趣里さん(34歳)演じることに悩んだ過去も…「家族は絶対的な味方でいてくれる」

近年を代表する数々の出演作で圧倒的な存在感を放ち、今秋はドラマ『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)で主演を務める女優の趣里さん。過去にはプロのバレリーナを目指していたという立ち姿は、どこから見ても凛とし、美しく伸びた姿勢にはオーラが宿ります。女優へ転向したのは20歳。そこから順風満帆かと思いきや「いまだにこの仕事が合っているのかもわからない」と語る意外な一面も。9月で34歳になった趣里さんに、主演ドラマへの意欲と美容法についてお話をうかがいました。

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お話をうかがったのは…俳優・趣里さん(34歳)

《Profile》

‘90年東京都生まれ。’11年女優デビュー。‘24年映画『ほかげ』でキネマ旬報ベスト・テン主演女優賞を受賞。近年の出演作品に、NHK朝の連続テレビ小説 『ブギウギ』、ドラマ『ブラックペアン』シリーズ、『ほかげ』などがある。

石橋を叩きすぎるほどの心配性。”モンスター弁護士”の亮子とは真逆です

――次なる主演作『モンスター』。ものすごく面白そうなドラマですが、最初に台本を読まれたとき、勝ちにこだわる「モンスター弁護士」と異名を放つ亮子についてどう感じられましたか?

正直「演じるのはとても難しいな」と感じたのが素直な第一印象です。解釈を深め、監督とも話し、今は、どこか淡々としているけど人の心も良く理解し、自分を俯瞰で見ている頭のいい人だと思っています。

――ご自身と似ているところは?

真逆です。私は人にも環境にも左右されすぎるんです。だから亮子を、いいなあ、強いなあと思って演じています。想いがあったら行動に移すところは共感しますが、亮子よりビビり(笑)。心配性で気にしすぎますし、みんなに「まだ気にしているの?」と言われるほど石橋を叩きまくります。

仕事も美容もルーティンは作りません。美容は母のほうがずっと詳しい

――例えばどんなところが心配性ですか?

舞台なら初日は本当に緊張しますし、ドラマのクランクインの日なら最悪のメンタルで挑みます。その日が来るまでは、夢の中で寝ながら稽古していたり(笑)。その場に行くと、もう楽しむしかないという気持ちに切り替わるのですが、そこまでのストロークが長いほうです。

――神社にお参りするとか、緊張感を乗り越えるおまじないはありますか?

むしろそういうルーティンみたいなものはあえて作らないようにしています。決めちゃうと、そこに行かなかったから駄目だったんだと、思いたくないので。同様に、何時に起きて何時に寝るとか、健康のために何を食べるとか、カチッと決めないです。

――肌のお手入れでカチッと決めてることはありますか?

何もないんです。あるとすれば化粧水と乳液をつけるくらいです。それも肌が慣れてしまうと良くないと聞くので、あえて同じものを使い続けないようにしています。メーカーも何でも良くて、ドラッグストアで買えるものだったり、皮膚科で勧められたドクター系のビタミン入り化粧水だったり。コンビニなどで売っている毛穴撫子 お米のマスクもたまに使用しています。
あと、たまにラ・メールも使います(笑)。母はとても化粧品に詳しいのですけど。

本気でやっていたバレエ。体を伸ばすのは今もクセになっているみたい

――34歳になられて、アンチエンジングを感じられることは?

鏡を見て、下がってきたなと思うことはありますし、そういうときは頭をほぐします。シャンプーするときにukaのケンザンでもみほぐしたり、美容院でヘッドスパを付けてもらったり。

――体調が悪い時のリカバリー方法はお持ちですか?

その時の体調にもよりますが、整体やマッサージ。昨年忙しかった時は施術を受けに行く時間もなかったので湯船に日本酒と粗塩を入れて、ゆっくりお風呂に入っていました。結構それだけで元気になります。日本酒も塩もスーパーで買えるものを使用していました。バレリーナのときは筋肉を緩めるために良く半身浴をしていました。

――きっとバレリーナとしての習慣も生活で活かされているのでは?

