「あの人、本当にいたんだ」・・・実在モデルの韓国ドラマ、涙と衝撃の4選

ヒロインの波乱万丈な人生だったり、ロマンティックな恋愛ドラマ、目を覆いたくなるようなハラハラドキドキなサスペンス。韓国ドラマはいつだって、私達にドラマティックな疑似体験をさせてくれますが、実は、実在の人物をモデルにしたドラマも多いんです。そこで、今回は、事実は小説より奇なり?!「実在の人物、話がモデルとなった韓国ドラマ4選」をお届けします!

実在のカジノ王の人生を疑似体験できる! 『カジノ』

© 2025 Disney and its related entities │ ディズニープラスのスターにて全話独占配信中
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STORY

韓国・大田にて貧しい幼少期を送ったチャ・ムシク(チェ・ミンシク)は、縁に恵まれ努力を重ね30代で有名な英語塾の塾長となる。ある日、訪ねてきた故郷の後輩にカジノビジネスを持ちかけられ、カジノ経営に一攫千金の可能性を見出す。優れた商才で韓国カジノ界のトップに昇りつめるが、あることをきかっけにすべてを失ってしまう。再起をかけたムシクは、東南アジアへと移住し、フィリピンのカジノ業界の頂点へと昇りつめていくが・・・

 

本作のモチーフとなったのは2023年には海外収監中も、継続的に韓国に違法薬物を流通させていることが明らかになり注目を集めた麻薬王パク・ワンヨル。2016年にフィリピンのサトウキビ畑で韓国人3人を殺害した犯人として懲役60年を言い渡されていますが、本作を見れば、この話にピンとくる人も多いはず。モチーフとなっているのは、筋金入りの悪人ですが、本作で韓国の映画界の大スター、チェ・ミンシクが演じるのは罪を犯しカジノ業界を昇りつめて行きながらも、どこか憎めない愛嬌と器の大きな人柄が魅力的なムシク。本当は悪いことをしていないのでは? と思わせる役に深みを持たせる円熟した演技はこのドラマの見どころの1つ。チェ・ミンシクが惚れ込んで、なんと25年ぶりに出演を快諾したというドラマなだけあって、共演陣も超豪華。ムシクを慕う後輩にはおしゃれな演技派俳優イ・ドンフィ。『イカゲーム』では、その悪人顔で強烈な印象を残したホ・ソンテ、みんな大好き、色気で人を狂わせる男ソン・ソックがムシクを追い詰めていく警官役で登場。と、実力派が勢ぞろい。金と欲望が渦巻くクライムドラマですが、登場人物たちのリアリティのある人間臭さに惹きつけられシーズン1(8話)、シーズン2(8話)が、あっという間に見れてしまう好奇心が刺激される超大作です。

予想外の方向への展開に息つく暇もない『ナルコの神』

Netflix シリーズ「ナルコの神」独占配信中

STORY

中学生の時に母を、20歳でベトナム戦争で足を負傷した父をも亡くし残された家族と共に生きるために昼夜問わず働いてきたカン・イング(ハ・ジョンウ)。生きるために英語を学び、カラオケバーのオーナーにまでなるが、働き詰めの日々からの脱却のため、幼馴染パク・ウンス(ヒョン・ボンシク)が持ちかけてきたスリナムでエイをただで仕入れ、韓国で売るという海外事業にのる。渡ったスリナムでやっかいごとに巻き込まれた際、助けてくれた“スリナムの総監”ことチェン牧師(ファン・ジョンミン)と親しくなるが、韓国の国家情報院チェ・チャンホン(パク・ヘス)から牧師には恐ろしい裏の顔を知らされ事件に巻き込まれていく・・・

スリナムはブラジルの上にある人口50万の小さな国。ファン・ジョンミン演じるチョン牧師は1990年代末~2000年代初頭にスリナムを拠点に暗躍した麻薬王チョ・ボンヘンがモデル。既に亡くなっていますが、南米の麻薬カルテルと手を組み、スリナムで巨大麻薬組織を構築したチョ・ボンヘンと、(7年間の追跡の末)彼の逮捕にひと役買ったとされる民間人K氏との実話が、このドラマのモチーフです。フィクションですが8割はK氏への取材で得た情報を反映させたエピソードで物語は展開。このドラマを見たスリナム政府が「自国のイメージが悪くなった」とドラマの制作会社を訴えるほど、内容は衝撃的なんです。正直、スリナムが五輪や万博に参加しているの知る度に「ドキ」っとしてしまうレベル! (スリナムの外相いわく「スリナムにはこのドラマのようなイメージはない。政府が麻薬取引に加わることもない」そう。)そんなインパクト強めの実話に負けないほど話題となったのが、韓国ノワール作品に欠かせないファン・ジョンミンとハ・ジョンウの初共演。震えるほどの気味の悪さと威圧感で牧師を怪演するファン・ジョンミンと、エイを売りたいだけだったのに国単位の壮大な逮捕劇に巻き込まれるイングを演じるハ・ジョンウの共演はハ・ジョンウが17年間思い続けやっと叶ったものだったとか。2人の演技の応酬を堪能し、実話ベースとは到底思えない予想もしない方向に進んでいく展開を是非!

