「率直に言うと寂しかったです。日本に帰りたくなかったわけではないんですけど、スペインという慣れない土地で結婚生活がスタートして、夫と協力しながらやってきた約5年の日々が終わってしまうんだと思うと、寂しい気持ちになりました。振り返ると本当に色々なことがあって、楽しかった思い出はもちろん、コロナ禍によるロックダウンとか、マドリードに50年ぶりの大雪が降って、スーパーに３日くらい物がないみたいなピンチも一緒に経験しました。正直『帰りたくない』という言葉を口にしていたくらい、まだまだスペインにいたかったなと思うところもありますが、そう思えてよかったなと。それだけスペインでの生活が楽しかったっていうことだと思いますし、すごく充実した時間を過ごせて幸せでした」

「朝起きて夫の練習を見送って、お昼過ぎくらいに夫が帰ってきたら、そのあとは二人時間。郊外に住んでいたので家でのんびりすることが多かったですが、時々カフェに行ったり、『たまには犬たちを連れて、少し離れた公園に車で行ってみようか』と、お出かけする日もありました。あまりにほのぼのしすぎて老後かなと思うくらい（笑）、スローペースな毎日でしたね。日本に帰ってきてからはお互いやることが増えて、一緒にいる時間が減ってしまって…。その寂しさも今は感じています」

「お互い自分の育った国とは違う場所にいるからこそ、些細なことも相談し合えたり、わからないことはわからないって素直に言えたのがよかったかなと思います。日本にいたら『そんなこともできないの？』とか『自分でなんとかしなよ』と思ってしまうようなことが、スペインでは当たり前に出てくるんです。ましてや私たちは結婚生活自体スペインが初めてでしたし、夫婦としてダメな部分を見せて、お互いに補い合っていく関係性ができたのはよかったです」

「アウェーの試合をなかなか見に行けなかったこと。特急で行ける距離のところもあったんですけど、一人で行くのも心配かけると思って、少し離れた場所での試合は家のテレビを見ながら応援していたんです。でも今思えば、もっと行けたかなと。たとえばスペイン南部のセビリアとか。日本でも東京と北海道で違う空気感があるように、スペインも場所によって違う空気が流れていたと思うんです。そういうのを体感できたらよかったな。あとは観光面でもスペイン内をあまり回れなかったので、また機会を改めて夫と行きたいなと思います」

「スペインで行きつけの美容院がなかったので、これまで一時帰国のたびに日本で髪を整えていたんです。それがこれからはいつでも好きなときに美容院に行けるということで、長らくやっていなかったブリーチをしちゃおうと！　ちょうど引っ越し期間で１カ月ほど仕事をセーブさせていただいていたのと、私の大好きなKep1erのマシロちゃんが暗髪からハイトーンに変わったこともあり、いろいろなタイミングが重なって今の髪色にたどり着きました♡ 夫も『いいじゃん！』って言ってくれて、自分でも気に入っています」