【防災士・時東ぁみさん】に聞く!南海トラフ地震、首都直下地震etc.「いざという時」の備え方

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「30代になって、なんだか気になる」——そんなテーマを、堀田茜が“今会いたい識者”に直接聞きに行く連載。今回は、防災士として長年活動する 時東ぁみ さんを迎え、いざという時に役立つ防災の知識について伺いました。物理的な備えはもちろん、不安と向き合う心の準備まで、今こそ防災意識をアップデートしたくなる内容です。

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【今月の茜のモヤモヤ案件】
近いうちに必ずくると言われている南海トラフ地震や、首都直下地震、世界情勢も不安定だから、いろんな面から防災のことを考えておきたいです。必要最低限の備えをしておくとして、知識や気持ちの面では?防災士として長い間活躍されている時東ぁみさんに、最新の防災が聞きたい!

〈今月話し合いたいこと〉
非常時に備えて、防災の知識をアップデートしていきたいです。女性として特に気を付けることはありますか?

自分のメンタルが安定するものを知ってそれを備えておくことが防災に繋がります

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堀田:時東さんは防災士が今ほど認知される前の2007年から資格を持っていらっしゃるとのことですね。取得されたのはどんなきっかけですか?

時東:高校3年生のときに芸能活動をはじめたのですが、それと同時に、人助けになるような仕事に就く夢もありました。当時私のプロデューサーだったつんく♂︎さんから「そんなに人を助けたいなら防災士という資格があるよ」と教えられ、それならばと取得することに。当時、防災士の資格を持っている人は2万人程度。ほとんど男性でした。現在は約35万人にも増えましたが、なぜあの頃つんく♂︎さんが防災士のことを知っていたのかは謎です。さすがですよね(笑)。ただ正直、この資格を取ってから少しの間は、プロフィールのひとネタの気持ちだったし、有事のときに家族を護れればいいな程度の感覚。でも、その後に発生した東日本大震災をきっかけに、防災士としての活動を本格化。「私が防災知識で自分の家族を護れるのと同じように、発信することでファンの方も護れるのかも。その先にはファンの家族がいて、そのまた先にも家族や友達がいて…」と考えたら、助かる命がひとつでも増えるかもしれないなと、防災の啓発活動を続けています。

堀田:私もそういった知識に助けられているひとりです。すごく心配性なので、いくら備えてもずっと不安なんです。いざというときにすぐ避難できるよう、防災グッズを詰めたリュックは10年以上前から準備してあって、年に一度は中身を見直し。非常食の賞味期限チェックや、ハザードマップの見直しはしているのですが、それだけで大丈夫なのかなって。

時東:素晴らしいですね!そこまでやっている人のほうが少ないですよ。すごいです。

堀田:本当ですか?地震があるたびに、備えてある蓄電池がちゃんと動くかチェックしたり、非常用トイレは人に配れるくらい用意してあったり(笑)、何が用意してあるか写真に撮って可視化して、時々都度確認したりもしています。ただ、ひとり暮らし時代からの備えなので、考えてみたら自分の分しかないですね…帰ったら夫の分も用意しないといけないです。

時東:ぜひ(笑)。でもめちゃくちゃ意識高いですね。ぜひ読者の方も堀田さんのお話を参考にしていただきつつ、まだ何も備えていない方は、家の中を見回すところからはじめてみてほしいです。家具の配置を見直して、地震で倒れたらドアが塞がれる可能性がないかを確認すること。それからカセットコンロとガスボンベがあれば、家に備蓄されている食材を調理できます。それと飲み水しか準備しない方が多いのですが、ちょっと手を洗うなどの水も必要。夜湯船に浸かったらそのお湯は翌日まで溜めておくだけでも備えになるし、必ず何かの役に立ちます。

堀田:たしかに!お風呂の水をすぐ流して洗ってしまいがちですが、溜めておくようにします。

時東:あと、堀田さんみたいに非常用トイレを用意しておくのもすごくいいですね。それと女性はぜひ生理用ナプキンも多めに準備してください。最近も“避難所で生理用ナプキンが一日に一枚しか配られなかった”というニュースがありました。避難所の運営は現状、どうしても男性が多いです。運営チームにひとりは女性がいることが望ましいのですが…。女性特有の悩みに対応できる人は少ないので、そういった事態に対処できるよう、備えてもらえたらと思います。また、避難所でもひとりでは行動しないよう、防犯にも気を付けてほしいです。

堀田:家での備えの他に、外出先での不測の事態にも備えられたらいいなと思っています。地震だって必ずしも家で遭遇するわけではないし…そんなときのためにはどうしたらいいですか?

