフ』(2023年/日本テレビ系)でブレイクした名子役、永尾柚乃ちゃんがキャスティングされているんですね。
イマ:この作品は同名タイトルの韓国ドラマのリメイクなんですが、天才少女チェ・ロヒを演じたチョン・ユナも共演者やスタッフ、視聴者からその演技力を絶賛され、数々の賞を受賞した名子役。もとになったドラマはめちゃくちゃ面白かった!
小林:誘拐犯と天才少女のバディものって変わった設定ですね。
イマ:2人がだんだん心を通わせていく過程に胸が熱くなるし、陰謀に巻き込まれていくサスペンス展開にもハラハラさせられます。韓国ドラマって16話あることが多いんですが、これは全12話なので、リメイクするときにストーリーをあまり端折らないでまとまりそう。
イマ:さて、小林さんの3位は『愛の、がっこう。』。すれ違うことがないはずの高校教師・小川愛実(木村文乃)とホスト・カヲル(ラウール)が出会い、言葉や社会を教える秘密の“個人授業”を続ける中で次第に距離を縮めていき、大きな隔たりを越えて惹かれ合う、禁断なのに純粋な愛を育んでいくというストーリー。
小林:ここはひとつ、ラウールに賭けてみようかと! あまり彼の演技を見たことがないのですが、手足の長さとビジュアルの強さは特別ですよ。
イマ:身長192cm股下99cmって…。木村文乃との身長差がえぐいですね。
小林:『ギフト』(1997年/フジテレビ系)から『Believe-君にかける橋-』(2024年/テレビ朝日系)まで、数々の木村拓哉主演ドラマの脚本を書いてきた井上由美子さんなら、イケメンの生かし方を知っているはず!
イマ:当て馬として朝ドラ『あんぱん』(NHK総合)ではのぶの夫・若松次郎役で話題になった中島歩がキャスティングされています。
小林:彼は100%振られますね。そして、カヲルは漢字を書けるようになるし、愛実は学校を辞めると思います。
イマ:まあ、それは誰でも予想つきますが(笑)。
小林:『波うららかに、めおと日和』のように、木10枠のドラマは大団円で終わるパターンが多いんですが、今はそういうのが観たいんです!
イマ:わかります。先日、ブラッド・ピット主演の映画『F1』を観たんですが、びっくりするような展開は何もなかったのに満足度は高かったです。
小林:王道のラブストーリーこそ、どう飽きないように見せていくかが大事ですよね。
若手俳優が活躍する学校を舞台にしたドラマに注目!
イマ:あ、私の3位と小林さんの2位がかぶりましたね。
小林:『僕達はまだその星の校則を知らない』は、独特の感性を持つがゆえに何事も臆病で不器用な主人公が、少子化による共学化で揺れる私立高校にスクールロイヤー(学校弁護士)として派遣されることになり、法律や校則では簡単に解決できない若者たちの青春に、必死に向き合っていく学園ヒューマンドラマ。
イマ:過去に神木隆之介主演『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』(2018年/NHK総合)というスクールロイヤーを主人公にしたドラマがありましたが、近年になってスクールロイヤー制度を導入する自治体は徐々に増えているそうです。
小林:そのスクールロイヤー・白鳥健治役には磯村隼人、ヒロインの教師・幸田珠々役には堀田真由、学園の理事長・尾崎美佐雄役には稲垣吾郎がキャスティングされていますが、3人のバランスがいい!
イマ:演技派が揃いましたね。そして学園ドラマの見どころでもある生徒役ですが、俳優たちがフレッシュすぎてあんまりわからない…。
小林:誰がキーマンになるかわからないから、逆に楽しめそう。脚本を担当するのは大森美香さんですが、番組HPで「学校が舞台のドラマを書きたい」って気合の入ったコメントをしていたので期待しています。
イマ:初回は、少子化による男子校と女子校の合併、制服が引き起こすジェンダー問題など、令和ならではの学校のトラブルを健治がどう解決に導くかが見どころになりそう。
小林:イマイズミさんの2位は『ちはやふる-めぐり-』ですが、映画は観ていました?