実際にあった凶悪事件を描く『悪の心を読む者たち』

©SBS │ U-NEXTにて配信中

STORY

動機のない強姦殺人事件が多発していた1990年代後半。犯人は赤いキャップを被った男とされ、刑事のソン・ハヨン(キム・ナムギル)は追跡していくが、同僚の強力班刑事は、被害者の恋人を容疑者候補にする。しかし、捜査に疑問をもったハヨンは、真犯人がいると信じ、鑑識係長のクク・ヨンス(チン・ソンギュ)と共に再び事件現場を調べ、別の人物の指紋を発見するが・・・

今では当たり前のようになった、犯罪現場の証拠や犯行状況を分析し、犯人の行動パターンや心理状態を推測し犯人像を推定する犯罪捜査のプロファイラー。このドラマは、実在した韓国初となるプロファイラー、クォン・イルヨン教授がモデル。教授が実話をベースに執筆した同名のノンフィクション・ルポルタージュが原作です。ドラマ内での事件も、実際にあった凶悪事件をモチーフに描かれていますが、犯人の解像度が高すぎるのがこのドラマの(不謹慎ながら)印象的なポイント(犯人のビジュアルやセリフは忠実に再現されているらしい)。実際の事件を見ているようで目を覆いたくなるようなシーンもありながら、興味深く見てしまう中毒性があります。ですが、まだプロファイリングという犯罪捜査が知られていなかった時代、そういった捜査法への理解もなく煙たがられながらも、被害者のために、そして国民のために、プロファイラーの道を切り拓いていった過程は胸が熱くなり、また、被害者やその家族に寄り添う姿勢が作品として秀逸。主演のキム・ナムギルも「実話を描いたので被害者家族の方たちに不快な思いを感じさせないように配慮した」とコメントしているほど。犯人たちの通常では考えられないような狂気に満ちた思考をのぞき込みながら、「怪物は生まれるのか、それともつくられるのか」というセリフの意味を深く考えさせられる本格心理サスペンスです。

身分違いの甘く切ないロマンス『赤い袖先』

©2021MBC │ U-NEXTにて独占配信中

STORY

宮女として働くソン・ドクイム(イ・セヨン)は、ある日足を踏み外し、偶然近くにいた朝鮮王朝第21代王・英祖の世孫、イ・サン(ジュノ/2PM)を巻き込み池に落ちてしまう。反省文を書くために書庫にいたドクイムはサンを司書と勘違いし無礼な態度をとってしまう。怒ったサンは、何度も反省文の書き直しを命じ、賢く一筋縄ではいかないドクイムと次第に距離を縮めていくが・・・

歴史上最も人気のある王とされ、これまでも数々の映画やドラマが作られてきた朝鮮王朝22代王・正祖(イ・サン)。側室である宜嬪成氏(ウィビン・ソンシ)との史実に基づいたロマンスが描かれた作品です。タイトルの「赤い袖先」は、宮廷で働くヒロインのドクイムをはじめとする宮女たちの袖先のこと。王の常服は龍袍の袖先。王に仕える女性は質素な赤い袖先と、このドラマの主軸にもなっている、切ない身分違いが表現されています。国王になる未来が約束されていながらも、祖父に父を殺され孤独を抱えながら生きるサン、そんなサンが唯一心を開き慕うドクイム。互いに両想いだと知りながら、愛よりも政治を優先しなければいけなかったサン、支配(王)、被支配(側室)の関係ではなく1人の女官として自分の人生を自分で決めたいと強い気持ちをもち、側室になることを拒むドクイム。立場ゆえのすれ違いは、あまりに切なく涙なしには見られません。切ないロマンスを通して、女性の生き方をも考えさせられる余韻さえも堪能できる感動作です。

この記事を書いたのは・・・

STORYライター 味澤彩子

韓国ドラマだけでなくファッション、皇室、美容、カルチャーとさまざまなジャンルを担当するライター。1度ハマるととことん突き詰める生まれながらのオタク気質で、感動する作品に出合うと、スタッフ、俳優、関連する作品を芋づる式に鑑賞し、寝る暇も惜しんで韓流ドラマ三昧。気がついたら、ビジュアル、内容、演出、文化面多方面から語るようになり、韓ドラの1人おすぎとピーコと言われるように。好きな俳優はチュ・ジフン、カン・ハヌル、ソン・ソック。好きな脚本家はイム・サンチュン作家。『私が死ぬ一週間前』『グッドボーイ』をリアタイしながら、『イカゲーム』シーズン3を楽しみにする日々。

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