雅子さま【祝・62歳】ブルーに宿る品格。2025年の装いを読み解く

12月9日に62歳のお誕生日を迎えられる雅子さま。今回は、天皇誕生日の一般参賀でのお召しものをはじめ、2025年を通してブルーを纏われる機会が多かった雅子さまの“ブルーの装い”について、放送作家で皇室ライターのつげのり子さんにお話を伺いました。

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写真:つのだよしお/アフロ

「ブルーのお召しものは、結婚当初からよく選ばれていて、雅子さまを象徴する色のひとつ。洋装はもちろんのこと、最近だとアフリカ各国の賓客に披露された和装でもブルーをお召しになっています。淡いブルーの装いもありますが、特にお好きなのは鮮やかなロイヤルブルー。体調を崩されてからしばらくの間は白いお洋服が多い時期もありましたが、特に印象に残っているのは、1999年のベルギーのフィリップ国王(当時は皇太子)とマチルド王妃(当時は皇太子妃)の結婚式に参列された際の、ペイズリーの織り地のローブのようなジャケットのセットアップに同色のハットを合わせたロイヤルブルーワントーンの装い。着飾ったセレブリティがたくさん参列している会場でも、一際目をひくほど見目麗しく、雅子さまの華やかな雰囲気を引き立ててお似合いでした。雅子さまは、この1年でご公務の数が格段に増え、四大行幸啓だけでなく慰霊の旅へ、硫黄島、広島、沖縄、長崎にも行かれました。宿泊される期間も1泊2日だけでなく2泊3日の時もあり、精力的に前進されていることを感じます。そして、雅子さまの周囲を幸せに包み込む明るい笑顔も非常に多く見られた1年であったと感じます。愛子さまが就職され、立派に公務をこなされる頼もしいお姿も、雅子さまにいい影響を与えているのかもしれません。来年の、ご家族でのご公務、海外訪問も期待してしまいます(つげさん)」。

陛下に敬意を表したベルベットのローブモンタント

写真:つのだよしお/アフロ

2025年2月、天皇誕生日での一般参賀にて

令和になり皇后陛下になられてから、天皇誕生日の一般参賀ではブルーの着こなしを披露される雅子さま。2025年のローブモンタントは、2020年の「講書始の儀」や、2022年の「歌会始の儀」、2023年の天皇誕生日の一般参賀など、過去に何度もお召しになっていた愛着のある1着。ベルベット素材に、デコルテと袖先に刺繍のあしらいのある凜とした華やぎが、雅子さまにマッチしたドレス。「天皇陛下は、長年、水の研究をされています。新年の一般参賀ではイエローや白を選ばれることが多い雅子さまですが、陛下の誕生日は、敬意を表して水を想起させる“ブルー”を選ばれているのだと思います(つげさん)」。

知的で洗練されたレースの着こなしも

写真:代表撮影/ロイター/アフロ

2025年3月、ブラジル大統領夫妻の歓迎行事にて

天皇陛下のネクタイの色とリンクした、サイドにレースのエレガントなあしらいのあるスーツをお召しになった雅子さま。インナーもレースで合わされ、足元もロイヤルブルーと、統一感のある洗練された着こなし。大きめのホワイトパールのアクセントで、エレガントな印象を添えています。「ブラジルの国旗は中央に青い天球が描かれており、服装に想いを託す雅子さまらしい着こなしだと思います。2024年のイギリスご訪問の際は特に顕著にレースづくしでしたが、雅子さまはレースのデザインが効いたものを好んでお召しになっています。知的で華やかな雅子さまが着こなされると、レースが甘くなく優美な雰囲気になるのが素敵です(つげさん)」。

ご訪問国との絆をお召しものに込めて

2025年7月、モンゴル訪問にて

民族衣装をモダンに再解釈したようなロイヤルブルーのセットアップで、モンゴルの民族の祭典「ナーダム」にご出席。モンゴルの高山植物として広く自生しているエーデルワイスに似た、モンゴルウスユキソウ、別名ムンフツェツェグ(永遠の花)を想わせるブローチで、胸元に華やぎを添えています。「モンゴルの初代皇帝、チンギス・ハーンの生涯を描いたベストセラー小説『蒼き狼』から着想を得てロイヤルブルーを選ばれたのかもしれません。ジャケットのデザインはモンゴルの民族衣装風ですが、組紐をあしらったボタンは和もイメージでき、訪れた国に敬意を表しながら日本の文化も見てとれ、両国の友好の絆を感じさせる、雅子さまの想いが表れた装いです(つげさん)」。

センスが輝く、ジュエリー、小物使いのトータルコーディネート

写真:工藤 直通/アフロ

2025年9月、滋賀県で開催された「国民スポーツ大会」にて

普段、シングルのジャケットを選ばれることが多い雅子さまには新鮮な、ダブルのジャケットのロイヤルブルーのスーツ。2024年の「全国豊かな海づくり大会~おんせん県おおいた大会~」でもお召しになっていたもの。マニッシュなスーツに合わせて、ジュエリーもパールではなく、まるで永遠を意味するかのようなシルバーのリングが連なるネックレスを。服だけでなく、小物、ジュエリーすべてでトータルコーディネートされる雅子さまらしいハイセンスの光る装い。「滋賀県は、琵琶湖の澄んだ湖面の色を想わせるブルーを“びわ湖ブルー”と名付けて世界に向けて発信している、ブルーと親和性のある県。28日、29日と滞在されていましたが、他の場面では水色のスーツをお召しになるなど、ご公務を通して“ブルーの装い”のグラデーションを披露されていました(つげさん)」。

写真:工藤 直通/アフロ

「国民スポーツ大会」のスーツと色は共通しながらも、トレンド感のあるペプラムシルエットのジャケット、センタープレスのテーパードパンツと、またもや新鮮なイメージで周囲を魅了されていた雅子さま。色で想いを表現されることが多い分、登場する回数の多い色が毎回同じ印象にならないように、服のラインやあしらいなどでイメージを変化させる着こなしには、細やかな気遣いが感じられます。また、大粒のパールのイヤリング、ステーションネックレスが、ミャクミャクの目のようでキャッチーなポイントにも。「万博のイメージカラーは、公式キャラクター“ミャクミャク”に使用されている赤、青、白。赤は生命の象徴である細胞を表し、青は自由自在に形を変える清い水を表しているそう。そのイメージカラーの中から、雅子さまとなじみの深いブルーを選ばれたのかもしれません。当時は『ミャクミャクカラーでお出ましになった』と話題にもなっていました。まだ暑かった10月。白のインナーとブルーの配色が涼やかで、印象的です(つげさん)」。

教えてくれたのは・・・


放送作家・皇室ライター つげのり子さん

テレビ東京系『皇室の窓』の放送作家。西武文理大学非常勤講師。2001年の愛子さまご誕生以来、皇室番組の構成を担当し、皇室研究をライフワークとしている。ワイドショーから政治経済番組、ラジオまで様々な番組の構成を手掛ける。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)『素顔の雅子さま』『素顔の美智子さま』(ともに河出書房新社)などがある。

取材/味澤彩子

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