2016年に公開され、世界中で大ヒットを記録したディズニー・アニメーション『ズートピア』の続編がついに公開。ウサギの警官ジュディとキツネのニックが織りなすバディの物語は、『アナと雪の女王』以来、ディズニー作品として初めて世界興行収入が10億ドルを突破する大成功を収めました。続編『ズートピア２』でもジュディの声を担当した上戸彩さんに、再び演じた感想や収録秘話、ジュディと自分との共通点などを語っていただきました。

――前作『ズートピア』から９年ぶりにジュディ役を再び演じると決まったとき、どんなお気持ちでしたか？

本当にあっという間でした。前作を収録したときは長女が生まれたばかりで、家でジュディの映像を見ながら娘の横で練習していたことをよく覚えています。出産後初の仕事でもあったので、つい最近のことのように思い出せます。子どもが喜んでくれる作品に関われるのは、とても幸せなこと。子どもたちも「ママ、ジュディやるの？」ととても喜んでくれて。子どもはもちろん、その友だちまで楽しみにしてくれるのが本当にうれしかったです。

――前作の反響についてはいかがでしたか？

当時は子どもが小さかったこともあり、実感があまりなかったのですが、今でも「うちの子が大好きでずっとジュディを観てます」と声をかけていただくことが多くて。ディズニー作品が持つ特別な力をあらためて感じますね。

――再びジュディを演じるにあたり、意識したことや挑戦したことは？

最初は正直、不安がありました。９年も経つと声質も変わるので、「同じジュディの声が出せるだろうか」と心配でした。ファンのみなさんをがっかりさせたくないという気持ちも大きかったです。前作では、スタッフの方々と一緒に苦労しながら収録したのですが、本作では、そのスタッフも変わり気持ちも新たに収録に臨みました。

なので、前作のジュディを思い出しながら、自分の感覚も大事にしつつ、必要なときは積極的に質問しながら進めました。年齢やキャリアを重ねると注意されることが減って、聞かないとそのまま進んでしまうこともありますから。不安に思うことが出てきたときは、自分からしっかり確認するように心がけています。

――相手役の森川智之さんの存在も大きかったですか？

そうですね。ニックを演じる森川さんの声は聞き入ってしまうほど魅力的で、ずっと聞いていたくなるんです。なので、収録のときは音量を少し下げて、自分の演技に集中するようにしていました。

――９年前と違う声にならないように意識しつつ、今回は新たに挑戦したことはありますか？

声の出し方やセリフの言い回しについては、この９年の間もさまざまなお仕事をさせていただくなかで、手応えのあった作品もあれば反省点の残るものもありました。だからこそ、今回はできるだけ反省を残さないように、自分なりに思い切って取り組むことを意識しました。

――実写のお芝居と違って、声だけで表現する難しさは？

ジュディは表情が非常に細かく、耳や毛の動きまで繊細なので、絵を見ていると感情が読み取りやすく、そこまで難しさは感じませんでした。本当に可愛いんですよ。

――努力家で正義感の強いジュディですが、ご自身の日常や経験と重なる部分を感じることはありますか？　

身近な友人や周囲の人から「ジュディを見ると彩を思い出す」と言われることが多いんです。顔というより、中身が似ているみたいで、そう言ってもらえるのは本当にうれしいですね。決めたらまっすぐ突き進むところなど自分にも通じる部分があるのかなと思います。最初に声をかけてくださったスタッフさんも、私が中学生のころから知っている方だったので、そうした内面も含めて選んでくださったのかもしれません。

――今回改めてやってみて一番楽しかったことは？

もう全部楽しかったです。ジュディの声を担当できること自体が幸せですし、多くのファンに愛される作品に再び関われる喜びを前作以上に感じました。ジュディが大好きなので、絵を見ている時間も本当に幸せで。先日、完成した作品をキャストの皆さんと一緒に観る機会があったのですが、みんなで拍手し合う時間も心から幸せだと感じました。ディズニーの仕事はいつも夢にあふれていて、番宣で東京ディズニーランドに行けたり、現場にディズニーグッズが並んでいたり、とても楽しいです。