【雛形あきこさん・46歳】22歳で出産も…「幸せなはずの妊娠・産休中は、なぜか喪失感でいっぱいで…」
グラビアアイドルやタレントとしてその人気を不動のものにしながら、俳優としても数々の代表作を持つ雛形あきこさん。私生活では20歳で結婚、そして出産と離婚を経て、2013年に天野浩成さんと再婚。今や2人でバラエティ番組に出演することもあるほど、芸能界随一のおしどり夫婦として知られています。家族とのコミュニケーションを大切にしながら俳優業も両立させてきた雛形さんですが、妊娠期間中は「焦りや喪失感を抱く時間でもあった」と振り返ります。仕事への向き合い方が変わったという妊娠、出産、子育てを経て、今年24歳になるお嬢様との大人同士の関係や夫婦円満の秘訣について、存分に語っていただきました。
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《Profile》
1978年1月27日生まれ。東京都出身。14歳から芸能活動を始め、1992年にドラマ『おべんきょう』で俳優デビュー。15歳からグラビアアイドルとしても活躍し、’94年に『フジテレビ ビジュアルクイーン』に選ばれる。’95年に歌手デビューし、同時にバラエティ番組『めちゃ×2モテたいッ!』にもレギュラー出演。その後、後継番組である『めちゃ×2イケてるッ!』と合わせて22年間のレギュラー出演を果たし、バラエティ番組でも人気を博す。私生活では1児の母であり、離婚を経て俳優の天野浩成氏と再婚。芸能界屈指のおしどり夫婦として二人三脚で活躍中。
幸福なはずの産休期間、“元々私がいた場所に別の人がいる”状況に焦りと喪失感が
20歳で最初の結婚をし、その2年後に長女を出産しました。その前に半年ほど産休をいただいたのですが、今思えば、あの期間はその後の芸能活動をするうえでのターニングポイントになりました。お腹に赤ちゃんがいて、その誕生を待つ産休の期間というのはすごく幸せな時間。でもテレビをつけてみると、元々私がいたポジションにはすでに別の誰かがいて。それを見た時、突然、置いていかれたような感覚に陥ったんです。自分で選択した産休という期間にそんな気持ちになることは想像していなくて、内心とても戸惑いました。別に置いていかれる訳じゃない、と自分に言い聞かせてもその気持ちを払拭できなくて。
今でははっきりとわかりますが、私はあの時焦っていたんです。「このまま、私がいたことなんてなかったことみたいになったらどうしよう!?」と。そして改めて、「ああ、この仕事がやりたいんだ」と痛感しました。競争の激しい芸能界だとはわかっていたけれど、理由はどうあれ「休む」ということがどういうことなのか、考えきれていなかったんです。気晴らしに誰かに連絡しようと思っても、みんな仕事で忙しく、そうそう会えるものでもない。そういう状況に、「あれ、私、仕事以外に何してたんだろう?」と別の方向で気持ちが沈んでしまうことも。産休中は幸せを感じるとともに、焦りや喪失感を抱く時間でもあったんです。
産休明けに「めちゃイケ」の現場に復帰したら、最初は勘が戻らなくて。半年といえば2クール分。番組で新しいことがどんどん始まっているし、時事ネタも随分変わります。周りは以前と同じメンバーですが、空気感がやっぱり違う。徐々に勘は戻りメンバーのサポートで空気にも自然に溶け込めるようになりましたが、それまでは毎回妙に緊張したのを覚えています。でも復帰できたことが何より嬉しくて、産休前よりも、爪痕を残すじゃないけれど、一つ一つをより丁寧にするようになりました。
娘は芸能界とは全く別の道へ。今も昔も“とにかく何でも話す”が日常です
そんな娘も今はもう24歳。娘は芸能界には全く興味を持たず、普通に就職をしました。進路はほとんど娘が自分で決めましたし、特別そのように仕向けた訳ではありませんが、自分軸があるというか、自立心のある子に育ったなぁと思います。私はすぐ側に母がいたので、何かにつけて頼っていましたし、母のおかげで子育てと仕事を両立できました。そんなやりくりの中で娘との間で大事にしていたのは、とにかく何でも話す、ということ。それは今も昔も変わりません。話題が学校の話から会社になったりしたくらいです。ようやく仕事が面白くなり始めた、とか、その日1日何があったか、一緒にいると自然に話し込んでいるんです。
