酒井若菜さん(43)揺らぐのは振り幅があるということ。心の中にディスを飼えば気持ちは軽くなる

昔から変わらないベビーフェイスと、大人の色っぽさの両方を併せ持ち、不思議な魅力を放つ酒井若菜さん。昨年始められたYouTubeでは、「40代からやめたこと」というテーマの回が話題に。様々な経験を経て価値観が変化した酒井さんが、「40代になってやめたこと、始めたこと」について伺いました。

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酒井さんprofile

1980年9月9日、栃木県出身。高校在学中の1997年に「第8回ヤングジャンプ全国女子高生制服コレクション」準グランプリ、1999年に「日テレジェニック’99」に選ばれ、主にグラビアアイドルとして活動開始。その後女優へ転身し、数々のドラマや映画に出演。女優業と並行して、小説、エッセー集を発表するなど文筆業でも活躍中。

美容皮膚科で、肌も心もメンテナンスしています

40歳からは月に1度、美容皮膚科に行くようになりました。肌の調子の良い悪いに関わらず、帰りに翌月分の予約を必ず取っています。30代の後半は肌荒れがひどかったので、色々な皮膚科に通い……そこから肌に対しての向き合い方が変わりましたね。先生が無理やり施術をしようとする人ではないので、「今日の肌はいい感じだからOK!」と言われて何もしない日もあります(笑)。

今、唯一お願いしている施術はトーニング。シミを未然に防いだり、くすみを取ってくれて、効果を実感しています。私は、”顔に何かを注入する施術”にお金をかけるのはすごく嫌で(笑)。役者の仕事をしているので、それなりに年齢が顔に表れるようにしていたい。シワひとつないという肌にはそもそも憧れていないんです。色々なものを注入し始めたら、戻ってこられないような気もしていて。トーニングは施術の中でも圧倒的にコスパが良くて続けやすいですし、肌も弱いので、あれこれやるよりは毎月プロに見てもらうのが安心だなと思い通っています。

かかりつけの皮膚科の先生は、必要のない施術は絶対にしない、信頼できる人。肌の調子が良い時はすごく褒めてくれるので、気持ちもメンテナンスされている感覚です。40歳を過ぎると友達もなかなかできなくなるけれど、その分、信頼できる美容のプロとマニアックな話をするのが楽しいですね。

大切なのは、スキンケアも食事も、基本に立ち返って自分を労ること

実は30代後半に、ひどい肌荒れに悩まされていたんです。色々な皮膚科に行ったのですが、原因がわからない。結局、遅延性アレルギーの検査をしたら、小麦や牛乳などの食べ物が原因でした。もともと麺類や甘いものが好きでよく食べていたので、それらを2ヶ月くらい絶って基本的な食事を徹底的に見直し。その後も摂る量を抑えたら、肌荒れが治っていきました。

スキンケアも基本に立ち返り、化粧水を3回丁寧に入れ込む、導入美容液を使う、毎日シートパックを欠かさない、お水を2リットル飲む……といった日常でできることをきちんとルーティンに組み込んだら、悩んでいたのが嘘のように一気に肌が改善。肌質が格段によくなったので、「何かやったの?」と聞かれることも多かったのですが、基本的なことをやっただけ。自分の手のひらの温度で時間をかけて肌を触ることで、自分への愛情も伝わる気がするんです。自分に手間をかけると、ちゃんとそれが返ってくる。食事もスキンケアも、自分を丁寧にいたわるのがどれだけ大事かを実感しましたね。

生粋のコスメフリーク!スキンケアアイテムをコレクションしています(笑)

スキンケアが本当に大好きなので、あれこれ買って試しています。家には数えきれないほどのスキンケアアイテムが並んでいて、もはや趣味ですね(笑)。アイテムの素晴らしさはもちろんですが、化粧品ブランドの歴史や背景、立ち上げた経緯などの物語にも興味があって調べているので、すごく詳しいんです。ギフトでいただくことも多いのですが、Instagramに長文のレビューを書いているほど。今一番やりたいことは、美容ライターです(笑)。深掘りが得意なので、誰よりも語れるし、熱をもって伝えられる自信があります。

