Lilかんさい・嶋﨑斗亜さん「映画の試写を見ていちばん泣いていたのは、西村拓哉くん」【映画公開記念インタビュー】

SNSを中心に「とにかく泣ける」と話題になったベストセラー小説『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が映画化。12月8日より全国公開中の今作について、CLASSY.ONLINEでは3名のキャストにインタビューしました。今回は特攻隊員・板倉役を演じた嶋﨑斗亜さん。映画にまつわるお話から、“大人”に対するイメージまで、今の気持ちを伺ってきました。

まさか10代のうちに坊主にする仕事がくるとは思っていなかった

—— 今作の出演オファーが来た

—— 今作の出演オファーが来たとき、どのようなお気持ちでしたか?
いただける仕事は全部嬉しいので、まずは喜びの気持ちが大きかったです。あとは台本を読ませてもらったときに、作品の時代背景とか、役柄とか、難しいなと感じることが多かったので、いろいろ勉強しつつ、ほかの俳優さんに引けを取らないように頑張らないといけないなと思いました。

—— 役作りで坊主に。覚悟はす

—— 役作りで坊主に。覚悟はすぐ決まりましたか?
そうですね。僕はお仕事ならどんなことでもやろうというスタンスなので、坊主もすぐやりますって言いましたけど、まさかこんなに早く坊主にする仕事が来るとは思っていなかったです。もうちょっと大人になってから来たりするもんかなと思ってましたけど、10代のうちで経験するとは。メイキングカメラが回っているなかで、ほかのキャストのみなさんと一緒に丸刈りにしたのも、貴重な経験でした。

—— 坊主姿にはすぐ慣れましたか?
いや、1〜2週間くらいは、鏡を見ても自分と認識するのに違和感があって。ほんまに誰?って思いました。

—— 周りからの反響はいかがでしたか?
結構「似合ってる!」と言ってくれる方が多かったです。メンバーもそうですし。ただ西村(拓哉)くんには、冗談で「可愛くない!(笑)」とも言われました。

板倉は自分の意思を持った強い人。現代の子とも通ずる部分があると思う

—— 演じたのは、18歳の特攻

—— 演じたのは、18歳の特攻隊員・板倉。台本を読んだとき、板倉をどのような人だと解釈しましたか?
人によっては弱そうに見えるかもしれないけど、僕は自分の意思を持った強い人だなと思いました。ちゃんと自分で考えて、自分で決められるところは、意外と現代の子に近い感覚がある気がします。

—— どんなことを大切に演じられましたか?
もともとは特攻隊員の方に対して、大人っぽいイメージを持っていたんです。年齢にしたら若いけど、僕が今から特攻隊に行けって言われても、行ける自信がないから、そういう覚悟を決められるのは大人だなと。ただ今回の原作を読んだり、勉強の意味でほかの作品を見たときに、もっと等身大で、現代の子たちとも似てる部分があることを知って。そこからは自分が板倉と同じ立場に置かれたらどう思うかというのを軸に、今までの自分が持っていた特攻隊員のイメージをうまく織り交ぜる形で、演じてみようと思いました。

撮影のことを思い出して…。序盤から泣いた試写

—— 完成作をご覧になっていか

—— 完成作をご覧になっていかがでしたか?
もう序盤から泣いてました。自分が役としてそこにいたから、というのが大きいんですけど、最初の食堂のシーンとかじーんと泣けてきちゃって。みんなで撮影していたときのことを思い出しました。

—— Lil かんさいの皆さんで試写されたとのことですが、ほかメンバーの方からはどのような感想をもらいましたか?
みんな「めっちゃよかった」と絶賛してくれました。僕のことも褒めてくれましたけど、映画自体「いい作品やな」って言ってくれて。試写が終わってメンバーの顔を見たら結構みんな泣いていたし、よっぽど記憶に残ったのか、そのあと1週間くらいは会うたびに映画“あの花”の話をしてくれて(笑)。嬉しかったです。

—— ほかのメンバーが泣いてい

—— ほかのメンバーが泣いている姿はよく見ますか?
いや、ほとんど見ないですね。珍しかったと思います。というのも、僕がいちばん泣き虫なんですけど…。ただ映画とかではあまり泣けない人なのに、今回は僕もめっちゃ泣いちゃいました(笑)。

—— そのときの印象的だった裏話はありますか?
西村くんの鼻が大変なことになりました(笑)。試写室に入る前、西村くんが「絶対泣く!」と言うのでスタッフさんが「こんなものしかなかったけど…」って涙を拭くものを持ってきてくれたんです。それがなんか硬めのペーパータオルみたいなやつで、映画を見終わったあと西村くんが「鼻がズタボロなった〜!」と嘆いていました。メンバー5人の中でいちばん泣いていて、どうやらペーパータオルで鼻をかみまくっていたようです(笑)。

—— 今回の出演をきっかけにお

—— 今回の出演をきっかけにお芝居に対する意識の変化はありますか?
お芝居はずっと好きでしたが、今回の作品でお芝居の深さに気づけたなと思います。昔の人を演じるのは難しかったんですけど、これから同じように自分が経験したことのない役をいただいたときに、映画“あの花”での経験を思い出して頑張りたいなと思います。

