トマトと日本の発酵食品とを組み合わせた「発酵ケチャップ」がとにかく使える!
食卓を彩る野菜の一つといえばトマト。手軽に食べられるうえに栄養価も高く美容にも効果大、子どもの成長にもお役立ちで40代はぜひたくさん使いこなしたい野菜です。特にトマト缶は長く保存しておけるので、常備しておけば毎日の献立にも活躍してくれますよね。日本糀文化協会代表理事で料理研究家の大瀬由生子さんに、発酵の力でトマトを魅力をもっと増す味わい方を教わりました。
今年8月に、ANICAV(イタリア野菜保存食品産業協会)のプロモーションの一環で、トマト畑やトマト缶工場の視察とナポリのトマト料理を学ぶ旅に行きました。イタリアは地中海気候でトマト栽培に適した土地です。トマトが育つ夏は降水量が少なく、強い日差しで気温も上昇するので、自分の身を守るために抗酸化物質のリコピンを大量に作り栄養もたっぷり。しかも収穫後すぐに加工場に直送され、24時間以内に缶詰になるので鮮度も保たれたまま製品になります。 イタリア家庭ではトマト缶は常備してあり、パスタやピッツァ、煮込みやソースと様々な料理が作られます。トマト缶は、日本の味噌のような役割なのかもしれませんね。特に南イタリア人は、クリームやバターの入った北の料理を食べることは少なく、ほぼトマト味。開放的なイタリア人ですが、食に関しては保守的です。それは、その土地で採れたものをその土地で食べることが最高の贅沢!と分かっているからでしょう。さらに「家族代々作っている我が家の味」も大切にしています。 伝統料理を親から子へ繋ぐのは大切なこと。このイタリアトマトの旅を通じ、トマトの美味しさと忘れてはいけない食の基本を再認識したのでした。
トマト缶×糀でつくる無添加!発酵ケチャップ
米糀のデンプン分解酵素アミラーゼによる甘みだけで砂糖不使用の優しい味のケチャップです。
【材料】
米糀(生)100g ホールトマト缶 1缶(400g) 玉ねぎ 1/2個(100g)
ローリエ1枚 シナモン少々 塩小さじ1/2~小さじ1(3~6g)目安
*こちらを入れても美味しい(醤油小さじ2 酢大さじ1すりおろしにんにく1片分)
*塩分濃度が低いので、冷蔵庫で保存。(1週間~10日ぐらい保存可)
【作り方】
① トマト缶、玉ねぎ(にんにく)米糀をミキサーにかける。
② 全体をまぜ、消毒した容器に①を移し、60℃に設定したヨーグルトメーカーで8時間保温する。※炊飯器でつくる場合は、お湯1カップを注ぎいれたら瓶を入れ、炊飯器のふたを閉めずに布巾をかけ8時間おく。
③ できあがったら、味を見ながら塩を入れる。
発酵ケチャップをソースに、野菜たっぷりパスタ
【材料2人分】
パプリカ(赤・黄)各1/4個 ナス1本 しめじ1/2袋(または生しいたけ1個) ベーコン2枚 にんにく1片 オリーブオイル大2 白ワイン50㏄ 発酵ケチャップ大さじ5~6 塩・胡椒適宜 パスタ160g 粉チーズお好みで。
【作り方】
①パプリカ・ナスは、食べやすい大きさに切る。しめじは根元を切り落としほぐしておく。ベーコンは5㎜幅に切る。にんにくはみじん切りにする。
②フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、香りが出たらベーコンを炒め、周りがチリっとしてきたら、ナスとパプリカを入れて炒める。
③次にしめじを入れ、白ワインを加えてアルコールを飛ばす。
④ ③に発酵ケチャップを入れたら、塩・胡椒で味を調える。
⑤パスタを茹でて、④のソースをかける。お好みで粉チーズを振りかけていただく。
ほかにも…
ポテトフライに発酵ケチャップとマヨネーズを混ぜたオーロラソースで。オムライスやオムレツ、ピザトーストにも。
料理研究家 一般社団法人日本糀文化協会代表理事 まちの健康研究所健康アドバイザー 発酵・食育・野菜を中心に、「体と心が喜ぶこと」をテーマに、行政・企業・カルチャーセンターなどの講演・料理講師のほか、レストラン・企業の商品開発・イベントなどでも活躍。また、一般社団法人日本糀文化協会代表理事として、日本の発酵食品である糀文化を、日本及び世界に普及・啓蒙活動を行っている。イタリア・フランスで味噌講座を開催し好評を得たほか、幼稚園や保育園での味噌つくり、小学校での親子クッキング、講演会など年に何本もの食育活動を行っている。NHK「あさイチ」NHKEテレ「小雪と発酵おばあちゃん」などテレビ出演も多数。 目標は「教育に発酵を!」「世界に日本の発酵文化を!」夢は「食で人を幸せにしたい」食で人を笑顔にしたいと願っている。著書に「食べることは生きること」(カナリアコミュニケーションズ)「初めてのお料理レシピ」(西東社)「学校で作れる!安心・安全 クッキング」 2・3・4・5巻(ポプラ社)「日本の郷土料理帖」(河出書房新社)「5歳からのかんたんごはんつくり」(秀和システム)など40冊以上。アジア(台湾・韓国)に翻訳されたものも。
撮影・レシピ/大瀬由生子 協力/redgoldfromeurope、ANICAV