【梅宮アンナさん】経験者として伝えたいことが今の仕事に「がん保険のお金には支えられました」

2024年8月13日、梅宮アンナさんは乳がん(浸潤性小葉がん)ステージ3Aを公表。11月には右胸の全摘手術、年明けには抗がん剤治療、そして4月には放射線治療を終え、いわゆる「三大治療」をすべて乗り越えました。人生の大きな節目を迎えた直後、まるで運命のように訪れた出逢い。そして出逢ってわずか10日で結婚を決意し、電撃婚を果たしました。

あれから4か月。結婚生活で感じる新しい気づきや、がんを経たからこそ芽生えた思いを語ってくれたアンナさん。がん公表から1年を経て、今は「がんサバイバー」として社会に向けて発信を始めています。その原点と未来への展望を伺いました。

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がん治療を乗り越え、保険アンバサダー就任に込めた想い

ありがたいことに、最近はがん経験者、梅宮アンナとしてのお仕事をいただくことが増えてきました。 思えば1年前、闘病の真っ只中に私が願っていたのは、がんになっても、ちゃんとプロとして仕事ができるということを世の中に知ってもらうこと。現代はがんと共に生きる時代だからこそ、その姿を見せたいと思って発信を続けてきました。もちろん、正直しんどい時期もありました。でも必死で乗り越えてきたら、気づけば少しずつ新しいお仕事が舞い込むようになったんです。そのひとつが、A&A Consulting株式会社 がん保険代理店のアンバサダーのお仕事でした。

実際、私自身が加入していたがん保険に本当に助けられました。がんになってこんなに保険って助かるんだって思ったんです。私の場合は肺炎になったことと、手術の時の入院。どうしても大部屋ではなく個室を選ばざるを得なかったんですね。個室で過ごす安心感は大きかったけれど、1日あたりの部屋代は高額で、私が入院していた病院では1日3万円以上。2週間も入院すれば、あっという間に大きな金額になってしまいます。そんな時、がん保険から給付されたお金が本当に支えになってくれたんです。入っていて良かったと心から思いました。

だからこそ今は、保険に入っておくことの大切さを自分の言葉で伝えたい。これは、実際に体験したからこそ強く言えることだと思うんです。闘病している方に、少しでも安心や希望を届けたい。その思いで代理店の方ともお話しを重ね、イベントへの登壇なども決まりました。全国で広がっていく活動を通して、がんと共に生きる現実を発信し、同じ経験をしている人の励みになれたら嬉しいです。

美しく強く生きていけることを伝えていきたい。がんサバイバーとして伝えたいこと

そして先日、「LAVENDER RING」というプロジェクトに参加させていただきました。キャンサーネットジャパン、資生堂さん、電通さんが一緒に推進している、がんサバイバーを支援する活動です。

はじめてこの活動の存在を知ったのは、1年前、がんの告知を受けてセカンドオピニオンで国立がん研究センターを訪れたときでした。私は希少がんで、病院内にある希少がんセンターに足を踏み入れた瞬間、壁一面にがんサバイバーの方々の写真が飾られているのを目にしました。 綺麗に撮影された先輩サバイバーの姿がずらりと並んでいて、私はこれから始まる治療がどれほど大変かをまだ知らなかったのに、その光景に不思議と勇気をもらったのです。私もこれから頑張って治療をして元気になったら、この壁に並びたい、そう強く思いました。あれは確かに、希望をもらえた瞬間でした。

それから1年。あるお仕事の打ち合わせの中で偶然この「LAVENDER RING」の話が出てきました。あっ、それ!私がやりたいと思っていたもの!まるで必然のような出会いでした。そして今、長い治療を経て願いが叶い、このプロジェクトに関わらせていただけることになったのです。標準治療を受けられたことへの感謝とともに、あの時の自分に夢はちゃんと叶うよと伝えてあげたい気持ちになりました。

撮影当日は、まるでファッション誌の撮影のようにプロの方々が光を当ててくださり、カメラの前に立つ自分をがんサバイバーとしての私として捉えてくれる、特別な時間でした。闘病を経て私は今ここに生きていると実感できる瞬間でもありました。 出来上がった写真を見たとき、胸がいっぱいになりました。やっとここまで来られた、1年前に見上げた希望の景色の一部になれた。そんな喜びと感謝が、心の底から溢れ出てきたのです。

闘病を経て実感するのは、美しさと強さは決して相反するものではないということ。外見の変化や痛み、不安に押しつぶされそうになった日々もありましたが、それでもこれからどう生きたいかを問い直すことで、人は新しい美しさをまとえるのだと思います。そして、その過程こそが私にとっての強さになりました。 だからこそ、がんを経験した一人の女性として、これからは美しく強く生きる姿を伝えていきたい。その想いを、このLAVENDER RINGという活動を通じて、多くの人に届けられたらと願っています。

10年後も20年後も、がんと共に生きながら美しさと強さを体現し続けていたい

私はね、自分にしかできない役割があるんだなと、強く感じています。がんを経験して、そのリアルを発信することは作り話じゃない。だからこそ、人にちゃんと伝わるし届くんだと思うんです。求められる以上は誠実に応えていきたいし、それが私に与えられた使命なのかもしれません。

これからも、ピンクリボンやがんにまつわる活動の幅を広げていきたいと思っています。自分の体験を発信することで、一人でも多くの女性が「検診に行こう」「自分の体を大切にしよう」と思えるきっかけになれば嬉しいです。がんの早期発見や予防の大切さを伝えることも、私にできる大切な使命だと感じています。

同時に、モデルやファッションの仕事も続けていきたい。がんだからといって、寝たきりや弱々しいイメージに押し込められたくないんです。治療を続けながらでも、美しく、自分らしく元気でいる姿を見せていくことが大事だと思っています。胸を失ったので、下着のモデルにはなれないかもしれない。でも、がんを経験しても元気で、オシャレも楽しめる。その姿そのものが希望になると信じています。病人らしく見える暗い自分にはなりたくないから、髪を整えたり、服を選んだり、明るく見える努力をしてきました。そうすることで自分自身も気持ちが前を向けるし、周りの人にも「がんでもここまで元気になれるんだ」と感じてもらえるはず。

結婚という大きな変化も、私にとってはすごくいいリハビリになりました。夫と過ごす日常が楽しくて、つい夜更かししてしまうくらい(笑)。治療がひと段落したタイミングだったこともあって、普通の生活を楽しめること自体が、心と体にとても良い影響を与えてくれています。もちろん薬の副作用もあるけれど、それも今はうまく付き合えていて、日々を前向きに過ごせています。

未来の自分に約束したいのは、この活動を一過性で終わらせないこと。10年後も20年後も、がんと共に生きながら美しさと強さを体現し続けていたい。そして、その道のりを同じ経験をした人たちと分かち合いながら、これからも一緒に歩んでいけたらと思っています。

アンナさん衣装:私物
撮影/中田陽子 取材・文/日野珠希

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