【JJドラマ部】2025年秋ドラマ大本命はどれだ?会議
投稿 【JJドラマ部】2025年秋ドラマ大本命はどれだ?会議 は JJ に最初に表示されました。

『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ)公式ホームページより
各局が本気を出す秋ドラマのシーズンがやってきました! そこで、ドラマオタクのコラムニスト小林久乃と元JJ編集長イマイズミの二人が、「これは絶対面白いはず!」と太鼓判を押す注目作を、それぞれ5本ずつセレクト。長年のドラマ愛と経験値を総動員した、見逃し厳禁のラインナップです!
【コラムニスト小林久乃が選んだ5本】
・『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(水曜22時/フジテレビ系)
・『ぼくたちん家』(日曜22時30分/日本テレビ系)
・『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(火曜22時/TBS系)
・『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』(月曜21時/フジテレビ系)
・『ばけばけ』(月~金曜8時/NHK総合)
【元JJ編集長イマイズミが選んだ5本】
・『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(水曜22時/フジテレビ系)
・『ちょっとだけエスパー』(火曜21時/テレビ朝日系)
・『終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-』(月曜22時/関西テレビ・フジテレビ系)
・『ザ・ロイヤルファミリー』(日曜21時/TBS系)
・『シナントロープ』(月曜23時06分/テレ東系)
三谷幸喜が25年ぶりの連ドラ脚本! 秋ドラマ最大の話題作を二人がセレクト
元JJ編集長イマイズミ(以下、イマ):いよいよ10月からスタートする秋ドラマですが、私たちが唯一かぶったのは、三谷幸喜脚本の『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』でした。
コラムニスト小林久乃(以下、小林):タイトルからして“演劇”って感じがしますよね。
イマ:舞台は1984年の渋谷。まだ何者でもない若者たちの夢やくすぶり、恋模様を描く青春群像劇で、三谷幸喜自身の体験がベースになっている完全オリジナルストーリーです。
小林:1984年の渋谷か…。私は当時、浜松で小学生なので正直ピンとこないです。
イマ:日本は高度経済成長を経て、バブルに突入する直前で、フジテレビは『オレたちひょうきん族』や『笑っていいとも!』が絶頂の頃ですね。ちなみにドラマの公式HPにはフジの昔のロゴを使うという凝りようです。
小林:『不適切にもほどがある!』(2024年/TBS系)も80年代が舞台でしたけど、美術や小道具が重要な要素になりそうですね。
イマ:キャストもやたら豪華! 主演の菅田将暉(久部光成役)に加え、二階堂ふみ(倖田リカ役)、神木隆之介(蓬莱省吾役)、浜辺美波(江頭樹里)と、主役級が勢ぞろい。しかも、菅田将暉以外は三谷作品初参加という新鮮さです。
小林:三谷幸喜といえば『王様のレストラン』(1995年/フジテレビ系)や『鎌倉殿の13人』(2022年/NHK)など好きな作品も多いけど、たまに「えっ?」って首をかしげるのもあるんですよね…。
イマ:ちなみに民放ゴールデン・プライム帯の連ドラ脚本は、『合い言葉は勇気』(2000年/フジテレビ系)以来、なんと25年ぶりだそう。
小林:まさにその『合い言葉は勇気』は、ちょっと難しくて消化しきれなかった記憶が。
イマ:今回は半自伝的なお話だし、きっと変なことにはならないはず…と信じて観ましょう!
なんと“科捜研の女”が月9に降臨!
イマ:小林さん、なんでまた『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』を入れたんですか?
小林:なんでって、沢口靖子が出るからに決まってるじゃないですか! もしかして大人気シリーズ『科捜研の女』(1999年~/テレビ朝日系)を観てない?
