40代は、なぜ夏に“老け見え”するのか?【美の巨匠・齋藤薫さん連載】

数々の女性誌で長年活躍している美容ジャーナリスト・齋藤薫さんが、STORY読者の悩みに寄り添うQ&A連載。体の変化が目に見えて表れはじめ、不安や悩みも増えてくる40代に、美の先輩からの叡智をお届けします!

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お悩み:【夏の老け見え】

夏は紫外線が強いのでUVケアはしっかりしているつもりなのですが、知らない間に日焼けしてシミが増え、夏が終わる頃には一気に老けたように感じます。老け見えしないための対策ってありますか?

①うっかり日焼けのダメージは、 たった1日で老け見えの原因に!

まず何よりも重要なのは、肌老化の原因の8割は紫外線だという事実。だから何を置いてもUVケアを欠かしちゃいけない。ところが日焼けはきちんと防いでいるのに、それでも避けられないのが、夏場の“老け見え”。
ちょっと想像してみて欲しい。真夏の炎天下、フレッシュな果物はパラソルの下でもアッという間にくたくたにくたびれ、変質してしまう。高温はもちろん、日陰でも避けられない照り返しだけで、果物もたちまち“老け見え”する。そこまでダメージを受けるのだ。

今時UVケアなしに、無防備に肌を焼くなどありえないはずだし、外側が白、内側が黒の“お約束のUVカット日傘”を持つ人も急増した。それでも大人の肌は“老け見え”するという話をしたいのだ。

●その日に浴びた紫外線のダメージは その日に消し去ること

そもそも4月から10月位まで、“うっかり日焼け”や“いつの間にか日焼け”のリスクは常について回る。最近の暴力的な紫外線を完全に避けることは難しいのだ。
そこで日焼けの“おさらい”をしておくと、赤くひりつく日焼け=サンバーンは、日に当たって数時間で炎症が起こり、8時間から24時間でピークとなる。これは火傷と全く一緒で、数日で赤みは落ち着いても、バリア機能が低下して急激に乾き、当然肌は傷んでる。これが“老け見え”の原因そのイチ。
まさに火傷と同じなら、何をすべき?そう、すぐに冷やす! 処置は早いほど良いから、ともかく夏場はコットンに含ませた化粧水で冷たくなるまで肌をパッティング、これをぜひ日課にしてほしい。知らず知らずの“老け見え”を防げるはずだから。

●夏場はメラニンへのお手入れを 72時間以上空けてはダメ!

そして、サンバーンの炎症が落ち着いた頃に現れるのがサンタン。日差しを浴びてから72時間以内にメラニンが増加し、色素沈着して肌が黒くなる。つまりシミができるのはこのタイミング。たとえUVケアをしていても、そして形あるシミはできなくても、メラニンが何となく肌をくすませ、3日後には“老け見え”が起こると考えておくべきなのだ。
だからともかく72時間以内に対策を。夏場は毎日の事だけに、3日以上間を空けずに美白ケアを継続的に行う心がけを。

●悪い貯金がもたらす“老け見え”には 基本のお手入れを見直すこと

さらにまた、これまで浴びた紫外線の蓄積で遺伝子が傷つけば、シワやたるみの原因となる。言い換えれば、40代ともなれば日々なんとなく浴びている紫外線ダメージの悪い貯金が、少しずつ肌をエイジングさせていくわけで、これに加えて夏場はもう四方八方から“老け見え”原因が集まってくるということ。ちゃんとUVケアしていても“老け見え”は避けられないからこそ、やっぱり心して基本のケアを手抜きなくしっかりやることが何より大切なのだ。

②“夏の老け見え”の知られざる原因は、 「気血水」の崩れにあった

気血水(きけつすい)……聞いたことはあるけれど、よく分からない、そういう人が多いはず。でも知っておいて欲しいのは、何だか体がだるい、元気が出ない、うまく眠れない、表情も肌印象も冴えない……などなどの何となくの不調、その原因こそが「気血水」のバランスの乱れ。高温多湿、紫外線による過酷な夏場の終わりは、この「気血水」が激しく乱れるのだ。

○「気」は元気のもと。気が滞ると疲労感や倦怠感、憂鬱、自立神経や内分泌系低下で不眠も。
○「血」は栄養のもと。血が滞ると、肌荒れ、老化、ホルモンバランスの乱れも。
○「水」は潤いのもと。水が滞ると、肌も髪もパサパサ、むくみの原因に。免疫力低下も。

