瀬戸康史さん、デビューから20年経った今でも心配性「ドラマや映画のセリフもできるだけ早く入れるように」
昨年デビュー20周年を迎えた瀬戸康史さん。連続ドラマ『再会〜Silent Truth〜』でも活躍中の人気俳優が、劇作家・演出家・音楽家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)さんと俳優・緒川たまきさんによる演劇ユニット「ケムリ研究室」の第5回公演『サボテンの微笑み』に出演します。大正から昭和初期の日本を舞台にした“ナイーヴな人たちの小さな物語”になるという本作品には、なんと実妹で俳優の瀬戸さおりさんも出演。兄妹初共演を控えた瀬戸さんに、作品の魅力やSTORY読者へのメッセージなどを伺いました。
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俳優【瀬戸康史】さん、ささやかな幸せを感じる瞬間「それはもう毎日、子どもが何かしゃべるたびに感じている」
実は、セリフを飛ばしたりすることへの怖さは結構あるんです
――演劇ユニット「ケムリ研究室」へは今回が初参加ですが、KERAさん作・演出の作品への出演は『サボテンの微笑み』が4作品目となる瀬戸さん。KERA作品の魅力や印象に残っていることを教えてください。
稽古でゼロから作っていくので、そこがまず楽しいですね。KERAさんの場合は、台本も最初から全部あるわけではないので、毎日少しずつ足されて出来上がっていく台本を読みながら、「これ、こういう話になっていくんだ」と思ったり、「俺の役、やっと登場したか」とか「この役も俺がやるんだ」と思ったり(笑)。そんな面白さがあって。『ドクター・ホフマンのサナトリウム 〜カフカ第4の長編〜』(2019年)で、僕は一人二役で双子の役をやったんですが、その時も稽古がだいぶ進んでから知ったんです。「この役、双子なんだ!」って。
――『ドクター・ホフマンの~』での全くタイプの違う双子の演じ分け、鮮やかに印象に残っています。KERA作品で複数の役を演じるのは楽しいですか?
楽しいですね。特に、ストーリーを背負ってないような、ちょっとした役をもらうと「よっしゃ!」っていう気持ちになります。そうやってみんなで支え合ったりしながら一つのシーン、一つの作品をつくっていくこと自体、あまり経験できないことですし、一つの劇団みたいなチーム感が面白くて、たまらなく熱くなるというか。ただ、役が増えると着替えは大変になりますけど(笑)。「あ、 ここでこの役をやるってことは、その後、急いでまたあの役の格好に戻らなきゃいけないんだ!」って(笑)。
――途中で場面や役が増えることに楽しんで対応できるというのが頼もしいです。
でも、本番中にセリフを飛ばすとか、間違えるとか、そういうことに対する怖さは年々増してきていますね。実際、一昨年『A Number―数』をやった時に、1回セリフを飛ばしてしまったことがあって。そういうことは本当に久しぶりだったから、かなり焦りました。堤(真一)さんが速攻で助けてくれて、本当にありがたかったです。実は、セリフを飛ばしたりすることへの怖さは、その前から結構あるんですよ。それで、ドラマや映画のセリフもできるだけ早く入れるようにしています。意外と心配性かもしれないです。
――ドラマといえば、連続ドラマ『再会〜Silent Truth〜』では、清原圭介役を演じている瀬戸さん。シリアスな展開の中で時折見せる、お茶目な存在感がたまりません。
原作はそういう感じではないんですけど、何かそういう感じになってますよね(笑)。監督の圭介に対する愛というか、思い入れがすごくて、僕にだけ「圭介はこういう人だと思うんです」といった手紙をくださったり、撮影の時も「もうちょっと声のチャレンジをしてみたいです」と言われたりするんですよ。それで色々やった結果、面白いのが採用されたりして(笑)。だから原作を読まれた方がドラマを見ると、いい意味ですごく幅のある役になっていると思います。
――1年半に1本くらいのペースでコンスタントに立ち続けていらっしゃる舞台は、ご自身にとってどういう場ですか?
