宇垣美里さん(34)「20代は、若さしか見てもらえないことに悔しさがあった」【ドラマ『できても、できなくても』インタビュー】
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不妊症をきっかけに彼氏と職を失い、失意のどん底にいた主人公・桃生翠が、年下イケメン・月留真央と出会い、幸せを見つけていくドラマ『できても、できなくても』が放送中です。主人公・翠を演じている宇垣さんは、「30代に入り、女性として生きやすくなった」と言います。20代の頃と比べ、現在の仕事や人との向き合い方の変化を聞きました。
Profile
1991年4月16日生まれ、兵庫県出身。2019年にTBSを退社し、現在は俳優、モデル、執筆業など幅広く活動。近年の主な出演作に、ドラマ『財閥復讐〜兄嫁になった元嫁へ〜』、『1122いいふうふ』、『おとなになっても』など。
20代の自分には“タイムリミットなんてないよ”と伝えたい
——30代に入ったことで、宇垣さん自身のなかで何か変化はありましたか?
20代の頃は、「30歳までに〇〇しなきゃ」みたいなものを持っていたんです。「今のうちに頑張らなきゃ」、「年を取ったらできなくなる」みたいなイメージを漠然と抱いていたので、常に焦っていたような気がして。でも、当時、先輩たちがよくおっしゃっていた「30代のほうが楽しいよ」「50代は最高だよ」と言っていた意味が分かってきました。30代、楽しいです!(笑) それこそ、私は34歳にして初めて『できても、できなくても』で地上波連続ドラマの主演を任せていただけたし、年齢は関係ないんだなということを実感しています。だから20代の頃の自分には、「タイムリミットなんてないし、いつまでも頑張れるんだよ」と声をかけてあげたいです。
——年を重ねることをポジティブに受け入れられているのですね。
年を重ねていくことで、女性として生きることに対して楽になっているような気がするんです。それはもちろん、社会がよくなったということもあるけど、一人の大人として扱われるのは嬉しいなって。というのも、私は20代の頃、目上の方から「座って笑っているだけでいいよ」と言われることがあったんです。一見、“華”として大切に扱われているように思うけど、よく考えるとすごく失礼な話なんですよね。そういう、若さしか見てもらえないということに、悔しさや悲しさを感じていて。30代に入ったことで、ようやく若さとは違う別のベクトルで評価してもらえるようになったなと感じているんです。
無理をした先に生まれるものなんて、何もないと思うんです
——そう考えると、今は20代の女性たちはより自由にのびのびとしている印象があります。
そうですよね! 彼女たちを見ていると、微笑ましくて、あたたかい気持ちになるんです。当時の私は、飲み会の誘いを断ることはできなかったけど、自分を優先することがあったっていいよなと思っているんです。だって、無理をした先に生まれるものなんて何もないから。強気の姿勢で進んでいく若者たちには、頼もしさを感じています。
——仕事に対しての向き合い方も変化しましたか?
仕事だけではなく、全般に対して寛容になったなって思います。これまでは、「これが正しいはずなのに、どうしてそっちなの⁉︎」って、ある種の潔癖さでがんじがらめになっていたんです。でも、TBSを退社してフリーランスになったあたりから、「そうしたい人もいるよね」くらいに思えるようになった。もちろん、それが誰かを傷つける行為なら言葉にして怒りますけど、その人のルールで成り立つなら受け入れられるようになりました。そうすることで、常に穏やかな状態でいられるし、人と関わる上でもプラスになっているなと感じています。
幸せになるには、まず自分を信じてあげること
——人付き合いにも変化がありましたか?
小学校や高校時代からの友達もいまだに連絡をとっているし、そういう付き合いがベースにあるので、30歳に入ってからまったく自分とは違う価値観の人と会って話すことを楽しめるようになった気がします。きっと、帰る場所があるからこそ、そういう考えをよりフランクに受け入れられるようになったのかもしれません。
——30代といえば、ライフステージが大きく変わるタイミング。不妊症で悩む翠のように、周りと自分を比べて寂しく感じてしまうこともあるかもしれません。
確かに、そういう人もいるかもしれませんね。でも、私は、みんながみんな絶対に幸せだなんて思ってないんです。例えば、私は結婚していないけどハッピーじゃないのかと言われたらそうじゃないし、その逆もそう。どの場所にいたってつらいことはあるし、その場所でしか得られない幸せもあると思っているんです。だから、周りと自分を比べて落ち込むのは意味がないことだよな、って。それよりは、「みんな一律にしんどいんだから、一緒に頑張ろうよ」という気持ちのほうが強いかもしれません。そういうふうに考えてみたら、きっと気持ちが軽くなると思いますよ。
——なるほど。確かに、その通りですね!
私自身、このドラマは、翠が「子どもができてもできなくても、幸せになれるんだ」と思えるまでに、心が回復していく道のりを描いていると思っているんです。仕事や友達、真央(山中柔太朗)のように自分を肯定してくれる人たちと出会うことで、彼女の心が育まれていきます。目の前にあるのがどんな道だとしても、自分次第で絶対に幸せになることができる、そんなメッセージを感じました。そのためにも、まずは自分を信じてあげることが大切なんじゃないかなって。そんな思いが伝わるとうれしいです。
Information
木ドラ24『できても、できなくても』
10月9日よりテレ東ほかにて、毎週木曜深夜24:30〜放送中。朝日奈ミカによる電子漫画を原作に、不妊症をテーマに描く大人のラブストーリー。ブライダルチェックで不妊症が発覚したことを機に、7年付き合った彼氏に振られ、退職に追い込まれた主人公・桃生翠(宇垣美里)が、年下イケメン男子・月留真央(山中柔太朗)と出会い、“本当の幸せ”を見つけるために奮闘していく。
©「できても、できなくても」製作委員会
取材/小林揚 編集/越知恭子