イマ:いや、実は観てないんですよ。このドラマは、映画『ちはやふる』から10年後の世界を描いていて、映画版からキャストを一新、令和の高校生たちがバトンを受け継ぎ、青春を懸けて競技かるたに挑むというストーリー。続編を作るにあたって、原作者の末次由紀先生がプロット作りから関わっているので、原作好きも映画好きも納得できる作品になってるはず。
小林:それにしても、キャストが豪華すぎますね。
イマ:生徒役が當間あみ(藍沢めぐる)、坂元愛登(八雲力役)、原菜乃華(月浦凪役)など、すでに売れっ子の若手俳優がずらり! そして、広瀬すず(綾瀬千早役)、上白石萌音(大江奏役)、野村周平(真島太一役)、佐野勇斗(筑波秋博役)など、映画版の瑞沢高校かるた部OBも出演しています。
小林:ほとんど主演クラスばかりですが、よくスケジュール合いましたよね。こういう若い子たちの中に入ると、広瀬すずなんてすっかりベテラン感漂っています(笑)。
イマ:今作に出演する若手俳優たちはみんな『ちはやふる』を観て憧れていたとか、中でも原菜乃華や大西利空(奥山翔役)は、過去に映画のオーディションに落ちていた、というコメントを読むと、より一層胸が高鳴ります。
小林:イマイズミさん、そこまで熱く語ってるのに映画観てないのおかしいでしょ(笑)。
イマ:映画は3本なので6時間くらいか…。寝ないで観て予習します!
大本命は阿部サダヲ×松たか子×大石静のマリッジサスペンス
小林:そして、最初から下馬評が高かったのですが、私たち2人が1位に選んだのは『しあわせな結婚』です。お茶の間から絶大な支持を得ている人気弁護士・原田幸太郎(阿部サダヲ)が、ある日突然、鈴木ネルラ(松たか子)と運命の出会いを果たしたことを機に電撃結婚するも、愛する妻は大きな秘密を抱えていて、幸太郎の運命はとんでもない方向へと向かっていく…というマリッジサスペンス。
イマ:ドラマのメインビジュアルでは、テーブルに向かい合っている2人の手が指輪のように見えますが、椅子は倒れてるわ、グラスは割れてるわで、めちゃめちゃ不穏な雰囲気。大石静脚本の一筋縄じゃいかなそうなストーリーにワクワクしています。
小林:ストーリーはもちろんだけど、やっぱり見どころは阿部サダヲと松たか子。2人は『スイッチ』(2020年/フジテレビ系)をはじめ、映画や舞台などで何度も共演していて、相性がいいのは間違いない!
イマ:このドラマのポッドキャストを聴きましたが、松たか子はずっと楽しそうに笑ってましたね。そして、追加キャストで謎の男・黒川竜司役として杉野遥亮が発表されました
小林:最近のドラマは情報を小出しにするよねー。私が最初の制作発表の取材に行ったときは、阿部サダヲと大石さんしかいなかったのに(笑)。
イマ:さて、それぞれのベスト5が出そろいましたが、このクールでは弊社原作でドラマ化されたのがふたつあるんですよ。
小林:どうぞ、たっぷり宣伝してください(笑)。
イマ:ひとつは、“どんでん返しの帝王”の異名を持つベストセラー作家・中山七里原作の『能面検事』(金曜21時/テレ東系)。大阪地検のエース検察官・不破俊太郎(上川隆也)が権力者による圧力や組織のしきたりに屈することなく事件の真相を暴いていく痛快リーガルミステリーです。
小林:能面というのは…?
イマ:表情筋が1ミリも動かないから「能面」なんです。そんな無表情な不破を上川隆也がどう演じるのかが見どころのひとつでもあります。そして、もうひとつは『舟を編む ~私、辞書を作ります~』(火曜22時/NHK総合)。三浦しをん原作の『舟を編む』は映画、アニメ、ドラマと何度も映像化された不朽の名作です。
小林:去年BS‐NHKで放映されていましたよね?
イマ:やっぱり地上波は反響が違うんですよ。14年前の作品ですが、ドラマが放映されるといまだに原作本の売れ行きがあがるんです。ドラマ自体もギャラクシー賞をはじめ、ドイツ・ワールドメディアフェスティバル2025で金賞を受賞するなど、世界的にも評価された作品なのでぜひ観てほしいです。
小林:というわけで、今年もすでに災害級の猛暑が始まっているので、お家でゆっくりドラマを観て過ごしましょう!

小林久乃(こばやし・ひさの)コラムニスト、編集者。正々堂々の独身。中学生から地上波ドラマを愛して30年以上、筋金入りのオタク。好きが高じてついには『ベスト・オブ・平成ドラマ!』(青春出版社刊)を上梓した。ラブストーリーが好きで、特に禁断の恋がテーマとなると視聴熱が俄然、盛り上がる。公式HPはhttps://hisano-kobayashi.themedia.jp
元JJ編集長イマイズミ 女性誌『CLASSY.』『JJ』の編集長を歴任。1クールの地上波ドラマを全録画するようになったのは、編集長になった13年ほど前から。「仕事で新しい俳優、タレントさんを覚えるため」というのが理由だったけど、見事に大ハマり。ホームドラマとラブコメ好き。韓国ドラマもやや中毒。
