「41歳で第一子出産。それが私の“適齢期”だったと思う」菊川怜さん(47)の“自然な気持ちに任せる”人生論とは

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日本酒づくりに携わる人々の情熱や、現場で起こっている問題についてリアルに描いた映画『種まく旅人〜醪のささやき〜』。主演の菊川怜さん(47)は、子育てのために芸能活動をセーブしていましたが、本作で約15年ぶりの映画出演を果たしました。アラサー世代のころは仕事一筋で、結婚や出産にまったく興味がなかったと語る菊川さん。現在は、シングルマザーとして3人のお子さんの子育てと仕事を両立されていますが、一体これまでどんな選択をされてきたのでしょうか。仕事や結婚、出産など、人生観を語っていただきました。

Profile

1978年2月28日生まれ。埼玉県出身。1998年、スカウトをきっかけにモデルとして活動開始。『OL銭道』(2003)や『新選組!』(2004)など数々のドラマに出演。東京大学出身という経歴をいかし、『真相報道 バンキシャ!』や『情報プレゼンター とくダネ!』では、キャスターも務めた。2017年に結婚、2019年に第一子を出産。子育てを優先し芸能活動をセーブしていたが、2024年、約8年ぶりにドラマ出演。

アラサーのころは結婚願望ゼロ。仕事のことしか頭になかった

――菊川さんがCLASSY.読者と同じ、アラサー世代だったころのお話をお伺いしたいです。当時、仕事やプライベートで、悩んだり葛藤したりしていたことはありましたか?

私の場合、20代後半から30代にかけては、仕事のことしか頭になかったです。今思うと、将来の計画性やプランニングがなかっただけかもしれませんけどね(笑)。結婚願望もまったくなかったし、とにかく仕事一直線で、悩んだり迷ったりしていた記憶はないかもしれないです。

――ご自身のキャリアについても、思い悩むようなことはなかったんですか?

そうですね。自分の考えた通りにいくとは限らないし、目の前の一つひとつのお仕事を大切にすることが、次につながっていくと信じていました。私は、何事も自分次第で糧にできると考えているタイプで。どんなお仕事でも、絶対に何かを学んで成長しようという気持ちで臨んでいたことは、よく覚えています。

34歳から務めた『とくダネ!』のサブ司会は「2度とないチャンスだと思って飛び込んだ」

――菊川さんは、俳優としてだけでなく、キャスターとしても活躍されていましたよね。そういった幅広いキャリアについても、ご自身で意識されていたわけではないのでしょうか?

正直、何も考えていなかったです(笑)。24歳のころ、『真相報道 バンキシャ!』で、初めてキャスターの仕事に挑戦したのですが、それも事務所がアレンジしてくださったものを、素直に「頑張ります!」という感じでした。でも、それから10年後に『情報プレゼンター とくダネ!』のオファーをいただいたときは、5秒くらい悩みましたね。毎朝ちゃんと起きられるか、少し不安だったので…。でも、こんなチャンスは2度と来ないだろうから、やらないという選択肢はないなと、直感的に思っていました。

――菊川さんは、「チャンスだ!」と思ったら、迷わず飛び込めるタイプなんですね!

そうだと思います。7年間、キャスターを務めさせていただいた『バンキシャ!』を卒業したあとも、いつかまた報道関係のお仕事に携われたらいいなと思っていたので、願ってもない機会だったんです。

39歳で結婚、41歳で出産。仕事一筋から変化したのは「それが自分の“適齢期”だった」

――仕事一直線だった菊川さんも、39歳で結婚されて、41歳で第一子を出産されていますよね。なにか心境の変化があったのでしょうか?

これは、出産の時に大変お世話になった産科のドクターに言ってもらえて、すごく腑に落ちたことなんですが、結婚も出産も人それぞれ“適齢期”は違うんですよね。自分の中に「結婚したい」とか「子どもがほしい」という気持ちが芽生えた時が、その人にとってのタイミングなんだと思います。私自身、何か大きなきっかけがあって、結婚や出産を決意したわけではなくて。自然とそういう気持ちに変わっていったという感じです。

――なるほど…! とはいえ、周りの同世代が次々と結婚や出産を経験していくなかで、どこか焦るような気持ちになってしまう人も多いような気がします。

たしかにそうですよね。でも、何より大切なのは、自分の意思で決めることだと思います。結婚も出産も、自分が「したい」と思っているなら、周りのこととは関係なく、そういう思いの中で行動するはずですから。自然の流れに任せてもいいんじゃないでしょうか。私も、ずっと仕事一筋で生きてきましたが、結婚や出産に対する気持ちが高まってきたとき、後悔しないように自分で決断したから、今の人生があります。私は41歳で第一子を産んでいるので、高齢出産だったんですが、自分にとってはそれが“適齢期”で、自分の人生におけるタイミングだったと考えるようにしています。

選んだ道をいい方向に変えるのは自分自身。まずは気持ちのままに決断を

――お話を聞いていて、菊川さんはご自身の芯が強くて、何事も強い意思で決断できる方なのかなと思いました。

いえいえ! ふだんは、優柔不断になることも多いですよ(笑)。ただ、人生の重要な局面では、何事も自分の意思で決めてきました。大学生でスカウトされたときも、とくに誰にも相談せず、自分の意思だけで芸能界入りを決めましたし。

――仕事もプライベートも、なかなか決断できずに迷っている人たちへ、なにかアドバイスはありますか?

「人間万事塞翁が馬」といいますけど、自分次第でどんな決断もプラスに変えていけると思います。選んだ道が正しいか正しくないかではなく、その道で失敗しても壁にぶち当たっても、その時また自分で考えて、乗り越えていい方向に進んでいくよう前向きに捉えて行けたら良いですよね。先のことはどうなるかわからないからこそ、今の自分を信じて決断していくしかないんです。

子育てが落ち着いたら何かを専門的に学び「自分自身をアップデートし続けたい」

――菊川さんは、昨年からシングルマザーとして、新たな一歩を踏み出されましたよね。今後、なにか挑戦したいと思っていることはありますか?

生活に余裕が出てきたら、もう一度何かを専門的に学んでみたいですね。まだ具体的には決めていませんが、今のところ、教育学やAIの分野に興味があります。どんどん時代が進んでいくなかで、自分も取り残されないようにアップデートしていきたくて。今は子育てが忙しくて、なかなかそういうマインドを保てないですけど、いつか実現できたらいいなと思っています。

Information

映画『種まく旅人〜醪のささやき〜』(公開中)
淡路島で作られる日本酒と、兵庫県が代表的な産地である酒米・山田錦にフォーカスした作品。菊川さん演じる、農林水産省の官僚で“日本酒オタク”な主人公・神崎理恵が、日本酒づくりの現場で、職人たちの情熱や、抱えている葛藤に真摯に向き合うさまが描かれる。

撮影/木村敦(Ajoite) スタイリング/青柳裕美(Azzurro) ヘアメーク/山田典良 取材/近藤世菜 編集/越知恭子