大人になったなと思うのは、グミを食べなくなったこと

—— 8月に20歳を迎えられま

—— 8月に20歳を迎えられましたが、大人になったなと感じた出来事はありますか?
あまりお菓子を食べなくなりました!(笑)とくにグミがとても好きでよく食べていたんですけど、言われてみれば最近グミを食べてないな…。雑誌の撮影現場に行くと差し入れのお菓子がたくさん置いてあって、前までは見つけたらすぐ飛びついていたけど、最近は勢いよくガッと取りに行くほどではなくなりました。

—— それはお菓子を意識してセーブしているというわけではなく…?
なんか、気分じゃなくなっちゃったんです。あと、水をよく飲むようになりました。今まではジュースがあったらジュース一択でしたけど、水を選ぶようになったのは大人の証かも(笑)。

—— 嶋﨑さんにとっての理想の

—— 嶋﨑さんにとっての理想の大人は、どのような人ですか?
理想の大人はWEST.の重岡大毅くんです。人前に立つ重岡くんは、いつもおちゃらけていて少年っぽさが目立つので、いわゆる大人っていうイメージからはかけ離れてるかもしれません。でも、裏でのスタッフさんへの配慮とか、周りの人への感謝を忘れない部分は、誰よりも大人だなあと思います。そういうところをとても尊敬していますし、僕自身も「大人やぜ!」って感じではなくて、素直に感謝を伝えられる人でありたいです。

まずは自分たちが楽しむことで周りをハッピーにしたい

—— CLASSY.読者には職

—— CLASSY.読者には職場での人間関係に悩んでいる人もいます。嶋﨑さんがグループ活動をする上で、大切にしていることは?
グループでやっていく以上、言わないといけないことは、それがキツい内容だとしても絶対に言わなきゃいけないんです。ただもう長いこと一緒におるから、「この人はこういうことを言われたくないやろうな」「この人はこういう言い方が嫌やろうな」っていうのがわかるじゃないですか。だから人によって伝え方を変えたり、「僕もそういう部分があるけど」など、必ずワンクッションを挟むようにはしてます。もともとガツンと言えるタイプでもないですし、極力下から出ることが大事です。

—— 後輩との関わり方で気をつけていることは?
強いて言うなら、できる限り親御さんを心配させないようにする。後輩たちがいらんことをしないように、しっかり面倒を見とかないとなとは思います。今、ジュニアには小学2年生の子もいて、気づいたら僕とその子たちのお母さんの年齢のほうが近くなってきているんですよ。もし自分が親の立場やったら…とか考えてしまいますし、子供をひとりで仕事やレッスンに送り出すのって、絶対心配だと思うから。なるべく安心できる環境づくりを心がけたいです。

—— 周囲も自分もハッピーでい

—— 周囲も自分もハッピーでいられるように心がけていることはありますか?
グループ仕事だと、自分たちが楽しいと思うことを追求するようにはしています。ファンの人はこれを見たいんやろうなっていうのはありますし、もちろんそこに応えたい気持ちは大いにあるんですけど、ファンの人とか大人のことを考えすぎると、やりたいことをできなくなっちゃうから。僕ら自身が楽しめないコンサートを作るくらいだったら、どんだけ怒られてもいいから、本当の意味で自信を持てるコンサートを作りたい。やっぱりエンターテインメントだから、自分たちが楽しんでいないと、見ている側にも絶対に届かないと思うんです。そのために、僕らがいちばん楽しめる空間づくりを続けていきたいなと思います。

—— 2024年に挑戦したいことは?
Lil かんさいでたくさんライブをしたいです!5人でツアーも回ってみたいです。

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PROFILE

嶋﨑斗亜
2003年8月3日生まれ、大阪府出身。アイドルグループ・Lil かんさいのメンバー。主な出演作は映画『映画 少年たち』(19年)、ドラマ『年下彼氏』『僕らは恋がヘタすぎる』(ともに20年)、ドラマ『ジモトに帰れないワケあり男子の14の事情』(21年)など。2024年1月3日より大阪城ホールにて開催される「関ジュあけおめライブ2024 The 笑門来福」に出演する。

松竹配給/©2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会

映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
12月8日(金)より全国公開中

目が覚めると、そこは1945年の日本。初めて愛した人は、特攻隊員でしたー。 親や学校、すべてにイライラして不満ばかりの高校生の百合(福原遥)。ある日、進路をめぐって母親の幸恵(中嶋朋子)と喧嘩をして家出をし、近所の防空壕跡に逃げ込むが、朝目が覚めるとそこは1945年の6月…戦時中の日本だった。 偶然通りかかった彰(水上恒司)に助けられ、軍の指定食堂に連れていかれる百合。そこで女将のツル(松坂慶子)や勤労学生の千代(出口夏希)、彰と同じ隊の石丸(伊藤健太郎)、板倉(嶋﨑斗亜)、寺岡(上川周作)、加藤(小野塚勇人)たちと出会い、日々を過ごす中で、彰に何度も助けられ、その誠実さや優しさにどんどん惹かれていく百合。だが彰は特攻隊員で、程なく命がけで戦地に飛ぶ運命だったー。

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撮影/木村 敦 ヘアメーク/永井 絵美子(JOUER) スタイリング/FI 取材・文/所 優里 編集/平賀鈴菜(CLASSY.ONLINE編集室)