40歳を過ぎたら、スキンケアだけでなくインナーケアもマスト。同世代の女性の隠れ悩みで多いのが、実は髪の毛なんだそうです。薄毛や白髪、頭皮のたるみや臭いも、40代になるとそれぞれの悩みが出てきますよね。なので、タンパク質をしっかり摂取するようにしています。プロテインは毎朝飲んでいますね。あとは旬のものを食べるようにしていて、発酵食品も積極的に摂っています。友人の勧めで、納豆、キムチ、お味噌汁、糠漬け、ご飯は毎日のベースにして、そこに野菜炒めをプラスしたり。日常のルーティンに組み込むのが続けるコツだと思います。

シワやシミがひとつもない肌よりも、水分を保った肌になりたい

常々思っていることですが、シワひとつない肌って逆にもったいないと思うんです。”真っ白な画用紙”は確かに綺麗だけど、大人になったら、真っ白な画用紙にどれだけ素敵な絵を描いていけるかが重要。いつまでも真っ白な画用紙でいる必要もないし、むしろ何も描かれていない画用紙は魅力的じゃない。カッコいい絵を描いていきたいと思っています。

ただ、やっぱり”肌質”は人に大きな印象を与えてしまうので、何もケアをしないということではありません。人工的なハリ感は出さないし、シワも刻んでいくけれど、生活が荒んでいるのかな? と思われるような肌だと美しさを感じられないので、清潔感がきちんと伝わるようなケアを心がけています。シワやシミがあったとしても、肌にはしっかり”水分を入れ込む”というのを大事にしていますね。

履ける草鞋は何足でも履いて、常に新しいことに挑戦していたい

今後のビジョンとしては、「好きなことをしていて、マイペースでいいな」と思われる人でありたいです。「あの人楽しそうだね」と言われたい。ありきたりな幸せよりも、酒井さんらしいなと言われるような、自分の世界観をもっと明確に印象付けられる人になりたいと思っています。

私はもともとグラビアから女優や作家に挑戦してきたので、まだ開いていない新しい扉がいくつかあるはずだと思っていて。誰もやったことがないようなことでも、果敢にトライしていけたらいいなと。座右の銘は、「履ける草鞋は何足でも履け」(笑)。Youtubeもそのうちの1つですが、他にも新しいことを探して、次の草鞋を見つけたいです。あとは、30代はずっと俳優業がメインだったので、もう一度、誌面の中の自分を見てみたいという思いもありますね。

心の中に"ディスを持つ"ことで、心が軽くなることもある

40代は揺らぐことも多い年齢ですが、”揺らぐ”というのは振り幅があるということ。それだけ人生経験を積んできた証だし、多くの選択をして色々なことを感じてきた証拠だと思うんです。弱くなったわけではなくて、幅を広げるために揺らいでるのだから、そこで自信を無くして欲しくないなと思います。

30代後半から40代になると、生き方そのものが顔に出てきますよね。小さな積み重ねを信じて、”いい顔”をつくっていって欲しい。お肌がツルツルな子を見た時に、羨ましいなとか、昔は自分もそうだったなと比べて悲しくなっちゃうこともあるじゃないですか。でも、そう思う必要なんてない。心の中で、「刻んでないね〜」と思っておけばいいんです(笑)。ツルツルな女の子を見てニヤニヤしている男性がいたら、「まだツルツル好きなの〜?わかってないね〜」と思えばいい(笑)。

本当は、常に純粋な心でいるのが理想ですけど、40代なんてそんなクリアに生きてられないですから(笑)。もちろん心の中におさめておかなきゃいけないけど(笑)、心の中に”ディスを飼う”というのも良いと思うんです。そんな自分も受け止めながら、心を軽くしていく術を持つことが、40代には大事だと思っています。

ブラウス¥41800 スカート¥58300(ともにSUSU PRESS(IN-PROCESS Tokyo)) ピアス¥63800 リング¥173800(ともにマリハ)そのほか スタイリスト私物

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SUSU PRESS(IN-PROCESS Tokyo)  03-6821-7739
マリハ 03-6459-2572

撮影/浜村菜月 ヘア・メーク/鈴木智香(AKA)  スタイリスト/後藤仁子 取材/渡部夕子

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