イマ:はい、ちゃんと観た記憶はないですね…。つか、これ月9なんですね。ちょっと意外でした。
小林:高度な情報技術を悪用する「情報犯罪」の犯人たちを追う捜査機関「情報犯罪特命対策室」(通称:DICT〈ディクト〉)が舞台。沢口靖子演じる二宮奈美をはじめとするDICTのメンバーが、特殊詐欺からサイバーテロまで、さまざまな情報犯罪に立ち向かうというストーリーです。
イマ:『絶対零度』シリーズのはじまりって、もう15年も前なんですね。
小林:『絶対零度〜未解決事件特命捜査〜』(2010年/フジテレビ系)は上戸彩演じる新人刑事・桜木泉が事件解決に奮闘するという物語だったんですが、シーズン3・4の主演は沢村一樹(井沢範人役)、そして今回は沢口靖子と徐々に主演俳優の年齢が上がっています。『もしもこの世が舞台なら』は1984年が舞台だし、もはやフジテレビは連ドラを中高年向けにシフトしている気がします。
イマ:沢口靖子って『科捜研の女』のイメージが強いんですけど、世代的には「リッツ」のCMも忘れられませんね。
小林:そうそう、リッツパーティー! 懐かしい…。そういえば昔、「最後のリッツパーティー」っていうイベントの観覧に応募したけど落選したって思い出があります。
イマ:そんなにリッツに思い入れがあったとは。
小林:ともかく「月9」と「沢口靖子」という組み合わせがどういう化学変化を起こすか、今から楽しみです。
ヒットメーカー野木亜紀子が大泉洋とタッグを組んだSFドラマ
イマ:私は『ちょっとだけエスパー』を選びましたが、最大の理由は脚本の野木亜紀子さんです。日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(2024年/TBS系)や、映画『カラオケ行こ!』『ラストマイル』(ともに2024年)など、ここ最近ハズレがない。今回は、会社をクビになり人生詰んだサラリーマン・文太(大泉洋)が、“ちょっとだけエスパー”になって世界を救うというSFラブロマンスです。
小林:世界を救うのに超能力は“ちょっとだけ”なんですね。
イマ:文太の超能力はまだ伏せられていますが、他のキャラクターは「花を咲かせる」とか「ほんのり温める」とか「ちょっとだけ動物と話せる」といったレベルらしいです。
小林:それでホントに世界救える?(笑)。 文太と暮らす謎の女性・四季を演じるのは、民放の連ドラ出演が13年ぶりの宮崎あおい。今年4人目の子どもを産んだという報道がありましたが、働きますねー。
イマ:来年は大河ドラマ『豊臣兄弟』(NHK総合)でお市役にも決まっていますし、しばらく夫の岡田(准一)くんは子育て担当でしょうね。
小林:働き者といえば、朝ドラ『あんぱん』(NHK総合)から間を空けずに北村匠海(市松役)が出演。さらに、胡散臭い役をやらせたら天下一品のディーン・フジオカ(桜介役)も。
イマ:おディーン様は腕っぷしが強くて少々おバカなキャラという設定で、役作りのために日焼けサロンの会員になって“平成ギャルコース”を選んでいるそうです。
小林:毎週一人ずつ主要キャラクターを発表していましたが、最後の一人は岡田将生(兆役)でした。最近はこういう小出しのプロモーションが多いですね。
イマ:公式HPの“ちょっとだけ”ヒントには「イケメン俳優といえばこの人!」って書いてありましたが、納得のキャスティングですね。
小林:すでに北村匠海がいるのに、さらにイケメン投入って、なんて贅沢!
永遠の王子様のミッチーがゲイ役に挑戦!
イマ:私もリストに入れるか迷ったんですが、小林さんが選んだ『僕たちん家』は確かに面白そう!
