〈話題のオランダ子育て〉オランダ在住パパ&ママに質問!「子どもの反抗期がないって本当?」
ユニセフの『子どもの幸福度調査』で常に上位、「世界一子どもが幸せな国(’25年)」でオランダは、子どもの精神的幸福度も世界一。現地在住パパ・ママに、日本も真似できるテクニックを伺いました!
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答えてくれた方々

通訳・翻訳家。オランダ人の夫、中2の娘とオランダ在住。訳書に『オランダ人のシンプルですごい子育て』(日経ビジネス人文庫)。

モンテッソーリ教育を受けるため、父娘で2021年オランダ移住。ブログ「デルフト父娘」https://vada.jp/。

娘に合う学校を探し求めて、夫と11歳・8歳の娘2人と2024年青森からズヴォレに移住。
Q. 子供とのコミュニケーションの悩み
高学年のころから子どもが口をきいてくれず、会話が成立しません。話しかけても「うるさい」「別に」「知らん」で終わってしまいます。何を考えているのかがわからず、不安に。親が話しかけるほど、子に距離をとられてしまいます。(本田彩子さん・息子12歳・9歳)
<ANSER>
・自分で決めることを早くから要求されるオランダ。親目線の干渉は一見愛情のようでいて細かく指示をしがちで、子どもの選択肢を縛っているかも。子どもの行動や選択に「どうしてそうしたいのか?」対話の重視を。(大谷さん)
・全てを管理しない方が子どもは自分が信頼されている、と感じられ親子ともにストレスフリーかも。例えば、夕飯は家族で一緒にという大枠のルールを決めたら守り、できないならその理由を話し合って。(吉見さん)
Q. 学業・進路関連の悩み
勉強へのやる気が見られず、将来が心配…。成績が下がっているのに本人に危機感がない。塾や受験の話をするとイライラされるし、夫と自分の意見も合わず。子どもの自発での進路を応援したいのですがうまくいきません。(加藤美奈さん・息子14歳・娘10歳)
<ANSER>
・子どもの人生は子どものもの。中・高で宿題をやらなければ自分が後で困るだけなので、自分で頑張るしかなく…。自分に最適な場所を失敗や遠回りをしながら辿り着いた場所が子どもの幸せに繋がるのかも…。 (吉見さん)
・現地の公立学校では親と先生の定期的な面談があり、子どもの得意や関心を一緒に探る機会があります。勉強だけに偏らず一人ひとりの違いを尊重する環境の中で、無理なくその子らしい進路を考えられるのがいいのかも。(タナカさん)
Q. スマホ・ネット使用の悩み
スマホばかり見ていて、家庭内の会話が少ないです。使用ルールを決めたいのですが、反発されて話し合いになりません。また、夜遅くまでスマホを使っていて睡眠不足も心配です。(牧田メグミさん・娘14歳)
<ANSER>
・過干渉せずリスク回避の知恵を最低限教えて。SNSで知らない人との対話は、路上で知らない人に声をかけられたことと同じ、「全く別の人によく知らないあなたのことを嘘つきと話すかも」と多少オーバーに。(大谷さん)
・新聞でスマホ議論も見かけますが、学校では授業中以外はスマホを出しても寛容で、廊下でTikTokを撮っていた生徒を先生が咎めもしなかったそう。授業前にはしまうようなので、制限しすぎない方が自制心が芽生えるのかも。(タナカさん)
Q. 性教育についての悩み
身体の変化や性に関する話題に触れられない。年齢に応じた適切な内容の見極めやどう対話をしていいかわかりません。異性との関係について何も話してくれない。性的な情報にどうアクセスしているのか心配。(野村京子さん・息子16歳・娘12歳)
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・コンドームやセルフプレジャー商品などドラッグストアで目に入る位置にありオープンな環境。子どもたちが性的な情報にアクセスしやすく、質問には濁さず話し、家庭で性教育の会話に繋げる機会に。(タナカさん)
・小学生から3月に性教育週間が。膨大なネット情報から興味本位で間違った考えを持つより、正しい情報を理解させると予防効果も大。息子に彼女ができたらコンドームを持つよう親子が日常的に話せる文化です。(吉見さん)
Q. 友達とのトラブルについての悩み
学校のことを話したがらず、誰と仲がいいのか把握できないため、トラブルなどに気づけません。SNSいじめや孤立が心配でも子どもは何も話さないし、仲良しグループから外されていないか不安です。(藤本詩織さん・娘13歳・11歳)
<ANSER>
・調和や責任が重視される日本社会とオランダは異なり、過干渉すべきではないため、友達関係で親から何か助言することはまずしません。トラブルが起きた時だけ、できる助言をするようにしています。(大谷さん)
・親は何でも全て把握・管理している必要はないかと。それは親そして子どものストレスに直結。オランダの親はふだんはドーンと構えて、子どもがサポートが必要そうなサインを出してきた時には全力で向き合って話し合います。(吉見さん)
撮影/吉澤健太 イラスト/ヤマグチカヨ 取材/羽生田由香 ※情報は2025年9月号掲載時のものです。
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