【リスキリング】まずはスキルの棚卸しから!始める際のポイント6
AIの普及で「どんな仕事が残り、なくなるのか?」が話題ですが、重要なのは「どんな人が市場に求められて、長く働き続けられるのか?」。社会人が常に学び続けること=リスキリングが日本でも必須になっています。社会の中心として働くCLASSY.世代にこそマストな「リスキリング」について考えてみました。
【用語解説】
リスキリングとは?
新しい職業に就くため、または今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを得るための学び直し、再教育のこと。ここ数年で日本でも定着化しつつあります。
ChatGPTで「ドメインスキルの棚卸し」をしてみました
Y・Mさん
30歳・既婚。ジュエリーメーカーとゼネコンでの営業を経て人材会社の営業に転職。家庭と仕事の両立が今のテーマ。
①「仕事における経験やスキルについてまとめたい」とスタート
②役職、職歴を入力
③「役職や職歴から得られる具体的なスキルをMECE(漏れや重複なく)に因数分解して出力してください」と入力してみました。
▼ChatGPTの出力結果
<営業スキル>
● 既存顧客営業
大手総合ジュエリーメーカーでの2年間の経験/既存顧客との長期取引の構築
● 新規顧客開拓
中堅ゼネコンでの4年間の経験/新規顧客獲得と長期取引の経験/大手人材会社での新規顧客開拓
● ODM営業
大手総合ジュエリーメーカーでのODM営業経験
● 売上目標達成
大手総合ジュエリーメーカーでの1年目からの売上目標達成/中堅ゼネコンでの通算売上予算216%達成
<産業知識>
● ジュエリー産業
大手総合ジュエリーメーカーでの経験
● 建設・建築産業
中堅ゼネコンでの土地建物の有効活用の事業提案、企業戦略構築経験/宅地建物取引士の資格試験合格
● 人材業界
大手人材会社での営業経験/ダイレクトリクルーティングの自社プラットフォーム契約獲得と利用促進
リスキリングを実践して「スパイクスキル」を身につけよう
理想のキャリアを叶えるための一歩とも言えるリスキリング。無理なくリスキリングを続けて成功させるために欠かせないポイントについて、石角さんに解説していただきました。
①リスキリングを始める前にこんなこともおすすめ
リスキリングは今までの常識に縛られず、白紙の状態で行うことで大きな掛け算効果が期待できます。まずは①専門外・業界外の人と話す②環境を変える③多様、異質な環境に身を置く④副業をする⑤「この考え方は会社外で通用するか?」疑問を持つ、といったことを試してみて。選択の幅を狭めず、客観的に自分の強みや他者からの需要を理解でき、より効果的なリスキリングの実践につながります。
②自分に合った「スパイクスキル」もChatGPTに相談してみよう
より市場で求められる人材になるためには、自分のドメインスキルにどのようなスパイクスキルを掛け合わせるかが重要。異なる分野の知識や技術を掛け合わせることで、より希少で市場価値の高い人材となれる可能性が。その際にアイディアをくれるのがChatGPT。今の自分とは異なる分野で、自分だけでは考えつかないような大きな相乗効果を発揮するスキルを探す手助けになるでしょう。
③実際にリスキリングを始めたら…ココがポイント!
リスキリングを成功させるための指針となる6つのポイントは、それぞれが連動しています。たとえば、アウトプットすることでさらに質の高い建設的な質問ができるようになったり、リスキリングの環境を整えることが習慣化にもつながります。そして何より、リスキリングは「やって終わり」ではなく、一生学ぶつもりでコンスタントに継続していくことが大切です。
ChatGPTに「スパイクスキル」を提案してもらいました
職歴とドメインスキルとともに「現在の職歴やドメインスキルからは大きく逸脱するが、掛け合わせることで新たな視点やアプローチをもたらす可能性のある分野のスキルをなるべく数多く示してください」と入力。
▼ChatGPTの出力結果
<市場価値が高く、希少な人材となる可能性のあるスキル>
● 戦略的経営視点
建設業界での土地建物活用提案と企業戦略構築経験を融合し、企業に対して総合的かつ戦略的なビジネスアプローチを提供できる。
● 業界をクロスした専門知識
ジュエリー製造、建設、人材業界での幅広い経験を持ち、異なる業界をまたいだ知識と視点で問題解決やイノベーションに貢献できる。
● データ駆動の意思決定
既存顧客営業から得たデータ分析スキルと市場調査の経験を融合し、データ駆動の意思決定に基づく戦略立案が可能。
● クライアントエンゲージメント
顧客との強力な関係構築経験を持ち、人材業界でも高いクライアントエンゲージメントを提供できる。
● 多角的なプロジェクトマネジメント
異なる業界でのプロジェクト管理経験を統合し、柔軟かつ効果的なプロジェクトマネジメントが可能。
● 法人営業の熟練度
大手ジュエリーメーカーから中堅ゼネコン、大手人材会社までの法人営業経験があり、広範な法人クライアントに対する豊富な経験を持つ。
● 資格保有
宅地建物取引士の資格を持ち、不動産関連の専門知識を活かして事業提案や戦略的な取引に貢献できる。
これらのスキルセットを組合せることで、異なる業界での成功経験と幅広い知識、専門性が結集され、市場価値が高く、希少な人材として企業に貢献できるでしょう。
お話を伺ったのは
パロアルトインサイト CEO 石角友愛さん
日本企業へのAI導入の第一人者。ハーバードビジネススクールでMBAを取得後、Google本社などを経て起業。新著『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)も好評。
イラスト/pai 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks,Inc.