「落ち込みやすい」「朝起きられない」は冬のせいだった!すぐできる対処法5つ
理由もなく急に気分が落ち込んだり、無気力になったりしていませんか? それは「季節性うつ」という心の不調が影響しているかもしれません。今回は、季節性うつが秋冬の時期に起こりやすい理由や特徴、今日からできる対処法について解説します。
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1.秋冬に起こりやすい「季節性うつ」って?
秋から冬にあらわれやすい季節性うつは、日照時間が関係しているといわれています。本来、人間は日光を浴びることによってセロトニンを生成しています。セロトニンは「幸せホルモン」などとも呼ばれ、精神を安定させる働きがあり、睡眠ホルモンのメラトニンの材料にもなる重要な神経伝達物質です。
しかし、冬は陽の当たる時間が短いため、セロトニン、メラトニンの生成が不十分になってしまいます。すると睡眠の質の低下や倦怠感、気力の落ち込みが目立つようになります。
2.一般的なうつとは違う、「季節性うつ」ならではの症状
一般的なうつは食欲が落ち、睡眠時間が短くなるなどの特徴がありますが、季節性うつは逆に「食欲が増す」「睡眠時間が長くなる」「朝起きられなくなる」という点が挙げられます。
「気分の落ち込み」「イライラ」「疲労感」などは、一般的なうつと季節性うつとで共通しています。
3.「季節性うつ」かも?と思ったら、試してほしい5つの対処法
季節性うつは日照時間と深く関係しているので、生活習慣を見直すことで改善できる可能性があります。ここで紹介する対処法はどれも簡単に試せるものなので、ぜひ参考にしてください。
①光を浴びる
セロトニンを増やすには、高い照度の光が必要です。
自然光と人工光では照度が全く異なります。一般的なオフィス照明は1,000ルクスほどですが、晴れた日の日光は10万ルクスで、約100倍のもの明るさがあります。曇りや雨の日でも、オフィス照明と比べると屋外は5〜10倍の明るさです。
たとえ室内でも、晴れた日に自然光を取り込めば2,500ルクスの照度が得られます。これは一般的な住宅照明の5倍以上の明るさになります。
起床とともに自然光を浴び、セロトニンの分泌を増やすことを意識して一日を始めましょう。
②たんぱく質を摂る
セロトニンやメラトニンの生成には、材料となるトリプトファンを食事で摂ることが大切です。トリプトファンは、食物中のたんぱく質に含まれています。
豆腐などの大豆製品や、鶏むね肉などの肉類、鮭などの魚類、チーズや牛乳などの乳製品、米などの穀類、アーモンドなどのナッツ類を積極的に摂取しましょう。
その他には、ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムもセロトニン生成に関わる栄養素です。これらの栄養素も、たんぱく質とともにバランス良く食事から摂りましょう。
③有酸素運動をする
運動をすると、セロトニンの分泌が活性化されます。また、意欲・快楽に関係するドーパミンという脳内の神経伝達物質の分泌も活性化され、気分が良くなり、ストレスの解消になります。また、寝つきも良くなり、睡眠の質の向上が期待できます。
セロトニンやドーパミンを増やすのに、激しい運動をする必要はありません。ウォーキングやストレッチ、ヨガ、太極拳などの有酸素運動がおすすめです。
④ハーブを活用する
ハーブの香りによる癒やし効果で気分転換して、ストレスを軽減させましょう。悩みによってハーブを使い分けるのもおすすめです。
落ち込んでいる気分を上げたいなら、ベルガモットを選びましょう。柑橘系の香りで、気分を高揚させてくれます。無気力が目立つならペパーミント、些細なことでイライラしてしまうならゼラニウムがおすすめです。
ハーブティーとして楽しむなら、ラベンダーやカモミールを選びましょう。不安な気持ちを落ち着けて、ゆったりとした気分に浸れます。
⑤漢方薬を飲む
気分の落ち込みには、自然由来の治療薬として心療内科などで処方されている漢方薬の活用もおすすめです。漢方薬は西洋薬よりも副作用のリスクが少ないといわれており、原因のハッキリしない体調不良や、慢性的な不調の緩和が得意です。
秋冬に起きやすい気分の落ち込みの原因は、日照量不足に加えて、ストレスや過労、消化器系機能の低下などと考えられています。その対策には、「消化・吸収機能を改善して体の内側から心を元気にする」「肉体的な疲れを軽減することで、落ち込みや不安を軽減する」「自律神経のバランスを整える」という働きを持つ漢方薬を中心に選び、不調の根本改善を目指していきます。
不足した気を補うなら、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」です。胃腸の働きが低下し、疲労が溜まっている人に適しています。うつ症状に良く見られる無気力や倦怠感などを改善します。
滞った気の巡りを改善するなら、「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」です。高ぶった神経を鎮め、精神的な不安やストレス、気分が塞いでいる状態を緩和します。些細なことで感情が揺らいでしまう人におすすめです。
漢方薬の効き目には個人差があります。医師や薬剤師に体質をしっかり見極めてもらった上で、適切な漢方薬を提案してもらいましょう。漢方薬を使ってみて、もし違和感や不調が出た場合は、ただちに使用を中止し、医療機関を受診してください。
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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編集/根橋明日美