だから、「気・血・水」のすべてがバランスよく巡らないと、いろんな歯車が狂っていき、様々な不調が現れる。特に夏場、何だか肌が“老け見え”してしまうのも、この「気血水」の乱れが大きな原因になっていることを知っておきたいのだ。

でも対策は、難しい。何をどうしたらいいの? これはもともと東洋医学をベースにした考え方。一度に高めるなら、やはり漢方処方を施したスキンケアが必要だけれど、でも血行を高めたり代謝を高めたりする身近なスキンケアにも、同じ働きがあると考えて。どちらにしても「気血水」を高めると、確かに不思議なくらい元気でイキイキ、肌の調子も整っていく。若く見える人はみな「気血水」がうまくいっている人。夏は必ず意識して。

③髪の日焼けによっても、人は一気に5歳分も“老け見え”する

髪と頭皮も日焼けする。それどころか、肌の3倍も日焼けすると言われるほど。しかも髪は、言わば死んだ細胞。一度日焼けしてしまうと、なかなか元の状態に戻らない。それがそっくり“老け見え”の原因となるのは、言うまでもないこと。だから肌以上にUVケアを徹底したいのだ。
そもそも髪の日焼けは言うならばタンパク質の劣化。だから髪質そのものが変質して、ツヤもコシもサラサラ感もしっとり感も失われパサつきゴワつきが目立ってくる。それだけで見た目が5歳も損をすると言っていい。その上に、髪色も日焼けで褪色し、カラーリングされた髪も変色する。
そして頭皮が紫外線ダメージを受けると、毛根そのものの機能も低下。薄毛の原因となってくる。ただし、こここまでのダメージは、紫外線で相当に髪をいじめた結果。日傘や帽子、髪用UVケアで十分に防げるものなのだと心得て。

④夏の日差しが、肌の毛穴や凹凸を目立たせて、老け見えの原因に

夏に大人が“老け見え”する原因が実はもう一つあって、それは真上から降り注ぐ夏の強い日差し。
まずはここで、間接照明の光を思い出して欲しい。周りからふんわりと人を包むような柔らかい光、だから人が美しく若く見える。夏の日差しはこれと間逆なのだ。言ってみれば真上からの蛍光灯の光のよう。
上から照らすから、肌のシワやたるみが目立つ上に、強く照らすから毛穴の一つ一つ、肌荒れはもちろんキメの乱れまでが目立ったりする。
さらに言えば夏はUVケアに加えてどうしてもファンデーションを厚めに塗りがち、そういうことが全て“老け見え”につながってしまうということ、忘れないで欲しい。

夏の“老け見え”対策に、原因別おすすめアイテム6点はこちら

①老け見え原因「夏の日焼け」に…ポーラ B.A ライトセレクター

SPF50+・PA++++ 45g 12,100円(ポーラ)

UVケアはともかく最新鋭のものを!
紫外線も味方につけて“老け見え”なし

まずSPF50+・PA++++は基本機能。紫外線はもちろん近赤外線からも肌を守り、その上でさらに肌に良い「赤色光」を透過させて、むしろ紫外線を浴びることでハリや弾力を増やしていくという凄いUVケア。肌を整えて、化粧ノリも良くなる下地効果も持つヴェールが、なめらかで心地よい保護膜を作るとともに、ハリ弾力に満ちた艶やかなもっちり肌に仕上げてくれる。つまり、紫外線を浴びても浴びても“老け見え”しない日中用クリームということ。

①②老け見え原因「夏の日焼け」「気血水の乱れ」に…ソフィーナ iP 【薬用】シワ改善 泡セラム

【医薬部外品】90g 6,380円(編集部調べ)/花王

日焼け肌のシワっぽさを丸ごとシワ改善
血行も良くして「気血水」の乱れ改善にも?

日焼け肌は、全体にしぼんだようにシワっぽくなり、従来型のパーツ用のシワ改善では対応しきれない。だからこそ顔を丸ごと泡で包んで、そっくりシワ改善する泡の美容液。頬のちりめんジワや、額の横ジワ、首もとの複雑なシワまで、くまなくシワ改善してくれる。そもそも炭酸泡が血行も良くし、代謝も高めて、たっぷり潤してくれるので、「気血水」の乱れにもアプローチしてくれると考えて良いはず。本当に頼もしい逸品!

