【JJ創刊50周年記念】連載第4回 昭和の喫茶店のスタッフが主人公「さてんのに~ちゃん」グッズ7選:前編【JJ昭和レトロ学園】
投稿 【JJ創刊50周年記念】連載第4回 昭和の喫茶店のスタッフが主人公「さてんのに~ちゃん」グッズ7選:前編【JJ昭和レトロ学園】 は JJ に最初に表示されました。

連載「JJ昭和レトロ学園」では、令和の今でも思わず「かわいい♡」とときめいてしまう’80年代のファンシーキャラクターに注目♪ 第4回は「さてんのに~ちゃん」(1984年頃に登場 ユーカリ社)をピックアップ。’80年代を中心としたレトロでかわいいガーリーカルチャーを日々発信し続けているゆかしなもん先生に、令和のJJ世代が知らない“さてんのに~ちゃん”の魅力をたっぷり教えてもらいます!
「さてんのに~ちゃん」ってどんなキャラクター? まずは歴史からチェック
ゆかしなもん先生:こんにちは。今日はですね、「さてんのに~ちゃん」をご紹介したいと思います。
令和JJガール:よろしくお願いします♡ ところで先生、「さてん」って何ですか?
ゆかしなもん先生:えええっ⁉ いきなり衝撃的な質問……。そうか、今の子たちは使わないですね。「喫茶店」を略して「さてん」と言っていたんですよ。今で言う「カフェでお茶する?」が、当時は「さてん行かない?」だったんです。しかもお洒落な言い回しだったんですよ。
令和JJガール:なるほど。サテンと聞くと生地をイメージしてしまいました(笑)。喫茶店のことか。
ゆかしなもん先生:では気を取り直して……。「さてんのに~ちゃん」が登場したのは1984年頃といわれています。今はもうなくなってしまったユーカリというメーカーさんが生み出したキャラクターで、「白い家」という喫茶店で働くぼさぼさ頭のお兄ちゃんが主人公です。
懐かしいキャラクターのなかでも、当時のユーザーも「うわ! あったかも!」というような記憶の奥底から思い出させる衝撃を与えがちなキャラクターで「今の今まで30年くらい忘れてたけど思い出しました」というような方が多くて、「さてんのに~ちゃん」の存在を思い出して喜ぶという場面が多々ありました。
こういう無造作ヘアにエプロン付けたお兄ちゃんが、当時は喫茶店にホントよくいたんですよ。コーヒーを淹れてくれたりナポリタンをつくったり。それが昭和の“サテン”の風景でした。そして、「なんかちょっとカッコいい」って言う身近なときめきを与えてくれる存在だったりしたものです。
令和JJガール:ファンシーグッズのキャラクターが動物とかかわいいイメージのものではなく、「喫茶店の人」っていうのが斬新すぎます!
ゆかしなもん先生が紹介したい「さてんのに~ちゃん」アイテム7選!!
喫茶店「白い家」がデザインされたエプロンに注目
①ぬいぐるみ
当時価格不明
ゆかしなもん先生:これはかなりのレアアイテムだと思います! に~ちゃんのぬいぐるみ。私も当時は出合えてなくて、大人になってから手に入れたものなんです。当時は売っていることさえも知らなかったから、見つけたときは驚きました。
令和JJガール:なんと! もしかして非売品かもしれませんね。エプロンも付けていてかわいいです。
ゆかしなもん先生:このエプロン、よく見ると、に~ちゃんが働く喫茶店「白い家」のオリジナルエプロンなんですよ。お店の外観のデザインがお洒落でしょ?
令和JJガール:ディテールが凝ってる! 紐のエプロンもあまり見たことないですがお洒落!
ゆかしなもん先生:髪型や表情までかなり正確に再現されてますよね。さすがにタバコはくわえてないですけど(笑)。2Dより3Dのに~ちゃんは魅力的です。
に~ちゃんの「口コミ投稿」が書かれた斬新なデザイン
②ペンケース
当時価格 300円
ゆかしなもん先生:これは、昭和おなじみのカンペンケースです。ファンシーグッズが世に出始めた初期に多かった1段のシンプルなもの。開けるとフタの裏にもイラストが入っていてかわいいですよね。
令和JJガール:かわいい。そして、よく見ると文字情報が多めで読んじゃいますね。
ゆかしなもん先生:これがまさに、に~ちゃんをプロファイリングできる情報なんですよ。九州エリアの方言で「このお兄ちゃんは小さいんだけど、すごくかわいい。小柄なのによく動いている。このお兄ちゃんのいる喫茶店に一度行ってみませんか?」ということが書かれてるんです。
令和JJガール:文末のイラストを見るとファンの女のコがオススメしているような文章ですね?
ゆかしなもん先生:いうなれば、当時の口コミ投稿ですよね、これは。
令和JJガール:確かに!(笑)
ファンシーグッズなのにシックな色合いが人気のポイント♪
③ランチボックス

当時価格不明
ゆかしなもん先生:弁当箱もグレーでちょっとシックなところがカッコいいですよね。
令和JJガール:たしかに’80年代っぽいカラフルさとはまた違うイメージです。
ゆかしなもん先生:そうなんです。「さてんのに~ちゃん」グッズは割とシックな色合いが多かったので、パステル系が苦手な方や男のコでも使いやすかったんじゃないかなと思います。
メールやLINEがない時代の必須アイテム
④レターセット
当時価格 各300円
ゆかしなもん先生:そして、レターセットです。携帯電話がない時代ですから、当時の少女たちにはレターセットはマストアイテム。いくつも持っているのが常識といった感じでした。ペンパルと文通したり、告白に使ったり、何事にも必要なアイテムだったんです。
令和JJガール:お手紙を書いたりするのにレターセットを使うことはありますが、きっと当時ほど頻繁ではないと思います。スマホがない生活が想像できないですが、レターセットでのやり取りは温かみを感じますね。
ゆかしなもん先生:喫茶店のメニューがデザインされているのも注目です。今レトロ喫茶ブームですからプリンやホットケーキ、ピラフといった昭和のメニューが人気ですよね。
令和JJガール:ピラフがメニューに?
ゆかしなもん先生:喫茶店には定番メニューのひとつとして、よくありましたよ。
令和JJガール:食べてみたい♪
ゆかしなもんさん PROFILE
1975年生まれ。1970〜’80年代の文具・玩具・漫画・アイドル・映画・音楽など、昭和のガールズカルチャーを懐古し、SNSなどで発信している「昭和的ガーリー文化研究所」所長。膨大なコレクションを紹介した著書の数々や’80年代のガーリーカルチャーの入門書『ゆかしなもんの’80sガーリーカルチャーガイド』(グラフィック社)が話題に。

昭和的ガーリー文化研究所 ゆかしな所長 Instagram
※掲載している商品はすべてゆかしなもんさんの私物で、現在販売されていない商品です。
撮影/山下忠之 取材・文/加藤文惠








