竹内涼真さん(32)×町田啓太さん(35)「点が線になる瞬間」30代で気づいた“積み重ね”の意味【『10DANCE』インタビュー】
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競技ダンスの熱狂と濃密な人間ドラマを描くNetflix映画『10DANCE』で8年ぶりの共演を果たした竹内涼真さんと町田啓太さん。対談の後編は、8年ぶりの共演の感想やダンサーを演じるための体づくり、そして30代を迎えたいまの心境について、成熟した2人の魅力に迫ります。
“僕らなら奇跡が起きるかも”。そう思える相手でした
―――今回、共演が8年ぶりと伺いました。最初に相手役を知ったときの心境と、久しぶりに共演された印象は?
竹内:僕の出演が先に決まっていたので、町田くんがやると言ってくれたと聞いたときは、本当にうれしかったです。「僕らなら、何か奇跡が起きるかもしれない」と思いました。
町田:うれしいですね。世界レベルで踊らなきゃいけない作品なので、正直、簡単には踏み切れなかったです。たとえば、『Shall We Dance?』のように、“今から始めます”という設定ならまた違ったと思うんですが、『10DANCE』は初期設定が、“すでに日本チャンピオンで世界レベル”でしたから。でも、竹内くんは覚悟を決めて挑むと決めた、しかもダンスほぼ未経験で。それを聞いたら、自分も恐がっている場合じゃないと奮い立ちました。
竹内:内心ビビってましたけどね(笑)。
町田:そりゃビビりますよ。でも、逃げられませんでした。
――決断するのに竹内さんの存在が大きかったんですね。
町田:すごく大きかったです。それに、僕自身ダンサーを志していた時期があったので、その想いをこの作品に全部ぶつけられる気がしたんです。ここまでダンスに浸れる役は、今後なかなかないだろうなと。年齢的にも動けるうちに「全て捧げたい」と思いました。その2つが大きな理由です。ただ、やはり競技ダンスは全く別物でした。僕の経験値は、全く意味をなさず、むしろ邪魔になる部分もありましたね。
竹内:僕は、相手役が町田くんで本当によかったです。彼じゃなかったら成立しなかったと思います。
初めてのラテンから本番まで丸1年。全部を注ぎ込みました
――町田さんは特訓期間が2ヶ月とおっしゃっていましたが、竹内さんはどのくらい準備されたのですか?
竹内:初めてラテンを体験したのが2024年2月7日で、クランクアップが2025年2月7日。ちょうど1年ですね。ただ途中2〜3ヶ月は別の作品もあって。それが9月に終わったので、そこからから一気にエンジンをかけました。11月のクランクインまで猛練習して。
――体づくりも、アクションなどとは全く違ったのでは?
町田:すごく違いましたね。自分自身でも、徐々に体が変化していくのを感じて。お尻も上がりましたし、撮影スタッフさんにも「上がってるね」と言われました。あと、ずっと肩甲骨を下げる姿勢を意識していたので、その期間は“なで肩”になりました。スタンダードダンサーはみなさんそうだと聞きましたが、その姿勢が正解なんです。
竹内:それに、ダンサーの体にならないと振り付けのとおりに踊れないんですよ。
――劇中、竹内さんもしなやかな筋肉を見せていますが。
竹内:練習を積み重ねた体のまま本番に臨んだので、撮影も練習の延長のような感覚でしたけどね。食事に関しても、鈴木信也の体型のイメージがあったので、そこを目指してトレーナーと相談しながらやっていました。
違うものを持っているから惹かれる。そのギャップに焦がれた
――役として心情的に惹かれ合う2人ですが、お互いどこに惹かれたと理解して演じていましたか?
竹内:鈴木は、杉木が持つエネルギーですね。最初は拒絶しつつも、欲しかったものが目の前にある。それをどう掴むかという感覚でした。本能的に“自分を理解してくれる居場所”を探していて、それが杉木だったのだと思います。振り返ると、最初からずっと惹かれていたんでしょうね。
町田:お互いにそうなんですよね。
竹内:自分を変えたいと思うとき、気づけば近くにいて、エネルギーが交差する。お互いを許し、受け入れていく作業だった気がします。
――町田さんは鈴木のどこに惹かれたと思いますか?
町田:もう“存在そのもの”ですね。原作にも出てきますが「あなたは僕の憧れだ」というセリフに尽きると思います。彼を“アーティスト”として焦がれていたし、圧倒的に違うものを持っている。違いって惹かれるじゃないですか。同じ部分もあるけれど、手の届かないものもある。そのギャップに惹かれたんだと思います。
竹内:そこを見たかったんですよね、お互いに。
町田:互いに確かめたかったし、引き出したかったし、引き出してほしかった。ずっと駆け引きをしていたような感覚です。
1〜2回しか撮れない。本当に“一発本番”の空気でした
――最後の10ダンスのシーンはどんな撮影でしたか?