時東:小さくていいので防災ポーチを持ち歩くこと。ティッシュ、ガムや飴、エコバッグ、数回分の携帯トイレとマウスウォッシュなど。これだけでもいざというときに助けになります。日頃持ち歩いているものも多いと思うので、それにプラスして災害想定のものを。それから大災害が起きて避難所に行くことになったら、日常生活に必要なものの他に、自分にとって欠かせないものもプラスしてみてください。たとえば、すっぴんで人前に出るのに抵抗があったら、スキンケア製品やコスメなど“これがなきゃ無理”と感じているもの。「そんなときに化粧品なんて」と思うでしょうけれど、メンタルをある程度安定させるには、自分にとって気分が上がるものや「これがあれば人の目を見て話せるな」と安心できるものの備えが、心の助けになります。

堀田:避難生活が何日続くかもわからないですもんね。それに、避難所で大勢の方がいる場だと、より一層そういうものが気持ちの支えになりそうだなと思いました。住んでいる環境、家族の性別や性格、何もかもが他人とは違うから、備え方だって人それぞれでいいんですよね。

時東:だから防災マニュアルはあるけれど「みなさんオリジナルで備えてくださいね」ということを伝え続けています。

「災害時=ボランティアに頼って当たり前」ではなくて、自助の気持ちで備えをしてほしいです

争いを起こさない気持ちがいざというときの大きな支えに

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堀田:防災士として長年備えの必要性を伝えてきた中で、防災意識を高めてもらう難しさもきっとあったのかなと思いますが、いかがですか?

時東:そうですね。「防災の話って学ぶのも難しいし、明るくない。楽しくないし、オシャレじゃない。だから、後でいいや」と思われがちです。そして有事の際には、救済があって当たり前と思われてしまう。防災意識が低い方にこそ届いてほしいけど、普通にやっていたら届かない。だから、私が主催する防災イベントはエンタメ性を心がけています。

堀田:そこまでの配慮があってイベントを実現されているなんて本当に感服します。私も身近な人に伝えられたらと思うけど、いきなり防災の話をするのも憚られるし、うーん、難しい。

時東:何かギフトを贈る機会に防災グッズをプレゼントするといいですよ。なかなか選ばないものではありますが、もらって嫌なものでもないですよね。それを機に、ご家族や友人と、有事の際はどう連絡を取るか話し合ってみるといいと思います。大事な人の電話番号を覚えていなかったら、どこかに書いておいてください。

堀田:次に両親に会うときはプレゼントして話し合ってみます。自分の命を護るためのことだし…と伝えたい。

時東:やっぱり災害が起きた直後でないと防災意識って上がらないんです。災害直後は、防災関連用品は飛ぶように売れますけど、平時はまったくと言っていいほど売れないんですね。ビジネスとして成り立たず、廃業してしまう方が多くて。人の命を助ける仕事なのだから、もっと潤ってもいいんじゃないかと思っています。災害時=ボランティアの援助がないと成り立たないという意識も変えていけたらいいなと考えています。

堀田:長い間防災士の活動をされてきて、どんなことを感じますか?

時東:時世に合わせて防災知識のアップデートが必要なんですよね。これは資格を取った2007年からずっと続いてきていることですが、多様性への配慮。避難所でトイレなどトランスジェンダーの方へどう配慮すればいいか。ペットの家族化にどう対応するか。救命方法の変化。自治体によって防災に力を入れている度合いも違うので臨機応変さも大事。

堀田:物理的備えのことは先ほど色々お伺いしましたけど、私たちが気持ちの面で備えられることは何かありますか?

時東:有事の際にもなるべく心の余裕を持って笑顔で過ごせたらいいなと願っています。それが安全に繋がります。最終的にはメンタル面が自分を助けてくれるので、メンタル第一に。先ほどの化粧品を備える話もここに繋がってきますが、自分勝手ということではなく自分の命を護ることを一番に考えて行動して、その上で誰かを取り残さない。悲しませない。ともに生きましょうという気持ちを持っていていただけたらと思います。

堀田:嫌なニュースばかりで気が滅入りそうですが、たしかに悲観的にばかりなっているとどんどん空気も悪くなってしまいますね。私も前向きさを心がけて、今日帰ったらまずパートナーの分の防災リュックを一緒に準備することからはじめます!いいお話をありがとうございました。

対談したのは…

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ときとうあみ
●1987年9月25日生まれ。東京都出身。2005年にミスマガジン2005つんく♂︎賞を受賞、芸能界デビュー。2007年に防災士の資格を取得。そのほか上級救命技能、ペット災害危機管理士R3級を持つなど幅広い知識を持ち、防災に関する啓発活動、講演、配信を行う。防災をテーマにしたレギュラーラジオも多数。2016年に結婚、2022年に出産し一児の母。

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ほったあかね
●モデル、俳優。1992年10月26日生まれ、東京都出身。CLASSY.をはじめ多くの女性ファッション誌、ドラマに出演。「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)レギュラー。『ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-』(J-WAVE)ナビゲーター。2024年4月に結婚。SHIPS×堀田茜コラボ服も発売中。

[茜衣装]シャツ¥35,200(アンクレイヴ/オンワード樫山お客様相談室)ピアス(スタイリスト私物)[時東さん衣装]ジャケット¥19,910(INDIVI/ワールド プレスインフォメーション)Tシャツ¥2,990(ザラ/ザラ カスタマーサービス)眼鏡¥33,000(STEADY)ピアス(スタイリスト私物)

撮影/杉本大希 スタイリング/川瀬英里奈 ヘアメイク/日高 咲(ilumini.) 取材/野田春香 編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2026年5月号「堀田茜のほったらかしにしたらアカン!」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。

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