小林:不器用だけど情に厚い50歳のゲイ・波多野玄一(及川光博)が、クールな中学教師・作田索(手越祐也)に恋をする。さらに玄一が「二人の家を買おう」と提案したことから、トーヨコに入り浸る少女・楠ほたる(白鳥玉季)が絡んできて、三人の奇妙な共同生活が始まる——そんなストーリーです。
イマ:ミッチー(及川光博)といえば、嫌味な教頭やずる賢い官僚などクセのある役が多い印象ですが、今回は心優しいゲイを演じるんですね。
小林:新鮮ですよね。そして相手役が手越くん。正直、ドラマ出演のイメージがあまり強くなくて、思い出せるのは『デカワンコ』(2011年/日本テレビ系)くらいかな…。それより私が注目しているのは白鳥玉季ちゃん! 彼女が出ると作品全体が引き締まるんですよ。
イマ:『凪のお暇』(2019年/TBS系)で一気に注目されて、その後も途切れることなく出演が続いていますね。
小林:『0.5の男』(2023年/WOWOW)や『御手洗家、炎上する』(2023年/Netflix)など、良質なドラマで存在感を発揮してきました。しかも脇を固めるのは、久保田磨希(栗田美緒役)、坂井真紀(井の頭今日子役)、光石研(市ヶ谷仁役)、麻生久美子(楠ともえ役)と実力派ばかり。盤石の布陣です。
イマ:脚本は日テレのシナリオライターコンテストで審査員特別賞を受賞した松本優紀さんという方。そこに『だが、情熱はある』(2023年)などさまざまなヒット作を手掛けた河野英裕プロデューサーが組むという、新人×ベテランの組み合わせも気になりますね。
小林:『おっさんずラブ』(2018年/テレビ朝日系)や『きのう何食べた?』(2019年/テレビ東京系)のような、LGBTをテーマにした名作ドラマが誕生する予感がします。
カンテレの常連・草彅剛主演のハートウォーミングなドラマに注目!
小林:イマイズミさん、『終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-』を選んでますね。
イマ:関西テレビ制作の火曜22時枠って、タイプの作品が多いんです。前クールの『僕達はまだその星の校則を知らない』とか、『春になったら』『アンメット ある脳外科医の日記』(ともに2024年)も好きでしたし、今回も期待大ですね。草彅剛が演じる鳥飼樹はシングルファーザーの遺品整理士で、孤独死した人の特殊清掃や遺品整理、依頼主と向き合う生前整理を通して、さまざまな事情を抱えた家族に寄り添っていく…っていう心温まるお話らしいです。
小林:遺品整理士が出てくるドラマといえば、『星降る夜に』(2023年/テレビ朝日系)がありましたが、今度は草彅くんがその役柄に挑むんですね。
イマ:韓国ドラマでも『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』(2021年/Netflix)という名作がありました。遺品整理って、故人の人生や社会問題が浮かび上がるから、ドラマにしやすいテーマなのかもしれませんね。
小林:今回は、草彅くんが主演を務めた“僕シリーズ”(『僕の生きる道』など)や“戦争シリーズ”(『銭の戦争』など)を手掛けたスタッフが再集結するとか。制作チームとの息も合ってそう。
イマ:ただ泣かせるだけじゃなくて、樹が偶然出会う御厨真琴(中村ゆり)との恋模様もあるみたいで、ヒューマンとラブの両面で楽しめそうです。
小林:うちも実家の生前整理をしたいんだけど、親は絶対協力してくれないだろうな…。いまだに私のランドセルをとってあるんですよ。
イマ:それはもう処分していいでしょ(笑)。
男女の価値観のズレをテーマにした新たな傑作の予感
小林:私は『じゃあ、あんた作ってみろよ』を選んだんですが、このタイトル、秀逸ですよね。
イマ:世の中の妻や彼女が一度は心の中で言ったことあると思いますよ。
小林:“恋人ファースト”で自分を見失ってしまった山岸鮎美(夏帆)と、「料理は女が作って当たり前!」という亭主関白思考の海老原勝男(竹内涼真)。二人が「料理」をきっかけに、“当たり前”だと思っていたものを見直して成長していく、という内容です。
イマ:火10枠って、『西園寺さんは家事をしない』(2024年)や『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(2025年)のように、男女の価値観や夫婦の役割をテーマにした作品が得意ですよね。
小林:ヒロインの夏帆も魅力的だけど、やっぱり竹内涼真が“普通のサラリーマン”を演じるのがいい! みんな、こういう竹内くんを待ってたんじゃないかな。
イマ:最近はゾンビに追われたり、ヤクザとして抗争に巻き込まれたりと、特殊な役柄が多かったですからね。この原作漫画も読んだんですけど、めちゃめちゃ面白かったですよ。特に、勝男が鮎美に振られたあとに筑前煮を作るエピソード、最高でした。
小林:筑前煮って下ごしらえとか別茹でとか、実はかなり手間がかかる料理ですから!