仲を取り持つこともなく、再婚する前から娘と夫は気が合っていました
思い返してみれば、娘には反抗期らしい時期はなかったように思います。家族でよく行くごはん屋さんがあるのですが、そこの方にも「お嬢さんって反抗期あったの?」と訊かれて。「なかったかもね」と答えると、「じゃあお嬢さんが良い子なんだね」と言われた矢先に、「そう」って娘が(笑)。私が言うのもアレですが、娘は本当にしっかりしているんです。私の仕事のことも、私が仕事を好きで、それがないとダメなこともよくわかってくれています。
今の夫と再婚をしたのは、娘が中学に進学する頃でした。環境も変わるし良いタイミングかな、と。付き合っている時から娘には会わせているのですが、娘と夫は考え方が似ているんですよ。なので私が2人の間を取り持ったこともなくて。娘が大学生の頃に「髪を青くしたい」と言い出したことがあって、代わりに美容院を探してあげたり、一緒に遊びに行ったりしています。2人でお互いの洋服を選び合ったりもしていて、私はお会計の時だけ呼ばれます(笑)。
あえてルールを作らない、それぞれ自立していることが我が家の流儀
結婚はしましたが、当たり前ですけれどその前は他人同士でした。ある意味そこを忘れてはいけないなと思っていて。お互いを尊重するために、あえてルールは作らないようにしています。決めてしまうと「こうしないと!」「ああしないと!」というのがストレスになりますから。自分の中の譲れない何かを許してもらったなら、相手の譲れない何かを許すべきだと思うんです。それが我慢ではなく尊重だと思えれば、自然とうまく回っていくのかもしれません。
あとはそれぞれが寄りかかりすぎずに自立をしていること。例えばお風呂掃除は私がすることが多いのですが、私ができそうもない時は夫か娘がいつの間にかやってくれていたり。「だったら自分が」という行動が普通にできるんです。私達の場合、家庭においてはあえて役割を決めないほうがみんな伸び伸びとできるようです。一人時間も特にほしいとは思いません。夫はわかりませんが(笑)。仕事でも自宅でも常に側にいますが、お互い別のことやっていますし、視線が気になるとかもなく、一緒にいる空間が苦ではないんです。
あと、一番大事なことは、自分がちゃんと好きなことをやっているということでしょうか。私の場合は俳優という仕事ですが、自分で自分を幸せにできないと、家族であれ誰であれ、相手を幸せにするのは難しいかもしれません。ともすれば私を含め美ST世代の女性は、つい自分のことを後回しにしがちですよね。まずは自分に目を向けてこそ、本当の余裕は生まれるんだと思います。
《衣装クレジット》
ラメシアートップス¥2,970〈NEUNA〉リング[右、薬指]¥6,600〈10ni〉リング[左、人差指]¥3,850〈muku〉(すべてアンティローザ) イヤーカフ[右、上]¥21,120イヤーカフ[左]¥27,720 リング[右、小指]¥25,300(すべてノムグ) イヤリング[右、下 2個セット]¥13,200(エテ) リング[左、薬指]¥7,700(フリンク) ブーツ¥43,450(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)ワンピースはスタイリスト私物
【ショップリスト】
アンティローザ https://auntierosa.com/
エテ 0120-10-6616
フリンク ttps://www.flynktokyo.com
ノムグ https://nomg.jp/
ダイアナ 銀座本店 03-3573-4001
撮影/堺 優史 ヘア・メイク/Hitomi(Chrysanthemum) スタイリスト/Toriyama悦代(One8tokyo) 取材/キッカワ皆樹 編集/浜野彩希
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