寺島しのぶさんが「フランス人の夫から気付かされたのは自分の小ささ」と語る理由

私を幸せにできるのは私、美容のモチベーションも自分のため。誰かのためでなく、“自分のために綺麗でいること”が心地よく幸せに生きる基準になり、周りをもハッピーにできる。そんな私らしい美しさを更新し続ける女性にフォーカスする連載です。

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お話を伺ったのは…女優・寺島しのぶさん

《PROFILE》
1972年12月28日生まれ、京都市出身。日本国内外から評価される国際派女優。2007年に結婚し、2012年に長男出産。2023年には歌舞伎座にて初舞台を踏む。今後も舞台、映画、ドラマの出演作が多数待機中。映画『国宝』が2025年に公開。

今年の6月に新宿の花園神社境内の特設テントで芝居をさせていただきました。膨大なセリフとすさまじい体力の消耗、おまけに酷暑で大変でしたが、51歳で完走できたことが大きな自信に。

その後は夫と息子と、夫の故郷であるフランスへバカンスに。ちょうどパリ五輪が始まった頃です。フランスに行くといつも思うんですが、フランス人はみんな本当にお休み上手。いかにストレスを溜めないかが重要みたいで、何かやるとすぐ「ジュ・スイ・ファティゲ(もう疲れた)」って。「もうちょっと頑張れるでしょ!」って初めは思っていたんですが(笑)、今では、ちゃんと「ファティゲ」と言える勇気は必要だなと思うように。「ここまで行ってしまうと壊れる」というのが彼らはよく分かっているんですね。半面、日本人は頑張りすぎてしまう。「もっと頑張れる」の一歩手前でちゃんと休める勇気が、自愛への第一歩なのかもしれませんね。

実績や成果は大事ですが、根を詰めすぎてパンクをしてしまっては、元も子もありませんから。夫と結婚したことで気付かされることは本当に多いのですが、一番はやはり自分の小ささです。さっぱりした印象を持たれることもありますが、何だかんだ人の目を気にしてしまうし、同世代の女優さんが演じる役を「いいなぁ」と思うことも。夫がよく口にするのは「自分は誰かの上でも下でもなくて、俯瞰した視点で人を見るから、比べるということもない」と。

フランス滞在中はテレビでオリンピックを観ていましたが、優れたアスリート達も自分の中に俯瞰した視点を持っているのではないでしょうか。勝っても負けても次のステージの青写真がちゃんとあるから、次に進むことができるんです。目下、私の課題です(笑)。

《衣装クレジット》
シャツ¥81,400 オールインワン¥108,900(ともにDAWEI/MAISON DIXSEPT) 左ピアス¥176,000、右イヤーカフ¥165,000、左人差し指リング、左中指リング¥110,000(すべてYG×White Dia/RIEFE JEWELLERY) その他スタイリスト私物

2024年『美ST』12月号掲載
撮影/彦坂栄治(まきうらオフィス) ヘア・メイク/立身 恵(CaNN) スタイリスト/中井綾子(crêpe) 取材/キッカワ皆樹 再構成/Bravoworks,Inc.

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美ST