イマ:まさにそれなんです。
小林:昔、「簡単に素麺でいいから」って言う人がいたけど、私は薬味に紫蘇、胡麻、茗荷、ネギ、揚げ玉、おまけに錦糸卵まで用意するから、全然簡単じゃないんですよ。
イマ:錦糸卵! それもう手間かけすぎてますね。男が気軽に言う「○○でいいから」というフレーズ、ホント危険です。
小林:それこそ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」ですよ。そういう男女のあるあるがたっぷり詰まったドラマになりそうで、期待しかありません。
今度の日曜劇場は間違いない!たぶん!
イマ:そして私が選んだのは信頼と安心の日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』です。
小林:最近は“安心”って感じじゃないですけど。
イマ:いやー、まさか2作連続であんなことになるとは…。今回は競馬の世界を舞台。ひたすら夢を追い続けた熱き大人たちが、家族や仲間たちとの絆で奇跡を起こしていく、人間と競走馬の20年にわたる壮大な物語です。主人公の栗須栄治を演じるのは妻夫木聡。そして栗須の人生に大きな影響を与える馬主・山王耕造に佐藤浩市、物語の重要な鍵を握る人物に目黒蓮がキャスティングされています。
小林:目黒くんの役、いまだに相関図が「???」となっていて、何者なのか全くわかりませんね。
イマ:番宣でもスタッフから何も言うなって口止めされてました。
小林:他のキャストも、黒木瞳(山王京子役)、沢村一樹(椎名善弘役)、松本若菜(野﨑加奈子役)、津田健次郎(平良恒明役)と日曜劇場らしい豪華さですね。
イマ:弊社原作の『リラの花咲くけものみち』(2025年/NHK総合)という獣医学校を舞台にしたドラマがあったんですけど、動物を使うドラマって費用も手間もかかるし大変なんですよ。
小林:しかも今回は競馬だから絶対に一頭じゃ済まないですよね。私のような、競馬になじみのない人たちにどうやってこのドラマの魅力を伝えるかがポイントになりそう。
イマ:そこらへんは、数々の名作ドラマを世に送り出した塚原あゆ子さんが演出を担当するので安心しています。
小林:それにしても妻夫木くん、今年は出演ラッシュですね。朝ドラ『あんぱん』、映画『宝島』、そしてこの『ザ・ロイヤルファミリー』。
イマ:『あんぱん』も戦争編だけの出演だけかと思ったら、その後KYURIOの創業者・八木信之介として嵩(北村匠海)を支えたり、蘭子(河合優実)とロマンスがあったり、超重要なキャラクターになってましたし。
小林:やっぱりストニュー(雑誌「東京ストリートニュース」)のスーパー高校生は伊達じゃないですね。
イマ:懐かしい! 久しぶりに聞きましたよ、それ。
今度の朝ドラは岡部たかしフィーバーから始まる!?
小林:先週ついに『あんぱん』が終わってしまいましたね。最終回は号泣しました。
イマ:でも「のぶはこのまま天に召されるのか…」と思った直後に、元気に犬の散歩していて涙が一気に引っ込みましたけど。
小林:まだ始まったばかりですが、私は次の朝ドラ『ばけばけ』に大きな期待を寄せています。物語は松江の没落士族の娘・小泉セツと、その夫となるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化の波で急速に変わる明治日本で埋もれていく人々を描くという内容。ヒロイン・松野トキ役を演じるのは、2892人の応募者の中から選ばれたのは髙石あかりちゃんです。
イマ:大抜擢ですよね。映画『ベイビーわるきゅーれ』(2021年)の主演で注目はされましたが、まだ俳優としてのキャリアはそこまで長くない。とはいえ、夜ドラ『わたしの一番最悪なともだち』(2023年/NHK)の演技は本当に素晴らしかった!
小林:実は私、ヒロイン以上にラフカディオ・ハーン推しなんです。
イマ:えっ、そっちですか!?
