乳がん闘病中の【梅宮アンナ】さん「治療でいちばん怖かったのは髪が抜けるということ」

2024年8月13日、梅宮アンナさんは乳がん(浸潤性小葉がん)のステージ3Aと診断されたことを公表しました。昨年5月、シャワー後に右胸だけが急に小さくなったと異変に気付き、その後痛みを伴ったため病院で検査を受けた結果、乳がんが判明。現在は抗がん剤治療を受け、11月7日には右胸の全摘出手術を終えました。この連載では、梅宮アンナさんが、がんになって今思うことをリアルにお届けいたします。

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闘病中でもあえて“キラキラ“している自分も見せています

ときに治療が辛くて涙を流すこともありますが、あえてオシャレをして、“キラキラ”している自分を見せるようにはしています。がんと宣告されたときに、いろいろな方の闘病日誌を読んだのですが、髪の毛がなくなっていって、ぐったりとしている様子を見ていると、自分にもこれからこんな辛い毎日が待ち受けているんだと感じて、悲しくなってしまって…。

しかも、私は今までモデルとして表に出る仕事をして、自分で言うのもなんですが、ある意味“憧れの存在”であるべき仕事をしていたんですよね。「いつも素敵なものを紹介している」「バッグのなかに何が入っているのか気になる!」と言ってもらえている自分が、もし急に辛い苦しい闘病生活を発信してしまうとどうなるんだろう?と思うと、これから闘病生活を始めようとする人が見たときに、あまりにも悲しくなるものは届けたくなかったんです。やっぱり、がんになっても、抗がん剤治療をしているけれど「アンナちゃんはアンナちゃんらしく素敵だね!」って感じてもらって、それをパワーにしてもらえればと思って、表に出る仕事も続けることにしたんです。がんだからってオシャレを諦めなくてもいいし、仕事を諦めなくてもいい。そんなメッセージが届けばと思っています。

1996年8月号 JJの表紙
『JJ』1996年8月号。ルックスだけでなく持ち前のセンスのよさで、読者からの圧倒的な支持を集めていたアンナさん。 読者モデルとして登場した後大反響を呼び、たちまちカバーモデルに抜擢されました。
1997年1月号 JJの表紙
『JJ』1997年1月号。特にお気に入りのカバーとのこと。この頃から「シンプルで上品」をテーマに、アンナさんらしいファッションを発信してくれました。 このカバーも当時「アンナちゃんのファッションを真似したい」読者が急増。

がんになって一番怖かったのは髪が抜けるということ

オシャレが生きがいの私にとって、がんになって一番怖かったのは、髪が抜けることでした。抗がん剤治療を受ける前に、2週目から3週目に抜け始めると聞いていたものの、いつ抜け始めるんだろうとドキドキで…。私の場合もぴったり14日目にその日が来ました。

朝、いつも通りシャンプーをしていたら、突然ごそっと髪の毛が抜け始めて「あ、来た…」と思いました。慌てて水で濡らしてみたものの、髪が絡まってしまって取れないんです。コンディショナーをつけても、絡まりはそのままでした。髪の毛が全部一気に抜けるわけではなく、徐々に抜けていくので、抜けた部分と抜けていない部分が混ざり合って絡まってしまうんです。フランシスコ・ザビエルのような髪型になってしまって、その姿を見た母は、「なんであなたがこんな目に遭わなきゃいけないの…」と、震えながら泣いていましたね。

髪が抜けることは分かっていても、いざその瞬間を迎えると、自分を完全に受け入れることはとても難しいものでした。実際に髪が抜ける期間は1週間程度で、その間は散らばった髪を掃除したり、ベッドや床に残った髪を片付けることに追われました。物理的な作業だけでなく、心の整理も大変でした。

「人毛ウィッグ」が新しい一歩を踏み出すきっかけに

髪の毛が抜けてしまい、落ちこむなか、新しい一歩を踏み出すきっかけになったのが、医療用人毛ウィッグでした。私の使っている人毛ウィッグはカラーリングやコテでアレンジすることも可能で、ピンクとブロンドのヘアを持っています。自分の髪のように使えるので、今までと同じ自分でいられるということに救われました。ここまで自由度高くオシャレを楽しめるのに、医療用なので、軽くて柔らかく、地肌のような質感で頭皮に直接触れてもストレスを感じません。

最初は髪が抜けることを想像できていなかったので、安価な化学繊維のウィッグを使っていたのですが、テカテカしていて、やっぱりカツラっぽいなと感じてしまったんです。人毛ウィッグは少々値が張るのですが、地域によっては医療用ウィッグの購入の際に助成金が出るところもあって、私の住む自治体でもウィッグ1個につき10万円まで助成が受けられることを知りました。がんになって初めて、医療用人毛ウィッグの存在や、このような助成金についてを知ったのですが、治療と向き合っていくためにも、新しい日常に希望を見出していくためにも、ありがたいなと感じています。

医療用人毛ウィッグでもオシャレを楽しむ梅宮さん

ブロンドカラーの人毛ウィッグ
ブロンドカラーの人毛ウィッグで、アップヘアに
ピンクブロンドの人毛ウィッグ
ピンクの人毛ウィッグで、アップヘアに

アンナさんが使用しているウィッグの取り扱い店はこちら

「CITRIN(シトリン)」医療用ウィッグ取り扱い店・美容院
所在地/東京都台東区谷中3-18-6 営業時間/9:30~18:30
定休日/日曜日、祭日 TEL/03-5834-8895

医療用ウィッグも取り扱っている美容院。円形脱毛症、脱毛症、抜毛症、びまん症、ホルモンバランスによる脱毛、ダイエット、生活習慣の乱れなどの急な髪の毛の変化のトラブルに対応しており、髪の悩みを解決するためのトータルケアを提供してくれるお店です。

アンナさん衣装:私物
撮影/中田陽子 取材/日野珠希

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