【MIYAGI BEAUTY PROJECT】宮城コスメ・健康関連素材ツアー2026に行ってきました③

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宮城県から発信され、注目を集めている「MIYAGI BEAUTY PROJECT」は、コスメ・健康関連産業の集積を進める新たな取り組みで、「若者・女性に選ばれる宮城」の実現を目的としています。キャッチコピーは「若者・女性・企業に『びびび』と響く宮城へ」。”びびび”とは、新しい出会いや価値が生まれる瞬間のイメージであるとともに、美しさのBeautyのB、地域資源のBioのB、そして産業・仕事のBusinessのB、3つのBを並べて表現しているそうです。

本プロジェクト第1弾として、7月28日~30日の日程でコスメ関連業界の商品企画や研究開発部門の担当者を対象とした「宮城コスメ・健康関連素材ツアー2026」が開催され、JJは同行取材。宮城県の多彩な地域資源の魅力とその生育環境や生産者の思いなどを体感し、さらに、新素材研究施設などの視察の機会を通じ、新たな事業創出につながる一歩目となりました。

最終日は仙台エリアで、ワイン畑を中心としたワイナリー、大学発のスタートアップ企業、そして官民地域パートナーシップと呼ばれる枠組みで運営されるイノベーション創出拠点「ナノテラス」に伺いました。

 

ぶどうやりんごの搾りかすをアップサイクル(株式会社仙台秋保醸造所)

秋保(あきう)ワイナリー」は、宮城県産葡萄を中心に、地域で栽培された果実を活用したワインづくりに取り組んでいるワイナリー。生産者と連携しながら、地域農業の活性化や遊休農地の活用にも力を入れています。もともと宮城にはワイナリーが1社あったそうですが、東日本大震災時の津波で流されてしまったのだとか。しかし、創業者である毛利親房さんはワイン産業が必ずや地域復興を後押しするという可能性を信じ、ワイナリーを設立。一からぶどう栽培を始めたそうです。

こちらでは年間37000本ほど、16品種のワインを製造しており、赤は8割がメルロー、白はピノ・グリ、ゲベルツ、アルバリーニョなど。その他、ロゼやオレンジワインも作っています。

今やワインづくりのみならず、醸造の中で生まれる副産物のアップサイクルにも取り組んでいらっしゃいます。メルローのブドウの種を特殊な圧搾機を使い絞り、風味を残した「グレープシードオイル」を販売したり、ブドウの枝を切ってディフューザースティックに活用したりと、ただワインを作るだけでなく、ブドウ栽培そのものが生活に馴染んでいくような取り組みが魅力です。

ブドウ栽培に大事なのは、風通しと水はけと日当たり。「秋保ワイナリー」のブドウ畑は風の通り道に沿って立てられているので、その点では最高なのだそうです。

「秋保ワイナリー」は、ショップやレストランも充実しており、一般のお客さんがひっきりなしに訪れていました。個人的にいただいた「ロゼワインソフト」は、ワインの風味とソフトクリームの甘さがマッチしていて絶品♩ ワインはもちろん、「グレープシードオイル」やディフューザーなども販売されています。

スタートアップ企業が取り組む天然由来の機能性素材(ファイトケミカルプロダクツ株式会社)

次にお邪魔したのは「ファイトケミカルプロダクツ株式会社」。東北大学発のスタートアップ企業です。米油の製造過程で副生する米ぬか由来の未利用資源からトコトリエノール(スーパービタミンE)や、植物ステロールなどの機能性成分を抽出し、食品、化粧品、医療品、日用品分野に展開しています。

米ぬか由来の未利用資源から成分を抽出するのに使われるのが、「ファイトケミカルプロダクツ株式会社」が独自に開発した「イオン交換樹脂法」を活用したシステム。環境負荷を抑えながら、高純度成分を製造できる方法なのだそうです。

「ファイトケミカルプロダクツ株式会社」の主力商品は、米ぬか中には微量しか含まれない希少成分であるトコトリエノールが含まれたサプリ「おコメのきもち」。米ぬか由来の植物ステロールを配合した「おコメのまもり」も展開しています。

 

「ファイトケミカルプロダクツ株式会社」は、東北大学青葉山キャンパス内にある東北大学連携ビジネスインキュベータ(T-Biz)に本社を置いています。産学連携によるスタートアップ企業として注目が集まる企業です。

 

 

素材の構造や成分をナノレベルで解析できる世界最先端研究施設(Nano Terasu/ナノテラス)

官民地域パートナーシップと呼ばれる枠組みで運営される「Nano Terasu/ナノテラス(正式名称「3GeV高輝度放射光施設」)」は、エネルギー、環境、食品、医療等々さまざまな分野でX線分析を行う施設です。軟X線領域で世界最高レベルの高輝度放射光X線を実現させ、新たなナノの世界の探究が可能になりました。

この日はナノテラスのオープンデイということで、一般のお客さんと一緒にナノテラスの内部を一部見学させていただけることに! 迫力ある設備に圧倒されます。

ナノテラスの活用例は多岐に渡ります。たとえば、コンタクトレンズメーカーがレンズの使い心地の向上を図るため、元素の状態を計測したりしているそう。また、ある食品メーカーは、フリーズドライ麺で生麺のような食感を再現するため、ナノテラスで麺内部の空隙構造を可視化して、食感の秘密を科学的に解明することに成功したそうです。

同ツアーに参加されていたポーラ化成工業株式会社の仁王厚志さんより、ポーラ化成工業株式会社が研究においてナノテラスをどのように活用しているかについての講義もありました。

 

コンテンツもりだくさんの「宮城コスメ・健康関連素材ツアー2026」でした。

今後、参加した各企業・団体と宮城県が連携し、新しい事業創出に向け動き出します。JJも積極的に参画し、逐一レポートしていきたいと思います!

 

取材・文/浅井美咲