【腸内環境の整え方】腸活食品は高価なものでなくお手ごろ価格でもいい理由とは?

「健康を保つために腸活はいいと聞くけれど、具体的にどんなことをすればいいの?」という腸活初心者のために、腸活のための食べ物や食事のポイントを解説します。腸内環境を整えるためには、まず善玉菌を増やすための食事を心がけることが大切です!

◆あわせて読みたい

【美肌すぎる消化器内科医】は何を食べている?腸活のプロに聞いた「ベストな3食」

1.腸内環境を整えるメリットは?

ヒトの腸内には、大きく分けて善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つに分類される腸内細菌が常在しています。
理想的な腸内環境は、これらの腸内細菌がバランスよく共存している状態。
しかし、腸内環境が悪化して悪玉菌が増え、腸内細菌のバランスが崩れると、お腹の不調や免疫機能の低下、肥満、肌荒れなどさまざまな不調を招いてしまいます。
逆に腸活によって腸内環境を整えることで、便通や肌の新陳代謝の改善、肥満の防止につながります。腸に集まっている免疫細胞の活性化にもつながるため、体を健康的な状態に整える効果も期待できます。

2.腸内環境を整える食べ物って?

腸内環境を整えるには、善玉菌を増やすことが大切です。腸内環境を整えるために摂りたい食べ物を紹介します。

①プロバイオティクス

プロバイオティクスは、腸内に直接善玉菌を届けることができる食べ物のこと。ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が含まれているため、食べるだけで腸内の善玉菌を増やすことができます。
主な食品としては、ヨーグルトチーズ納豆キムチぬか漬けなどの発酵食品が挙げられます。
また、日々の食事に取り入れやすい味噌醤油などの調味料にも含まれています。
食品によって含まれている善玉菌は異なるため、どれかひとつだけを食べるのではなく、さまざまな食品を食べるようにしましょう。

②プレバイオティクス

プレバイオティクスは善玉菌のエサとなり、腸内の善玉菌の活性化や増殖を助ける働きがある栄養成分のこと。代表的なのは、オリゴ糖や食物繊維です。

オリゴ糖は胃や小腸でほとんど消化されないまま大腸まで届き、善玉菌のエサとなります。バナナリンゴ玉ねぎ人参にんにくなどに多く含まれています。

食物繊維には水に溶けにくい不溶性食物繊維と水に溶けやすい水溶性食物繊維があり、善玉菌のエサとなるのは水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は、わかめもずくさつまいもそばなどに多く含まれています。
一方で、不溶性食物繊維(ごぼうや大豆、アボカド、アーモンドなどに多く含まれる)には便のかさを増やして排便を促す働きがあります。腸内環境を整えるには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらもバランスよく摂取することが大切だということも知っておきましょう。

善玉菌がこれらのオリゴ糖や食物繊維を分解する際には、「短鎖脂肪酸」という代謝物が生み出されます。短鎖脂肪酸には、腸のぜん動運動を活発にしたり悪玉菌の増殖を抑制したりする効果が期待できます。

3.腸内環境を整えるためには「食事のとり方」も大切!

腸内環境を整えるには、食事のとり方も意識しましょう。ポイントを5つ紹介します。

①シンバイオティクスを意識する

プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせて摂る「シンバイオティクス」を意識しましょう。プロバイオティクスで直接的に善玉菌を増やし、プレバイオティクスで腸内の善玉菌のエサとなる栄養成分を摂ることで、より効果的に腸内環境を整えられます。
例えば、「朝食にヨーグルトとフルーツを合わせて食べる」「みそ汁に玉ねぎや人参を入れる」など、身近な食材で実現可能。無理せず続けやすい組み合わせを探してみて。

②毎日3食とる

毎日3食を決まった時間にとることも、腸内環境を整えるために大切なポイント。食事のタイミングを決めておくことで体内時計が整い、腸や腸内細菌の働きを整える効果が期待できます。
特に、朝食をとると、体を覚醒させて腸のぜん動運動を促し、排便リズムを整えられます。
朝食は手早くすませたいという場合は、ヨーグルトやバナナなど調理せずに手軽に食べられるものがおすすめ。オリゴ糖が豊富な甘酒や、食物繊維を多く含む野菜や果物のスムージーを飲むのも◎。

③毎日継続して食べる

食品から摂った善玉菌は、あくまでも”お客様”。腸内に定着はせず数日で体外へ排出されてしまいます。また、腸内環境は生活習慣の乱れやストレスなどにより崩れやすいものです。
腸内環境がいい状態を維持するには、継続的に腸内環境を整える食べ物を摂る必要があります。
そのため継続して購入しやすい食品を取り入れるのが、腸活を無理なく続けるためのポイント。高価なものや購入できるお店が限られるものなどではなく、身近なスーパーでいつも手頃な価格で販売されている食品を選ぶとよいでしょう。

④悪玉菌を増やす食材に注意する

せっかく腸内環境を整える食べ物を摂っていても、悪玉菌を増やす食材を摂り過ぎていると、思うように効果を実感できません。脂質や動物性たんぱく質、食品添加物の多い食材は悪玉菌を増やすため摂り過ぎは避けて。
悪玉菌を増やす食材を控えつつ腸にいい食材を摂るのにおすすめなのが、和食中心の食事。和食には、味噌汁や和え物などシンバイオティクスを実践できる料理が豊富にあります。
ただし、味噌や醤油などは塩分濃度が高く、取り入れ方によっては塩分過多になる可能性が。塩分の摂り過ぎには注意しましょう。

⑤サプリメントも組み合わせる

食事だけではプロバイオティクスやプレバイオティクスを十分に摂れない場合は、サプリメントを活用するのもおすすめです。
サプリメントには善玉菌を含むものや、食物繊維などの善玉菌のエサとなる栄養成分を補えるものなどさまざまな種類が。日々の食事内容を振り返り、不足しがちな成分を摂りましょう。
また、サプリメントの効果を得るためには継続して飲む必要があります。価格や飲みやすさなどを考慮して続けやすいものを選びましょう。

監修してくれたのは…医師・後藤利夫さん

1988年、東京大学医学部卒業。独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法「水浸法」を開発。大腸内視鏡6万件以上無事故のベテラン医師。大腸がん予防から始まった腸内細菌や乳酸菌にも造詣が深く、菌のパワーを使って健康になる方法を各所で伝授し続けている乳酸菌の専門家。サプリメント「今日から腸活!」の監修も務める。

編集/根橋明日美 イラスト・写真/PIXTAほか

◆こちらの記事もおすすめ

「美女皮膚科医5名が毎日食べている」…食卓でもおなじみのモノが気になる!

美ボディ腸活モデル・加治ひとみさん推薦!「身近で買える体にいいもの」4選

美味しすぎる&腸活にもなる「絶品餃子レシピ」!料理家・真藤舞衣子さんに聞いてみた!

美ST