「洗いざらしで着られる」が常識に!大人の殿堂入り名品シャツ【今月のウェルビーブランド】

編集室長・水澤が毎月気になるウェルビーブランドに注目して、その成り立ちや背景、理念までリサーチする連載。今回はSDGs先進国であるアメリカの西海岸で生まれたブランド・Frank&Eileenのプレス松川さんにインタビューしました。

今月のウェルビーブランドは…「Frank&Eileen」

洗いざらしで着られるを常識にし

洗いざらしで着られるを常識にした素材や製造工程まで優しいウェア
上から秋の装いの主役にぴったりな優しい風合いのチェックシャツ。「EILEEN」¥42,900、地元のLAのローカルメイドにこだわることで生まれたカットソー。¥28,600トレンドに寄り添ったオーバーサイズとストライプ柄が新鮮。「SHIRLEY」¥47,300(すべてフランク&アイリーン/サザビーリーグ)

【Frank&Eileen】
デザイナーのオードリー・マクローリンが古いイタリアの生地見本と出合い、その上質な生地を使って女性用のシャツを作りたいとスタートしたブランド。独自のシルエットや洗いざらしで着られる上質な素材でたちまち人気に。創業当初からの取り組みと女性支援の功績が認められ、2020年11月にB Corp認定を取得しています。

「フランク&アイリーン」のプレス松川さんにインタビュー

水澤:フランク&アイリーンは、特に女性の支援に力を入れているんですね?
松川:B Corp認証の取得でも女性支援の活動が評価されました。デザイナーで創業者のオードリー自身が母親でもあり、女性のキャリア形成やリーダーシップと子育ての両立に積極的なんです。母親になることで仕事や何かを手放したり、諦めたりすることから解放するために、LAのオフィスでは、スタッフの子供が自由に遊べるスペースも併設しているんです。
水澤:B Corpではパタゴニアに次ぐ、高スコアだったそうですね。
松川:女性への支援が高評価に繋がりました。認証へ取り組む中で、経営からブランドのあり方まで見直し、その過程で「人」を支援することの大切さを再認識して、“Giving Pledge”というプロジェクトを立ち上げたんです。ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットが始めた寄付啓蒙活動キャンペーンなんですが、この活動にフランク&アイリーンも参加して、今後10年間1000万ドルを未来の女性リーダー育成のために寄付する予定です。またさらに多くの女性リーダーが育つようにと2020年12月には少女たちの教育の機会向上と啓蒙をサポートする団体Malala FUNDに寄付をしています。
水澤:そもそもB Corp認証取得を目指したきっかけはあるんですか?
松川:1つ目は元々持続可能なビジネスを掲げ、100%の資本を自分で持つことを創業当初から行っています。これはアメリカでは珍しく株主との関わりや売上げ第一主義ではなく、長期的に雇用やサプライチェーンとのパートナーシップを大切にできます。例えば’16年にローンチしたカットソーコレクションは、ブランドの拠点であるLAでのローカルメイドで地元の雇用を守ったり、輸送コストの削減に貢献できています。2つ目は名品シャツの原点であるアルビニ社をパートナーとしたこと。イタリアで140年以上の歴史を持ち、素材の安全性を認証するエコテックスを取得していることや、家族や人を大切にするビジネス理念にまで共感してパートナーシップを築いてきました。そこに女性がリーダーシップをとるという目標を掲げていたこともさらなる後押しになりました。
水澤:やはり欧米のサステナブルへの意識は進んでいて、労働環境や雇用まで考えるブランドが増えていますね。
松川:日本のお客様の意識も少しずつ変わってきている気がします。最近は値段が高いなりの理由だったり…雇用や製造工程まで考えて買ってくださる方が増えています。本国のスタッフさんを見ていても認証だからと肩肘張らず、ライフスタイルの一貫として自然にそういった取り組みが進められています。日本でも今できることを地道に継続していきたいです。

【Frank&Eileen】エシカル商品の特徴

    水澤:フランク&アイリーンは、

    パッケージや梱包にはシャツの残布やLAから届いた新聞を再利用しています
    シャツ作りで余った布をリボン代わりにアレンジしたり、本国で使わなくなった新聞紙を日本に輸送してもらい、梱包材として再利用するなど、パッケージにも工夫がなされています。

    水澤:フランク&アイリーンは、

    横浜店のシンボルツリーには、ブランドの理念が込められています
    ブランドの理念を象徴しているのが、このシンボルツリー。LAのショールームと同様のものが横浜店にあって、子連れで来られて親子で楽しんでもらえるブランドのコンセプトを象徴しています。

撮影/五十嵐 洋 取材/佐藤かな子 再構成/Bravoworks.Inc