子どもと一緒に【シャネル】のクラフツマンシップを体感!『la Galerie du 19M Tokyo』の楽しみ方
シャネルの展覧会「la Galerie du 19M Tokyo」を楽しむための予習にもつながる、le19Mのメゾンダールを紹介。人の手でしか生み出せない、その物作りの奥義は、私たちをより深く、手仕事の世界へと誘います。
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シャネルのクリエーションを支えるパートナー
le19Mが擁する類稀なアトリエたち
安藤桃子さん、德田佳世さんが実際に訪れ、「最高にワクワクした」と語るle19M。シャネルがファッションとインテリアのメティエダール継承のためパリに設立した複合施設で、建物が位置するパリ19区、ガブリエル シャネルの誕生日が19日であることが名称の由来に。ここには刺繡、プリーツ、帽子制作、シューズ制作など、各専門分野において卓越した職人技術を誇る11のメゾンダール、約700人の職人や専門家が集結。そのクラフツマンシップはシャネルをはじめとした数々のメゾンやアーティストを支えています。また異なる分野の作家、熟練と若手の職人の交流が自然と生まれる環境では、日々技術の継承とアップデートが行われ、まさにクリエーションの未来を担う場所。総面積25、500㎡の建物には、カフェや広々とした庭園もあり、展覧会や無料の体験型ワークショップ、講演会なども開催されています。来場した人たちはただ眺めるだけにとどまらず、メティエダールの精神と技術を肌で感じ取ることができるのです。訪れれば手を動かし、何かを作ってみたくなる…。そんな創作意欲から、新たな夢がはじまります。
LEMARIÉ
1880年創業
羽根細工・花細工・プリーツ加工・クチュール縫製など







シャネルを象徴するカメリアを手がけるのが「ルマリエ」。1880年に羽根細工からその歴史ははじまり、羽飾りのついた大きな帽子をこよなく愛したパルミール コイエットという女性によって創業されました。唯一無二の技術と創造性を持つサヴォアフェールは発展を続け、クチュール縫製、生地装飾、はめ込み細工、フラウンス(ひだ飾り)、スモッキング、プリーツといった、シャネルのコレクションになくてはならない技術を担っています。
LESAGE
1924年創業
ツイード・刺繡など




オートクチュールの巨匠たちに作品を提供していた刺繡師・ミショネの工房を引き継ぎ、アルベールとマリ=ルイーズ・ルサージュ夫妻によって1924年に創業。シャネルのオートクチュール、プレタポルテのために数百時間をかけて生み出される精巧な刺繡とツイードは、ため息が出るほどの芸術的な美しさ。le19Mにはアトリエだけでなく、貴重なサンプルのコレクション、サヴォアフェールを継承するための学校も設置されています。
ATELIER MONTEX
1949年創業
刺繡



ユニークなモチーフ、前例のない素材の組み合わせ。伝統と現代が作品のなかで美しく交差する刺繡職人による「アトリエ モンテックス」。ニードルワーク技術や生地の裏側からビーズやスパンコールを縫いつけるリュネビル刺繡のクロシェのフック(かぎ編みの針)、1世紀以上前のコーネリーミシンを駆使し、職人の手作業で作品を制作。le19Mのアトリエには、新聞紙に刺繡されたレース作品のサンプル展示も。こちらでアーティスティック ディレクターを務めるアスカ ヤマシタ氏は、前ページで紹介の「Beyond Our Horizons」でシャネル、le19Mとともにキュレーションを手掛けています。
GOOSSENS
1950年創業
金細工




1950年に金細工師のロベール ゴッサンスによって創業した金細工師工房「ゴッサンス」。ガブリエル シャネルのためにビザンチン様式のジュエリーを制作したことがシャネルとの物語のきっかけに。ガブリエル シャネルは彼の彫刻と金細工の技術に惚れ込み、自身のアパルトマンの家具製作をオーダーしたというエピソードも。
MAISON MICHEL
1936年創業
帽子




シャネルのオートクチュール、プレタポルテの絢爛な世界観に欠かせない帽子やヘッドアクセサリーを手掛けるのは、1936年創業の「メゾン ミッシェル」。アトリエには独創的で新しいクリエイションのために、木型を3000個以上、アンティークの麦わら帽子やフェルトの帽子なども膨大な数をコレクション。その木型からクラウンとブリムが手作業で制作され、仕上げに職人たちによってブレードや花、フェザーなどの装飾が施されます。
\きらりと目を輝かせるきみが見たい/
la Galerie du 19M Tokyoで「すごい!」を見つけて
親子で感性を磨く秋にぴったりの「CHANEL presents la Galerie du 19M Tokyo」。le19Mに集うメゾンダールの卓越した技術を紹介し、建築家の田根剛氏が率いるATTA – Atelier Tsuyoshi Tane Architectsが没入型のインスタレーションを手掛ける「le Festival」、日本とフランスの約30人の職人やアーティストの作品やコラボレーションを集めた展覧会「Beyond Our Horizons」、刺繡とツイードのメゾンであるルサージュの100周年を記念した作品を公開する「Lesage刺繍とテキスタイル、100年の物語」の3章から構成されています。世界最高峰のクラフツマンシップに子どもたちと触れることのできる稀にみる機会。未来を見つめる視線に、もっとキラキラした光を灯してくれそうです。

土風炉時代から数えて約500年の歴史を持つ京焼の名家であり、茶陶を担う「千家十職」の一つとして知られる善五郎家。その18代目当主・永樂善五郎と、アトリエ モンテックスによるコラボレーション作品は、「Beyond Our Horizons」にて展示。

「ルサージュ」が手掛けるツイード生地を使用した、シャネルのアイコン的なスーツやドレスたち。その中でもアトリエの卓越した技術を感じさせる逸品が並びます。
【会期・開館時間】
開催中~2025年10月20日(月)
会期中無休・入場無料・要予約
10:00~18:30(最終入館 17:30)
※毎週金曜日・土曜日・祝前日:10:00~19:30(最終入館18:30)
【会場】
東京シティビュー&森アーツセンターギャラリー
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
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撮影╱嶌原佑矢〈UM〉 取材・文╱櫻井裕美 編集╱西脇治子 取材協力╱CHANEL
*VERY2025年11月号「未来に芽吹く希望の種を探して」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のもので、変更になっている場合がございます。