小林:子どもの頃に、彼の生涯を描いたドラマ『日本の面影』(1984年/NHK)を夢中で観ていた記憶があって。
イマ:山田太一脚本で全4話のドラマだったようですが、よく覚えてますね…。さて、『ばけばけ』は9月29日にスタートしましたが、私はもうトキの父・松野司之介を演じる岡部たかししか印象に残っていません(笑)。一家総出で丑の刻参りをするシーンや、娘の通う学校の先生・谷川原(演じる岡部ひろきは実の息子!)から怠け者呼ばわりされるエピソードなど、初回から話題満載。
小林:岡部たかしをメディアで初めてインタビューした私としては個人的にも感慨深いですね。
イマ:『ばけばけ』のプロモーションで、甲子園での始球式や松江市で開催されたパブリックビューイングのトークショーまで駆り出されていて…ホント大活躍。
小林:私がこれまでの朝ドラと一味違うと感じたのは主題歌。「ハンバート ハンバート」って誰?と思いましたが、ノスタルジックで朝にぴったりの心地よさでした。
イマ:普通は紅白常連クラスのアーティストが担当しますもんね。あと、ナレーションを阿佐ヶ谷姉妹が蛇と蛙として務めているのも驚きました。脚本を担当するふじきみつ彦さんが、以前ドラマ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(2021年/NHK)の脚本を書いた縁もあるんでしょうね。
小林:これから半年の長丁場なんで、じっくり腰をすえて観ていきたいと思います!
テレ東深夜ドラマの真骨頂が楽しめそう
イマ:そして、最後に私が推したいのは『シナントロープ』です。物語の舞台はバーガーショップ「シナントロープ」。大学生の都成剣之介(水上恒司)は同僚の水町ことみ(山田杏奈)に想いを寄せていたが、店で発生した強盗事件をきっかけに、平穏だった日常が少しずつ揺らぎ始める。若者たちの恋愛や友情、裏切りなどの感情が複雑に絡み合う青春群像ミステリーです。
小林:バーガーショップで働く8人は実力派の若手俳優が勢ぞろいですね。青春群像劇といえば『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』が対抗馬ですが、こっちの方が粗削りで勢いありそう。
イマ:このドラマの一番の注目ポイントは脚本です。手掛けるのはアニメ『オッドタクシー』(2021年/テレ東系)の此元和津也さん。緻密な伏線や巧みな会話劇で話題を呼んだ作品で、主人公はなんとセイウチの個人タクシー運転手。
小林:セイウチが運転手!?
イマ:ええ、他にもアルパカやシロテナガザルなどが登場するんですけど、「なぜ動物なのか」はこの物語の核心なので詳しくは言えないんですよ。最終回に大きな秘密が明かされるという仕掛けがあって、本当に唸らされました。
小林:メインの若者たち以外の俳優も個性的なラインナップですね。
イマ:染谷将太(折田浩平役)、森田想(睦美役)、MOROHAのアフロ(久太郎役)など、クセしかない。どう転ぶか分からないテレ東深夜ドラマらしい作品になることを期待しています。
小林:さて、今年の秋ドラマは全体的に主人公が高齢化してるとか、ドロドロ復讐劇が減ってBLが増えてきたとか、timeleszのメンバーが主役のドラマがふたつもあって売れてるなーとか、いろんな気づきがあります。
イマ:選んだドラマ以外にも気になるのがいくつかあるので、いい意味で裏切って欲しい。
小林:とりあえず、すべてのドラマの初回を観終わったら反省会ですね!
◆あわせて読みたい
【JJドラマ部】2025年上半期 もう一度観なおしたいドラマベスト5
【JJドラマ部】絶対面白い!オタクが選んだ2025年夏ドラマBEST5

小林久乃(こばやし・ひさの)コラムニスト、編集者。正々堂々の独身。中学生から地上波ドラマを愛して30年以上、筋金入りのオタク。好きが高じてついには『ベスト・オブ・平成ドラマ!』(青春出版社刊)を上梓した。ラブストーリーが好きで、特に禁断の恋がテーマとなると視聴熱が俄然、盛り上がる。公式HPはhttps://hisano-kobayashi.themedia.jp
元JJ編集長イマイズミ 女性誌『CLASSY.』『JJ』の編集長を歴任。1クールの地上波ドラマを全録画するようになったのは、編集長になった13年ほど前から。「仕事で新しい俳優、タレントさんを覚えるため」というのが理由だったけど、見事に大ハマり。ホームドラマとラブコメ好き。韓国ドラマもやや中毒。

イラスト/lala nitta