「やめるチャンスはいくらでもあった」制作会社プロデューサーが、30代で“転職ではなくMBA”を選んだ理由
キャリアチェンジを意識し始める社会人5年目。だけど新卒のときのようにOG訪問もしづらく、リアルな話を聞く機会は意外と少ないもの。そこで今回は、総合クリエイティブプロダクションで働きながら大学院でMBAを修了し、キャリアの幅を広げる小尾奈央子さんにお話を伺いました。
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同じ会社に15年以上いる中で キャリアの選択肢を広げられたのは 「能動的チャレンジ」のおかげ
今回のOGは...小尾 奈央子さん
総合クリエイティブプロダクション
プロデューサー(東北新社 プロデューサー)
小尾 奈央子さん
大学を卒業後、東北新社に入社。広告、WEB、動画制作から、セレクトショップの店長まで幅広く経験。プロデューサー職を続けながら、早稲田大学大学院でMBAを修了。趣味は旅行。
小尾さんが今年2月に携わった、マキアージュとPÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGIのコラボカフェ。
小尾さんHISTORY
1年目 東北新社に新卒入社。プロダクションマネージャーに。
7年目 プロデューサーに昇格。広告案件に加え、
映画配給事業など他部署の開発事業にも携わるように。
12年目 JV出向、新規事業のセレクトショップ設立に従事。
15年目 管理職に就任し、マネージメントを務める。
17年目 早稲田大学大学院 経営管理研究科に入学。
2年間の学生生活を終えMBAを修了。
昔からカラフルな色が大好きで、服や小物など、どこかに取り入れることが多いです。この日のコーディネートは、シャツ/韓国で購入したCORDERA、Tシャツ/Miu Miu、スカート/UNITED ARROWS、バッグ/ANYA HINDMARCH。PC作業が多いので、手元のネイルやジュエリーにもこだわっています。最近は色石に惹かれるようになり、ポメラートのヌードを迎えました。
お仕事必需品
BAGGUのPC入れと美術館で購入した
マルチクロスは持っているだけで気分が上がります。
在宅の日は、旅先で集めたお香を焚くのが日課。
ウッディな香りがお気に入りです。
会話のきっかけにもなる、近沢レースのタオルハンカチ。
やめるチャンスはいくらでもあったけど、 好奇心と負けず嫌いが勝った20代
学生時代から学園祭など、校内行事での企画・運営が好きだったので、自然と就職も裏方を志望しました。新卒で東北新社に入社し、現場での経験を積むところからスタート。広告制作からイベントなど幅広い案件に関わりました。やりがいを感じる一方で、キャリアについて悩み始めたのは入社4年目の頃。自分の興味と重ならない分野の仕事を担当することもあり、面白さを見いだせず、つまらなさを感じることも。同期と比べたり、働き方そのものを見つめ直す中で、関心のあったファッションやアート業界との距離も大きく、「このままでいいのか」と違和感を抱いていました。それでも続けられたのは、何も残せないまま終わりたくないという思いと、負けず嫌いな性格が大きかったと思います。そうした中で徐々に、やりたいことは言葉にするようになっていきました。転機となったのは7年目にプロデューサーへ昇格したこと。自分でプロジェクトを動かせるようになったことで、主体性が身につきました。その後はNY発のセレクトショップを日本で立ち上げる新規事業や、自社の日本酒の酒粕を使ったフェイシャルマスクの企画開発など、自分の関心と実務領域が重なるような仕事にアサインしてもらえるように。チャンスは自ら掴み取るものだと実感しました。
働きながら大学院に入学。 会社以外の世界を知って、 キャリアの棚卸しができた
30代になり、現職ではマネジメントの役割も担うようになりました。経験は積み重なっている一方で、日々の成長実感は薄れ、今後のキャリアに漠然とした危機感を抱いていました。そんな中で新規事業としてセレクトショップの立ち上げに携わった経験は、大きな転機に。これまで培ってきた広告制作やプロモーションのスキルを活かしつつも、未経験の領域に難しさを感じ、多くの苦労も経験しました。しかし、それが次第に事業づくりそのものへの強い探究心へと変わり、MBA修了を目指して大学院への進学を決意。転職ではなく、あえて学び直す環境に身を置くことで、仕事の幅をさらに広げたいという思いがありました。
好奇心のまま、大学院へ進学しましたが、昼は仕事、夜は授業という二足の草鞋生活。授業や課題に追われながら、現場を先輩や後輩に任せることも増えました。他人へ仕事をお願いする難しさや、伝え方の工夫など、試行錯誤を重ねることも多かったですが、会社や同僚の理解を得て、無事に修了することができました。学校では多種多様な業界・職種の人たちと出会い、同じテーマでも考え方が大きく異なることに刺激を受けました。多様な考え方に触れたことで、自分の得意・不得意を整理し直すことができたと思います。
〝やらない後悔よりやって後悔〟 の精神で30代後半からもまだまだ楽しく!
仕事への向き合い方は、大学院での学びを通じて大きく変わりました。知識を受け取るだけでなく、自ら学び実践する姿勢を意識するようになり、最近では興味の薄かった分野にも手を伸ばすように。修論では「好きを仕事にしている人」をテーマに、70名へのインタビューを実施。異なる業種や価値観に触れる中で視野が広がり、今後のキャリアや生き方に対する展望が広がりました。今後は様々な業界や人を繋ぎ合わせることで、新しいことを生み出していきたいです。
また、マネジメントの考え方にも変化が。相手の話を丁寧に聞くこと、そしてすぐに判断せず、一度任せてみることを意識するようになりました。一方的に指示するのではなく、それぞれの考え方や進め方を尊重しながら関わる姿勢を大切にしています。大学院生活の経験を通じて改めて感じるのは、行動してみないと分からないことの多さです。進学も悩みましたが、実際に飛び込んでみると、迷っていた時間がもったいなかったと思うほど視界が広がりました。キャリアに迷うときも、「やりたいこと」を軸にしてみると、次の一歩を考えるヒントになるのかもしれません。
【Q&A】
意外と知らないプロデューサーのリアルを聞いてみた!
異業種からの転職は可能?
広告制作に限らず、イベント、IP事業など多ジャンルに広がっており、職種も多様。これまでの経験も活かしやすい環境だと思います。平均年齢は39.2歳ですが、CLASSY.世代の採用にも積極的。以前より女性比率も上がり、働き方やキャリアの選択肢も広がっている印象です。
福利厚生は?
映画館や美術館への鑑賞補助など、インプットを後押ししてくれる制度があります。フレックス制で時間の自由度も高く、業務とのバランスを取りながら、映画を観に行くなどの調整も可能。リモートワークも導入されており、週2〜3日の出社をベースにした比較的柔軟な働き方ができる環境です。
どんな人が向いている?
決められたことをこなすだけではなく、自分で考えて面白がったり、やりたいことを形にしていける行動力がある人は強いです。あとは、泥臭いことも含めてやり切る粘り強さ。制約がある中でもこだわりを持ちながら、想定外の出来事にも柔軟に対応し、最後まで仕事を全うしている人が活躍しています。
撮影/イマイハルカ 取材/小森香沙音(PON) 編集/平賀鈴菜 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2026年7月号「次の扉をノック!大人のOG訪問」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。
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