表現力の幅を広げてくれた場、自分を成長させてくれる場なのかなと思います。不安や恐怖が全くないといったら嘘になりますけど、舞台をやるたびにどんどん楽しくなっているんですよ。もともと僕は絵を描いたり、立体を作ったりするのが好きだし、何かこう“作品をつくる”ということが、根っから好きなんだろうなと感じますね。そこが自分にとっては魅力だし、抜けられない部分というか。舞台に限らず、やりたいものしかほぼやっていないので、本当にいい出会いがコンスタントにあって、すごくありがたいなと思います。
やっぱり今は子どもが癒し、大抵のことはもうどうでもよくなります(笑)
――そんな瀬戸さんのリフレッシュ法やリラックス法を教えてください。
特にないかもしれないです。たぶん僕、ストレスというものが、人より溜まらないタイプというか、溜まったとしても何かしらで上手く吐き出せているのかなと思いますね。もともと、あんまりくよくよしないというか、引きずらないタイプです。あとやっぱり、今は子どもが癒しになっていて、大抵のことはもうどうでもよくなります(笑)。
反射的に感情だけで子どもを怒らないように、深呼吸を意識しています
――わかります。瀬戸さんには20代の頃から何度か取材させていただいていますが、基本的にポジティブでハッピーオーラを持った方だなと感じます。2026年、どんなことに挑戦したいですか?
自分が描いたキャラクターのソフビ人形を作りたいですね。ソフビ人形を集めるのも好きで、家にたくさんあるんですけど、その中に自分が描いたキャラクターたちのソフビがあったら最高だなと思って。それが今年の目標です。
――現在37歳の瀬戸さん。どんな40代にしたいですか?
正直、年齢はあまり意識していないというか、、“40代だからこうありたい”みたいなことは、あまり考えてないです。ただ、さっき言ってくださったように、やっぱりずっとハッピーでいたいですし、何かしら楽しいことを考えていたいので、これからもいろいろな作品に携われたら嬉しいですね。挑戦することもすごく大事だと思うので、自分が興味を持ったことはとりあえずやってみたいですし、自分の心とか表現するものを豊かにするような生き方をしたいなと思います。
――ありがとうございます。STORY読者にも子育て世代の方々がたくさんいらっしゃいます。最後に、読者の皆様に向けてエールになるようなメッセージをいただけますか。
僕は、たとえば子どもが危ないことをしたり、悪いことをした時は、ちゃんと子どもを叱る必要があると思っています。我が家の場合、妻が「どうしてそこまで大らかな目で見られるんだろう?」と思うくらい怒らない人なので、そういう時は僕がちゃんと叱ろうと決めています。ただ、自分に余裕がなかったりすると、つい反射的に感情だけで子どもを怒ってしまうことがあって、そういう時は自分がすごく嫌になります。それで最近、ちょっと深呼吸するようにしているんです。深呼吸、いいですよ。おススメです!
【公演情報】
ケムリ研究室no.5『サボテンの微笑み』
舞台は大正から昭和初期の日本。ある兄妹の家を中心に紡がれる、ナイーヴな人たちの小さな物語。
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 出演:緒川たまき 瀬戸康史 瀬戸さおり 清水伸/赤堀雅秋 萩原聖人/鈴木慶一
2026年3月29日~4月19日/シアタートラム ※2月14日よりチケット一般発売 兵庫、豊橋、北九州、新潟公演あり
https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/kemuri-no5
【プロフィール】
せと・こうじ/1988年、福岡県生まれ。2005年に俳優デビュー。以降、様々な作品で活躍し、『グレーテルのかまど』(NHK・Eテレ)等ではナビゲーターも務める。2017年『関数ドミノ』で文化庁芸術祭演劇部門新人賞、2022年『愛なのに』でヨコハマ映画祭主演男優賞を受賞。連続ドラマ『再会〜Silent Truth〜』が火曜夜に放送中。主演を務めるドラマ『にこたま』が配信中。また、映画『木挽町のあだ討ち』が2月27日より公開予定。
撮影/沼尾翔平 ヘア・メーク/中野明海 スタイリスト/申谷弘美 構成・文/岡﨑 香
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