知念里奈さん(42歳)振り返る再婚「長男が引っ張ってくれました」
歌手として女優として小さいころから芸能界で活躍する知念里奈さん。一方プライベートでは24歳で結婚をして第1子となる長男を出産しましたが、その後離婚を経験。その後俳優の井上芳雄さんと再婚しました。それから第2子となる次男が誕生し、現在は12歳差の二人の男の子を育てるママでもあります。ステップファミリーになった知念さんに“年の差兄弟”子育ての苦労話と極意を伺いました。
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知念里奈さんprofile
幼少のころから沖縄アクターズスクールにてレッスンを受ける。1996年に歌手としてデビュー後、翌97年に『第39回日本レコード大賞』最優秀新人賞を受賞。2003年ごろからミュージカル女優として活動の幅を広げ、『レ・ミゼラブル』などに出演する。
2005年に結婚を発表。翌年3月に長男を出産、2007年に離婚。
その後、俳優の井上芳雄さんとミュージカルでの共演を機に2016年7月再婚する。2018年6月に次男(井上さんとの間の第1子)を出産。現在は17歳と5歳の男の子のママ。
二人きりのラブラブを満喫。長男との濃厚な2人生活
長男は25歳の時に出産しました。シングルの時は私自身も若く、子育ても模索状態。とにかく長男のこれからの未来が長いので、どうやっていこうか、どのように育てあげられるか不安が常にありました。
でも2人きりの生活で長男とラブラブを満喫。思い返すと本当に親密な時間でした。母親として正しいのかわかりませんが、仲間のような、「2人で乗り越えていくぞ!やっていくぞ!」みたいな結びつきは今もあるなと感じています。
「誰がパパなの?」。長男に事情を打ち明けた夜
長男が幼稚園に入ってすぐに父の日がきた時です。長男があれ?と感じている様子がありました。これまで私の父や従兄弟など、割と家族に父親みたいな存在の男の人が多かったので、まだ何も知らない長男はパパとは何だろう?誰がパパなの?と疑問を抱いたんです。
いつかはパパの説明をしなければいけないと考えてはいたんですが、こんなにも早く突然くるとは思っていませんでした。パパの存在についてどう伝えようか、作り話でごまかそうか…悩みながらも打ち明けようとした夜、ちょうど幼稚園の園長先生からお電話をいただいたのです。そして先生が悩んでいた私に「パパは最初からいないなんて言わないでほしい。(長男くんに)希望を持たせてあげてほしい」とおっしゃってくれ、その時、離婚をしてパパと一緒に住んでいないことを正直にありのままに伝えて良いのだと思えたんです。長男に「なんかねぇ、パパと気が合わなくなっちゃって別々でいることになったのよ」とさらっと話したら、意外とすんなり受け入れてくれました。
「希望を持たせてあげること」「正直に話すこと」って子育てをしていく上で大切な事なのだと学んだ夜でした。そのうち「素敵な人を見つけたら教えてね。ママも良いなと思う人がいたら話すね」と笑い話もできるようになりました。
夫とのキューピットは長男!長男が先導してくれた再婚への道のり
夫と私の出会いは舞台共演。仕事仲間としてたまにご一緒していて、長男が生まれる前から知っていました。離婚してから夫と仕事以外で偶然に会うことが重なった時期があり、話してみるとお互い共通点もあって距離が縮まったんです。長男も昔から楽屋ですれ違っていたことがあり、自然に一緒に過ごすようになりました。3人での生活はすぐではなかったんですが、そこにいくまでに結構長男が私たちを引っ張ってくれました。
ある日長男と2人でいる時、突然長男が「ママ決めたよ!」と言ってきました。「僕はもう決めた」、それは、自分のパパを夫に決めたということ。長男は、「素敵な人を見つけたら教えてね」と2人で話したあの日のことを覚えていたんです。実際私たちも彼の後押しもあり、家庭を持とうと話し合いました。ある3人で過ごしていた日の帰り際に、長男がもじもじしていることがありました。なんだろうと思って聞いたら「(夫のことを)パパって呼びたい!」って言ってきたんです!その時は本当に嬉しかった。夫も「そうか、パパになるのか…」と感じてくれ結婚に向かっていきました。そしてお付き合いの期間を経て結婚したとき、長男は苗字が変わるってとても喜んでくれました!
「僕は一人だから」。長男が号泣した日
再婚してから長男は赤ちゃんが欲しいと言っていたんですが、実際に第2子の次男が生まれてからが長男の一番の反抗期でした。長男が12歳の時、干支が一緒で一回り違う、年の差兄弟の誕生。次男出産時は喜んではくれましたが、とにかく態度が悪くて反抗的だったんです。その後長男が中2になると、荒れ方はピークを迎え、これまでの長男の子育てで、いちばん辛い時でした。
ある日、長男がわーっと泣いたことがありました。
「悔しいんだ~!!」「(生まれてくる子が)ふたりの子どもってことが僕は悔しい」「僕は一人だから」と。生まれたてでまだ小さく言葉も喋らない赤ちゃんに対して、すごくジェラシーを感じて、ずっと孤独に思っていたんだな…と、彼を抱きしめてあげました。そして長男に「一番(あなたが)大切なのよ」と話し寄り添ったら、す~っと戻ってきてくれました。彼に「一番大切」ということは、今でも言い続けています。
長男の子育てで一番嬉しかったことは、長男が好きなことに出会えたこと
長男の子育てをしてきた中で嬉しかったこと…それは彼に将来の夢を見つけてもらったことです。長男は生まれて小さい頃からすごく踊る子でした。それを見てダンスを習わせてあげようと思った時、中でもジャズやヒップホップと違って幼いころからじゃないとできない、不変的で、自分自身はやってこなかったクラシックバレエがいいなと思ったんです。
ちょうど長男は仮面ライダーにハマっている時期だったので、バレエ『海賊』の公演を観せたら、剣で踊り狂うシーンを見てかっこいいと、まんまとのせられて(笑)、バレエ教室に通うようになりました。あの日から今は高3になり、バレエダンサーの夢に向かって旅立つまであと少し。本当に好きなことに長男が出会えて良かったと思っています。成長の過程で男の子がバレエを習うことに抵抗があったりぴちぴちの服を着ることを嫌がったりと、長男の中でバレエを続けることに浮き沈みがあった時期もありました。でも今はそれも乗り越え、毎日朝7時に家を出て学校に行き、夜の23時半過ぎまでバレエレッスンでそれを文句も言わず頑張っているので、本当に充実した毎日なんだな、好きなことがあってよかった、と嬉しく思っています。
衣装:ブラウス¥49,500-、スカート¥52,800-(共にキャバン/キャバン丸の内店TEL03-3286-5105)、ブーツ¥33,000-(ダニエラアンドジェマTEL03-6721-0250)、イヤカフ¥19,800-、リング¥93,500-(共にドゥエドンネhttps://duedonne.net/)
撮影/加治屋圭斗 ヘア・メーク/Noritake スタイリスト/小堂真里 取材・文/日野珠希
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