「ベビーシッター代が経費にならないの、なんで?」SHELLYさん

床に座って微笑むSHELLYさん

※このコラムはVERY2025年3月号(2025年2月7日発売)に掲載されたものです。

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子どもにお金の価値や働くということを伝えるの、なかなか難しいですよね。今はなんでもカードで買うし、コンビニやスーパーで子どもに小銭を握らせてお買物体験をさせたいけれど、混み合っている時だとなかなか気が引けますし。このお金はどこから来たかといえば働いて稼いだからですが、私は子どもたちに「お金のためだけに働いているわけじゃない」とよく伝えています。少しでも人のために役に立てたらうれしいんだよって。あと、お金お金とはずっと言いたくないけど、働くためにはいろんなお手伝いがいるから、来てもらっているシッターさんや家事代行さんにももちろんお金を払っているんだということも伝えます。私がやらなきゃいけないことを減らしてくれているおかげで、安心して働きにも出られる。家事や育児には価値があるんだよと。よく主婦の方がクレジットカードを出して「夫のお金で買い物します」なんて言ったりしますが、いやいやいや、夫が働けるのはあなたがいるからなんです、と思わず返したくなることも。別に夫に食べさせてもらっているわけじゃない、主婦だとしても二人で稼いでいるんですよね。

座ってるSHELLYさん

それで思い出しましたが、結婚式のファーストバイトってありますよね。「新郎からは一生食べ物に困らせないようにという約束の意味が」、「新婦からは一生美味しいごはんを作りますという意味が」などと司会の方が言ったりする。令和の今は、ジェンダーの観点からそういったファーストバイトの演出はだいぶ減ってきているそうですね。そこはもう「一生一緒に美味しいものをたべようね」でいいし、結婚式の締めの挨拶だって新郎の父ではなく新郎新婦ですればいいと思います。

あとお金の話でいえば、確定申告で「会議費」として一人あたりの飲食費が5千円からアップして1万円まで計上できるようになったんですよ。例えば、現場の間に誰かとお茶をした場合の経費などです。5千円でも十分な額だなと思っていたけど、それがポーンと1万円になった。なんだかモヤッとしました。だって稼いでる人が会食したりお茶するお金は経費になって、例えばシングルマザーが働きに出るために託児所に預けても、経費にならないんです。働くためには家事を外注したり、ベビーシッターを頼んだり、病児保育に預けないといけないこともあるのに、私が家庭にいないことにより起きるロスを補うお金は、自治体等の支援を除けば一切出ないわけです。なんだかそこも、保育や介護の仕事の報酬がとても安いことと地続きなような気がしてしまいます。子どもたちには、日々接しているケア役割の人たちの仕事の価値を伝えていきたいし、そのためにも「ママはこうしてお金を払っているんだよ」ということも隠さずに話していきたいなと思っています。

◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。9歳と7歳と2歳の娘の母。

雪の中に寝転ぶSHELLYさんと娘さんたち
冬休みに旭川へ。パウダースノーに毎日大興奮!雪まみれになって、暖炉であったまって、また雪まみれになって…の3日間でした。

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撮影:須藤敬一 取材・文:有馬美穂 編集:中台麻理恵
*VERY2025年3月号「シェリーの「これってママギャップ?」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のもので、変更になっている場合がございます。