バレエをやっているときは生活の一部でしたし本気でやっていた分、逆にバレエを活かしているということはないですね。よしストレッチをやろうとヨガマットを敷いて、ということはないのですが、クセのように体を伸ばしているみたいです。でも当たり前というのかな、動かしているうちに入らないです。辞めてからも、体は柔らかいままですが、体がなまってきているのは感じるので、新たに何か運動をしないといけないと思っています。

「頑張らなきゃ」を経て、すべて削ぎ落した状態でいたいと思うように

――20歳で女優の道を歩き始められ、昨年から今年にかけてはNHK連続ドラマ小説『ブギウギ』のヒロインを演じられ、順風満帆に感じますが、どんな努力を重ねてこられましたか?

1つ1つ演技のレッスンとか、自分に何ができるか最大限でできるところまで頑張ってきましたが、いまだにこの職業が合っているかもわからないです。「頑張んなきゃ」と思っていた時期もありましたが、今は逆にそれが邪魔というか、全部削ぎ落とした状態でいたいなと思っています。自分がどう演じたいかもあるのかもしれませんが、そういう風にいないほうがその役に近づけると思うので、馴染むというか、頂いた役に対してどれだけ寄り添えるか。もちろんその役と自分が一番近くて、理解しているのですが、現場では自分の体を通って考えたことをいかに捨てられるか、でその役ができていく感じです。

悩んだときこそ誰かに相談。女友達や家族に話しています

――演じる中で失敗して落ち込むことってありますか?

はい。すごく落ち込んで、どうしよう、この世の終わりだって思うんですが、最近思うことは、そのとき誰かに頼れたときが自立できるんですよね。頼るって勇気のいることだし、自己開示しなくてはいけないし。大丈夫じゃないときは誰かに「助けて」って言ったほうがいいんだなって、公私ともに思います。だから私も友達に相談されたら本気で助けたいと思いますし、その人の人生の一部になれていると思え、支え合うことができると、人は乗り越えていけるのだと実感しています。

――そういう時誰に相談していますか?

女友達や家族にも相談します。家族は絶対味方でいてくれるので有難いですね。

――最近、一番幸せを感じたことってどんなことですか?

友達から「仕事終わったけど今何してる?」って連絡があって、「家にいるよ」って言うと「行っていい?」ということになって、友達がコンビニでチョコのアイスとかを買ってきてくれたんです。それを食べながら、特に喋りもせず、YouTubeを観て過ごした時間が最高に幸せでした。私は髪もぼさぼさでパジャマでしたが、そういう何気ない時間が楽しいです。

趣里さんの最新主演作『モンスター』は10/14からスタート!

趣里さんが主演を務めるドラマ『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)がまもなく放送スタート。常識にとらわれず感情を排除して相手と向き合う“モンスター弁護士”神波亮子がさまざまな問題に直面しながら法廷闘争に挑むリーガルエンタテイメント。趣里さんは主人公の神波を、バディを組むジェシーさんは東大法学部卒のエリート弁護士・杉浦義弘を、さらに亮子の父親で謎多き弁護士・粒来春明を古田新太さんが演じます。
カンテレ・フジテレビ系にて10月14日より毎週月曜22時放送(初回15分拡大)

《衣装クレジット》

シャツ¥111,100パンツ¥141,900(ともにPrune goldschmidt)ピアス¥79,200リング¥81,400ブレスレット¥97,900(すべてJOAQUIN BERAO/JOAQUIN BERAO)中に着たトップスはスタイリスト私物

撮影/中田陽子 ヘア・メーク/カワムラノゾミ スタイリスト/中井綾子(crêpe) 取材/安田真里 編集/浜野彩希

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