竹内:意外と回数は多くなくて、時間も限られていました。直前まで練習して、恐さを全部
置いてステージに入る。大変なのはカメラが回る前ですね。
町田:本当に一発本番に近かったです。1〜2回しか撮れませんでした。
竹内:最後は「大丈夫、いける」と互いを信じて向かいました。本番に入ればもうやるしかない。瞬間的に生まれるものを撮っていただいた感じです。
町田:カメラ位置も全く気にならなかったですね。
竹内:気づいたらすぐ横にあったりしましたね。
30代で“点が線になる”。積み重ねの意味を実感しています
――お2人はCLASSY.読者と同世代ですが、30代になって意識の変化はありますか?
町田:意識はかなり変わったなあ。30代に入ってからは、本当にいろいろなことがつながってきたと感じました。それまで手探りで続けてきたことが、点と点で終わらず線になってきたという感覚。人との縁もそうですし、自分が積み重ねてきた経験も、ようやく意味を持ち始めたというか。やっぱり最後は積み重ねなんだな、としみじみ思います。
竹内:僕は、質と量がガラッと変わった印象がありますね。あと、何が好きで何が好きじゃないかが明確になってきた。それって、自分らしさを作る基盤だと思うんですけど、日常の選択がよりクリアになったというか。「今日は自分にとって何が大事か」を自然と考えられるようになったんです。そういう意味で、町田くんの言う“つながり”も実感しているし、自分がどういう人間なのかも理解が深まりました。
町田:確かに、自己発見が進みますよね。
竹内:つながったぶん、エネルギーも勢いも、今のほうがあるかもしれません。
――今回、Netflixで世界配信されますが、期待していることは?
竹内:ぜひ観てほしいですし、日本を越えてその先にいけると思っています。
町田:世界に広がる予感があります。
竹内: 年末、作品はたくさんありますが、僕らを見つけてくれ!(笑)
町田:見つかってくれ!(笑)
竹内:それくらい僕らの間で起きていることは、自分でも面白いと思えるんです。見つけてもらえたら、必ず引き込める自信があります。
Profile
竹内涼真
1993年4月26日生まれ、東京都出身。2013年にモデルとしてデビュー後、『仮面ライダードライブ』で俳優デビュー。『ひよっこ』(NHK)、『下町ロケット』(TBS系)、『過保護のカホコ』(日本テレビ系)、『陸王』(TBS系)など数多くのドラマや映画に出演。今冬放送されたドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』も話題を呼んだ。2026年は1月期「再会~Silent Truth~」(テレビ朝日系)に出演、4月~主演ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』が上演予定。
町田啓太
1990年7月4日生まれ、群馬県出身。2010年に俳優として活動開始。『花子とアン』(NHK)、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)、『光る君へ』(NHK)、『グラスハート』(Netflix)など話題作に出演。ドラマ『かばん屋の相続』(WOWOW)の第1話「十年目のクリスマス」が12月27日より放送・配信される。
Information
Netflix映画「10DANCE」12月18日(木)配信開始
竹内涼真と町田啓太主演で、井上佐藤の大ヒット漫画を実写化。ラテンダンス日本チャンピオン・鈴木信也と、スタンダードダンス日本チャンピオンで世界2位の杉木信也が、互いの領域を越えて10種目全てで競い合う“10ダンス”に挑む。性格も気質も正反対の2人の“信也”は、激しく反発しながらも、ともにダンスを極めていく過程で次第に惹かれ合っていく。躍動的な肉体と視線の火花が交錯する、激しくも美しい関係性を描いた本格ダンスロマンス。
[竹内さん分]ジャケット¥319,000ニット¥132,000パンツ¥165,000シューズ¥198,000(すべてFerragamo/フェラガモ・ジャパン)[町田さん分]ジャケット¥206,800シャツ¥129,800パンツ¥217,800シューズ¥113,300(すべてエンポリオアルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
【SHOP LIST】
フェラガモ・ジャパン 0120-202-170 / ジョルジオ アルマーニ ジャパン 03-6274-7070
撮影/木村敦(Ajoite) スタイリング/徳永貴士[竹内さん分]、石川英治[町田さん分] ヘアメーク/佐藤友勝(Rond)[竹内さん分]、Kohey[町田さん分] 取材/服部広子 編集/越知恭子