①②老け見え原因「夏の日焼け」「気血水の乱れ」に…SHISEIDO オイデルミン エッセンスローション

145mL 9,680円

毛細血管を強化してくれる化粧液
「気血水」も整って、“老け見え”知らず

くたびれた肌を再生してくれる化粧液として大ヒットとなったこの1本。その決め手は何といっても「毛細血管」への働きかけで表皮幹細胞を生み出して、肌をそっくり新しくすること。当然のことながら血の巡りを良くして、代謝を高め、潤いを巡らせることから、結果として「気血水」もそっくり高めてくれる1本と考えていいはず。バリア機能も強化してくれるから、紫外線で過敏になった肌もどんどん健康に、きらめく生命感を取り戻していく。

②老け見え原因「気血水の乱れ」に… 体においしい 薬膳スープ粥

フリーズドライ4種アソート(梅しそ、やさい潤穀、おろし貝柱、にぼし黒豆)/箱×5箱(20食)5,400円/再春館製薬所

“体の中から「気血水」ケア”が大ヒット
朝から薬膳粥でスキンケア

薬膳ブームでもある今、大ヒットとなっているのがこのお粥。ズバリ「気血水」そのものを高める働きのある、本当に体に良いお粥と言っていい。再春館製薬所はドモホルンリンクルで漢方処方とサイエンスを融合することで、「自己回復力」に加えて「気血水」にも働きかけるスキンケアラインを半世紀にわたるロングセラーとしてきた。そのお手入れステップの中にもこのお粥を入れるほど、スキンケアのような朝ご飯と言って良いだろう。朝食べれば1日元気、生体リズムが整い、紫外線ダメージに打ち克つ自己回復力が備わるはず。もちろん、やつれないダイエットにも。夏バテとともに“老け見え”する時期、体の中からスキンケアして。

③老け見え原因「髪の日焼け」に…エルジューダ サンプロテクト セラム

SPF30・PA+++ 120mL 3,080円/ミルボン(美容室専売品)

トリートメントなのにUVケア
“老け見え”なしの髪を保ちたい

オイル系はペッタリするからイヤ、そういう人にも絶対お勧めしたいオイルセラム。シャンプー後、ドライヤーで髪を乾かす前に、頭皮と髪に馴染ませるだけ。軽やかでなめらかな感触も、心地よい。ベタつきもなし。洗い流さないトリートメントでありながら、髪と頭皮の日焼け止めとして絶対の信頼度を持っている逸品だ。スキンケアとしても使用されるバオバブオイルが潤いを与えながら、しなやかな指通りの髪に仕上げてくれるはず。

④老け見え原因「夏の日差し」に…エレガンス ラ プードル オートニュアンス Ⅷ

11,000円/エレガンス コスメティックス

汗びっしょりになっても美肌が続く
そんな魔法のおしろいに、最強新色が登場!

どんな強い光が来ても大丈夫。上からの強い光にも、キメが細かく均一で、肌表面の欠点も目立たない、ハッとするほどキレイな肌を作ってくれる。ご存知、おしろいのスーパースター、エレガンスのプードルは汗びっしょりになってもなお化粧が崩れない、汗が乾けばまた綺麗ということで、真夏の逸品としても、また更年期のホットフラッシュに悩む世代にも人気。そして今年デビューした新色08番は過去最高の透明感と美しい仕上がりを誇り、発売直後から大好評。大人肌の夏の“老け見え”には、本当に頼もしい逸品。絶対一度試してほしい。

齋藤薫さん 美容ジャーナリスト/エッセイスト

女性誌編集者を経て、現在は女性ファッション誌やネット媒体など多数の連載エッセイを担当。そのほか美容記事の企画、化粧品開発アドバイザーを務めるなど幅広く活躍中。最新刊は『一生美人 セカンドステージ 63の気づき (朝日新聞出版)

お問い合わせ先

エレガンス コスメティックス フリーダイヤル0120-766-995
花王 0120-165-691
再春館製薬所 0120-444-444
SHISEIDOお客さま窓口 フリーダイヤル0120-587-289
ポーラお客さま相談室(フリーダイヤル)0120-117111
ミルボン お客様窓口 0120-658-894

写真/光文社写真室 イラスト/MAKOTO   取材/沢亜希子 

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