”コンプレックスゼロ”のバービーさんが「下着プロデュース」に取り組んだワケとは
コンプレックスをいつも抱えて後ろ向きになってしまう……。誰もがそんな悩みをひとつは持っているかもしれません。今回は、見た目のコンプレックスで一度は引け目を感じながらも、〝それが私の個性〟と受けとめて、世界を広げた方々を紹介します。
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同じ脱毛症の人たちのために起業。隠したかったコンプレックスも「人のために使えば強みになるし役に立つ」
バービーさん・39歳
2007年、お笑いコンビ「フォーリンラブ」を結成。人気バラエティー番組に出演するほか、コメンテーターとしても活躍。エッセイの執筆、下着のプロデュース、地元の町おこしなど芸人の枠を超えて幅広く活動している。
「自分の体は自分のもの」だから
コンプレックスなんて持たないで!
コンプレックスなんて持たないで!
◇ バービーさんが下着のプロデュースを手がけるまで
5月に発売された著書『「わたしはわたし」で生きていく。』の冒頭、「外見のコンプレックスはない!」というフレーズが出るなど、ボディポジティブとして注目されているバービーさん。思春期の頃には、ニキビや体型にコンプレックスを持つこともありました。
しかし芸人になったことで、コンプレックスが個性となり、自分の「武器」となったそう。自分らしい理想は何だろうということを考え、ありのままの自分を受け入れる、そのうえでベストな自分を目指すーー。そんなバービーさんが体型や胸にコンプレックスを持っている女性に対して「自分の体を好きになろう」と後押しするような下着をプロデュース。プロデュースに至るきっかけや下着に対する思いとはーー。
お笑い芸人として多忙な日々を送るかたわら、ピーチ・ジョンとのコラボ下着をプロデュースしているバービーさん。7月時点で第6弾まで発売され、大ヒット商品に。下着をプロデュースするきっかけとなったのは、自分のありのままの体を好きでいられるように、女性目線の女性のための下着を作りたい! という思いからでした。
昔からブラジャーに対して納得いかないところがあったというバービーさん。綺麗な胸のシルエットにするため、ワイヤー入りのブラジャーを使用していることが多かったそう。しかし縦にサイドボーンが入っているタイプだと、体に突き刺さってしまい、痛い思いをすることがありました。
「1日の最後には、あー、今日も痛かったな、って。肌に合わない材質を着用していたときは、水膨れになってしまうこともあったし、肌がこすれてしまい、いつの間にか色素沈着のように肌が黒ずんでしまっていました」。その様子をSNSにアップしたところ、同調するコメントや、今まで誰にも言えなかったと打ち明けるコメントが多かったそう。「私自身は、体の悩みや弱点をさらけ出すことには抵抗がないんです。でもきっとそれができない人は大勢いますよね。その人たちの分も、よしやってやるぞという思いでSNSに決意表明をしました」。
機能性の改善以上にバービーさんを強く動かしたのは、当時の下着には、他人から見てセクシーに見える下着や、コンプレックスを隠す下着ばかりだったということ。その人自身のナチュラルな胸の形を活かしたデザインの下着がないことに、疑問を感じました。着用する人自身のテンションがあがるような下着を作りたいという思いを胸に、バービーさんは、下着メーカーに企画を持ち込むことを決意。
実はピーチ・ジョンとのコラボが実現する前には、お断りをされた企業があったそう。「挫折感というのはなかったんです。ただ、そんな簡単なことじゃないということは学んだので、きちんとデザイン画を作ったりコンセプトを決めて進めていこうと決心しました」。
そうして挑んだプレゼンで見事にピーチ・ジョンとのコラボが実現。バービーさんの熱い思いが込められた下着が商品化されることとなりました。「そもそも、脇の高いブラジャーがあってもいいのにな、私にとってはサイドボーンがここまで硬くなくてもいいんだけどな、など、下着に対して改善したいことがたくさんありました。サイズが大きいと、可愛いデザインの下着がないことにも不満があったので、サイズ展開も豊富にしました」。
実際にバービーさんが作った下着を購入した人たちとのオンラインパーティでは、「バービーさんの下着を着たことで、自分の体を好きになることができました」という声があったそう。「当初からのコンセプトであった『自分の体を好きになる下着』が実現されていると分かって、嬉しかったですね。もっと自分の体を好きになってくれる人が、増えてくれるといいですね」。
<編集後記>ボディポジティブ=人生をポジティブに考えるきっかけに
自分の体を好きになるって、実際はすごく難しいことですよね。だって、「白髪が増えた」って認めるだけで嫌な気持ちになる私…。でも、事実は事実として受け入れて、この先どんな自分になりたいか? と考えるためにはいい機会かも。これからの40代をどう楽しく過ごそうか、と考えれば、少しワクワクするかもしれませんね。(ライター 星 花絵)
撮影/BOCO 取材/星 花絵 ヘア・メーク/野田みなよ(六本木美容室) スタイリスト/谷口夏生(TAKUTY PRODUCE&CREATE) ※情報は2023年8月号掲載時のものです。
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