あのちゃんにインタビュー「“ボク”は自分が自分らしく生きるための一人称」

2026/04/180_ano.webp

最近VERY読者のママからの声でも頻繁に耳にするようになった、女の子たちの「ボク」呼び。呼び名は自由、と思いつつもやっぱり少し戸惑ってしまうのも本音。そこで、今回は「ボク」呼びといえばのあのちゃんに呼び始めたきっかけやその裏にある想いを聞いてみました。

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「ボク」呼びといえばの、あのちゃんにインタビューしてみました

「ボク」っていう
自分らしさを選んでいるから、
褒めてあげてほしいです

小さい頃から小中学生までは自分を「うち」と呼んでいましたが、周りが「わたし」に変わっていく中、違和感があって自分の一人称を言えずに「なんか」「自分は」とごまかしながら喋る時期がありました。本当はその頃からゲーム上では必ず男の子のキャラクターを使って「ボク」と言うのがしっくりきていましたが、中学・高校ではいじめられた経験があって、「ボク」なんて言ったらまたいじめられるかな、と自分を出せずにいたんです。ところが高校生のときに声をかけてくれたグループの子たちが「あたい」「おら」と自由に呼んでいるのを知って、僕も自分の呼び方で呼んでもいいのかなって思うようになったんです。それが「ボク」と呼び始めたきっかけ。今では、「ボク」と歌っているのは、男だからこう、女だからこうとかは関係なく“人間”として歌っている僕にとって、自分であること・自由であることの素晴らしさを表現するのに、バランスがいいと感じています。

でも、「ボク」と呼ぶことで、芸能界でのキャラ付けだとか、売れるためのキャラだ、と“ニセモノ感”を揶揄されたこともありました。バラエティで面白くいじってもらって「すごくキャラが濃いね」「最強の武器だね」と褒められるのも違和感がありました。僕にとって「ボク」は自分が自分らしく生きるための一人称。もともとそう呼んでいたし、売れるために媚びを売っていたわけではありません。だから、そのとき心に誓ったのは、逆に「売れよう」ということ。僕が当たり前にテレビに出て「ボク」と使っているのが普通になれば、誰にもそういうことは言われない。「ボク」と呼ぶのが自然なことだし、芸能界にいない人が「ボク」って使っても不思議なことではないって伝えたかったんです。

実際に、もう誰もが自然と受け入れてくれるようになったし、「自分らしい呼び名で自分を呼べるようになった」という声が届いたり、「わたし」以外の一人称が広がってきたりしているのは、少なからず影響を与えられたのかなって思います。
「あのちゃんねる」という番組で幼児とかかわることがありますが、昔は考えられなかったほど自然に「ボク」と言う女の子が増えましたよね。すごくいいなって思っています。男の人にはいろんな一人称があるし、女の人も自分らしい一人称で呼べたらいいなって。僕自身が苦労した経験があるから、こうやって時代は変わるんだなって希望をもらえます。

最近、ある芸人さんに「うちの娘があのちゃんの影響で『ボク』って呼んでるよ」と言われたので「嫌じゃないですか。正さないんですか」と聞いたんです。するとその芸人さんは、「正さないよ。自分で選ぶ気持ちが芽生えているのが素敵なことだから」と言ってくれました。本当にその通りですよね。いずれ自然に変わるかもしれないし、「ボク」のままいくかもしれないけど、今の本人が自分で選んで呼んでいる。自我がなくて流されるんじゃなく、自分で自分の意思を持って選んでいるということは絶対に間違いではないし、その子の“本当”だから素敵で、ちゃんと生きているなって思います。僕自身も「ボク」って呼ぶことが今の自分を作っているし、自分らしく生きていくこと、自分が欲しいものを手にしていくことの土台になっています。子どもたちもいずれ自分らしく生きるのが怖くなったり、自分自身の在り方に悩んだりするときもあるだろうから、お母さんたちは苦労もあるかもしれませんが、自ら選んで「ボク」って呼んでいる子のことはかっこいいって褒めてあげてほしいです。

教えてくれたのは…

あのちゃん
あのちゃん
アーティスト、タレント、女優、モデル。小学生にも絶大な人気を誇る、現代の「ボク」呼びのアイコン的存在。

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撮影/堺 優史〈MOUSTACHE〉 取材・文/八重沢友香子 編集/城田繭子
*VERY2026年4月号『娘たちの「ボク」呼び現象を読み解く』より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。