【雅子さま、愛子さま、佳子さま】色と光のハーモニー。園遊会に見る女性皇族方の〈洋装〉洗練スタイル
春と秋の年に2回、赤坂御用地で催される天皇皇后両陛下主催の「園遊会」。内閣総理大臣をはじめとする三権の長、国会議員、都道府県の知事、その年に活躍した功績者や各界の著名人などが招待されます。中でも、女性皇族方の麗しい装いは毎回話題に。「平成に入ってから、園遊会での装いは洋装と和装が2回ずつ続きで選ばれてきました。2024年秋の園遊会と翌年春の園遊会が連続で和装でしたので、今回の2025年秋の園遊会は洋装の予定。1年半ぶりの洋装となります。秋なので春よりは強めの色を選ばれるとは思いますが、カラフルで華やかな装いが期待されます(つげさん)」。この記事では、洋装だった2024年春の園遊会での女性皇族方のファッションの傾向などを振り返ります!
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【皇后雅子さま】〈空港ファッション〉に宿る品格とメッセージ性のある着こなし集
2024年4月23日に開催した、令和になってから3回目となる園遊会は、約1,400人が招待されました。コロナ禍で行われていなかった軽食の提供が再開され、マスクの着用もなく、すっかりコロナ禍前の雰囲気に戻った園遊会に。「園遊会での皇族方のファッションは、昼の公式な行事におけるプロトコール(国際儀礼)をベースとした装いをされています。ですので洋装では、ハット、グローブ、膝下丈のスカートのセットアップ、もしくはワンピースをお召しになられています。2024年春の園遊会は、春という季節柄も関係しているかとは思いますが、女性皇族の方の淡いトーンの色とりどりのカラーパレットが赤坂御苑の庭園に映え、まるでモネやルノワールの印象派の絵画のようで華やかでした。高円宮妃久子さまはパステル系ではなく、ロイヤルブルーの装いでしたが、それもパステルトーンのアクセントになっているようにも感じられ、素敵でした(つげさん)」。
光沢素材とレースで仕上げた、雅子さまの優美で清涼感ある佇まい
雅子さまは、公務では珍しいミントブルーのセットアップをお召しに。ミントブルー以外は、大ぶりの一粒パールのイヤリング、一連のパールネックレスでジュエリーを白で統一し、優美で涼し気な印象でした。「以前よりもカラフルなお召し物を選ばれるようになった雅子さま。前年に同じものをインドネシアご訪問でも着用されていました。全身同系色のコーディネートですが、セットアップの素材は光沢があり、織り模様のあるテキスタイル、インナーはレースを選ばれていて華やかですよね。パステルカラー、レースでも甘すぎずスタイリッシュに着こなされているのは、雅子さまの存在感があってのことだと思います。雅子さまはミントブルー、愛子さまはペールピンク…春の園遊会後の梅雨の季節に向けて、母娘で紫陽花カラーにされていたのかもしれません(つげさん)」。
〝ペールピンク〟の清楚なエレガンスで、初の園遊会で魅せた愛子さま
園遊会デビューだった愛子さま。可憐な雰囲気にぴったりな、ペールピンクのセットアップとセーラー帽風のハットをお召しに。「社会人になり単独公務が増えた愛子さまは、ご自身のスタイルを模索されている最中かと思いますが、2024年の間はピンクの装いでのご登場が多く、春の園遊会でも初々しさが際立つペールピンクのセットアップを選ばれていました。雅子さまはテーラードジャケット×タイトスカートが定番ですが、愛子さまはショート丈のテーラードジャケット×フレアスカートが定番になりつつあります。丸みのあるテーラードカラー、柔らかに揺れるフレアスカート、ピュアなピンクが、愛子さまのフレッシュで優しい雰囲気とマッチしています。セットアップの衿やインナーにはレースがあしらわれていて、雅子さまとのリンクも感じます(つげさん)」。
紀子さまとの絆を感じさせる一着。佳子さまの優雅な装い
佳子さまには珍しい淡いオレンジを選ばれた春の園遊会。なかなか着こなしの難しい色を、佳子さまのもつフェミニンなムードで、春らしく可憐に着こなされていました。ハットのつば、袖元やバッグはイエローで、紀子さまとのリンクを思わせます。「鮮やかな色を着こなす佳子さま。この日も、オレンジ色が新鮮な装いでした。2023年の「第70回日本伝統工芸展」、2024年のギリシャ訪問などでもお召しになっていた愛用の1着ですが、元々は紀子さま、そして眞子さまと受け継がれたものを、リフォームして受け継がれているのでは?と言われているもの。ご家族で出席された社交の場に、母娘の絆を感じさせる特別な1着を選ばれたのかもしれません。ジュエリーは、一連のパールではなく、デザイン性のあるステーションネックレスでアクセントをつけていて、スタイリッシュな佳子さまらしさが光ります(つげさん)」。
教えてくれたのは
テレビ東京系『皇室の窓』の放送作家。西武文理大学非常勤講師。2001年の愛子さまご誕生以来、皇室番組の構成を担当し、皇室研究をライフワークとしている。ワイドショーから政治経済番組、ラジオまで様々な番組の構成を手掛ける。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の雅子さま』『素顔の美智子さま』(河出書房新社)などがある。
取材・文/味澤彩子
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