老けの原因を招く3つのやりがち調理【「焼く」と「煮る」、糖化対策になるのは?】

「鏡を見たときに肌のくすみが目につくようになった」「髪のツヤが低下した気がする」といった変化を感じていませんか? 年齢のせいと思ってしまいがちなその変化の背景には「糖化」が関係しているかもしれません。糖化は老化を招く要因の一つ。毎日の食生活や運動習慣と深く関わります。糖化を招くNG習慣や今日からできるセルフケアを紹介します。

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1.糖化って?

糖化とは、体内で余った糖がたんぱく質と結びつく反応のこと。「体のコゲ」と表現されることもあり、AGEs(糖化最終生成物)という物質がつくられます。
AGEsが増えるとさまざまな臓器に蓄積し、体に悪影響を及ぼします。美容面では肌のハリ不足やくすみ、シミ・しわ、髪のツヤ不足などが起きやすくなるのです。
また、健康面では動脈硬化が起きやすくなります。動脈硬化が進行すると心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる重大な病気につながる可能性も。
老化を防ぐとともに健康的な毎日を送るためにも、糖化予防を意識しましょう。

2.糖化を招くNG習慣

糖化は日々の食生活や活動量の積み重ねによって誰にでも起こりうるものです。糖化を招きやすい習慣を紹介します。

①食生活の乱れ

ドカ食い、早食い、炭水化物だけで済ませる食事などは食後血糖値を急に上げやすくします。糖はインスリンの働きによって細胞に取り込まれ、エネルギーとして使われますが、血糖値が高い状態では糖がたんぱく質と結びつき糖化が進みやすくなるのです。
また、甘い飲み物や菓子類をよくとる習慣がある場合も要注意。高血糖な状態が続いてAGEsが増加しやすくなります。

②焼く・揚げる・炒めるなどの調理をした料理を頻繁に食べる

AGEsは体内でつくられるだけでなく、食べ物にも含まれます。特に、焼く・揚げる・炒めるなど高温で加熱した料理では増えやすいもの。香ばしい焼き色やカリッとした食感が好きで、揚げ物や焦げ目のついた料理をよくとっていると、食事から取り込むAGEsが増えやすくなります。

③運動不足

運動不足も糖化を招くNG習慣の一つ。運動量が少ないと、食事でとった糖が筋肉で使われにくくなります。
糖はインスリンの働きで細胞に取り込まれ、筋肉や脳を動かすエネルギーとして利用されます。余った糖はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられますが、活動量が少ない状態が続くと糖を消費する機会が減って余りやすくなるのです。
また、運動不足による筋肉量の減少も糖化を招く要因。筋肉量が減るとエネルギー消費量が減り、さらに糖が余りやすくなります。その結果、余った糖がたんぱく質と結びつく糖化が起きやすくなるのです。

3.糖化を防ぐためのセルフケア

糖化対策では、厳しい食事制限よりも「血糖値を急に上げにくい生活」を意識することが大切。続けやすいセルフケアを紹介します。

①低GI食品をとる

血糖値の上昇をゆるやかにするために、低GI食品を日々の食事に取り入れましょう。GI(グリセミック・インデックス)とは食後の血糖値の上がりやすさを示す指標です。
低GI食品には、玄米や大麦、そば、野菜、きのこなどが挙げられます。
大切なのは、糖質を無理に抜くのではなく血糖値が急に上がりにくい組み合わせにすること。「白米だけの食事を玄米や大麦入りご飯に変える」「白いパンを全粒粉パンにする」「豆類や野菜のおかずを組み合わせる」などの方法で取り入れましょう。

②食物繊維を積極的にとる

食物繊維を積極的にとることも重要。食物繊維には糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の上昇を抑える働きがあり、野菜や果物、豆類、きのこ、海藻などに多く含まれます。味噌汁にきのこやわかめを入れる、サラダに豆を加えるなど、日々の食事に食物繊維を含む食材をプラスしてみましょう。
食物繊維は熱に強く加熱調理しても分解されません。そのため、野菜は煮るなどの調理をしてかさを減らすのがおすすめ。そうすることで、無理なくたくさん食べやすくなり、食物繊維の摂取量を増やせます。

③調理方法を工夫する

調理方法を工夫して、食べ物からとるAGEsの量を減らしましょう。焼く・揚げるといった料理が多い人は、蒸す、煮る、ゆでる調理を増やすことが大切。
例えば、「焼き魚ばかりではなく煮魚の日をつくる」「炒め物は焦げつかせすぎないようにする」などの調整をしてみましょう。好きなものを無理して我慢するのではなく、調理方法のバランスを整えることが長続きのコツです。

④食後に軽い運動をする

食後の軽い運動は、血糖値の上昇を抑える工夫として役立ちます。食後すぐに激しく動く必要はありません。食後1時間以内を目安に散歩をする、軽いストレッチをするなど、筋肉を動かす習慣をつくりましょう。
運動は血液中の糖の利用を促し、継続することで糖代謝の改善にもつながります。毎日「少し動く」を意識し、糖化を予防しましょう。

⑤漢方薬を活用する

糖化による不調が気になるなら、漢方薬を活用するのも一つの手。漢方薬は複数の生薬を組み合わせてつくられており、体質そのものからの改善を目指します。体全体のバランスを整えながら、糖化が起こりやすい状態にアプローチします。
糖化対策には「新陳代謝を整える」「胃腸の機能を高める」「血行を促進する」などの働きがある漢方薬を選びましょう。

<糖化対策におすすめの漢方薬>

・八味地黄丸(はちみじおうがん)
加齢による衰えや疲れ、下半身の冷え、尿トラブルが気になる人に。からだを温めることで新陳代謝を高めるとともに、水分代謝を整える働きがある漢方薬です。

・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
手足の冷えや貧血などの症状がある人に。胃腸の機能を高めるとともに、体を温めて血流を促して全身に栄養を届ける働きがある漢方薬です。

漢方薬は飲むだけでいいため、セルフケアとして続けやすいのも魅力。とはいえ、薬である以上副作用などに注意が必要です。体質や症状によって合う漢方薬は異なります。自分に合う漢方薬を知りたいなら専門家に相談しましょう。

【糖化に関するQ&A】

Q.糖化にサインはありますか?

以下のような変化がある場合、糖化のサインの可能性があります。
・肌のくすみ
・肌のハリの低下
・髪のツヤ不足
・疲れやすくなる
気になる変化が続く場合は糖化対策のセルフケアを始めてみましょう。

Q.糖化対策のために糖質は控えるべきですか?

糖化が気になるからといって糖質を極端に避ける必要はありません。糖質は体に必要なエネルギー源です。大切なのは、極端に抜くのではなくとり方に注意すること。清涼飲料水や菓子類など血糖値を急に上げやすいものは控えめにし、主食は食物繊維を含む食品と組み合わせるとよいでしょう。

Q.糖化対策は何歳から始めるべきですか?

糖化は、ある日突然起こるものではなく、毎日の食生活や運動習慣の積み重ねで少しずつ進みます。だからこそ、年齢に関係なく気になった今日が始めどきです。食生活を見直して低GI食品や食物繊維を意識してとる、食後に軽い運動をするなど、できることから取り入れると、健康的な体づくりにつながります。

教えてくれたのは…医師 木村 眞樹子さん

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。

編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか

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