MLB JAPAN代表・川上紗実さん~シングルは大変なこともあるけれど、いつも 笑顔でキラキラしていたい
女性としてこれからのキャリアについて悩むSTORY世代。’22年に女性活躍推進法が改定されてからはますます女性の活躍が期待され始め、徐々に女性管理職比率も高くなってきています。個人として評価され活躍される女性リーダーの方々には、キャリアの狭間で自身の生き方を見つめ、可能性を信じてチャレンジする姿がありました。今回ご登場いただくのは、今年日本中を感動の渦に巻き込んだワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)運営にも携わる、MLB JAPAN(メジャーリーグベースボール ジャパン)代表の川上紗実さんです。(全3回の3回目)
川上 紗実さん(43歳)
MLB JAPAN(メジャーリーグベースボール ジャパン)代表
ゴルフとお酒が大好きで、よく怒るママ?! 公私ともに充実した人生を送るのが目標
STORY編集部(以下同)――代表就任は川上さんにとって想定外だったのかなと思いますが、元々は描かれていたビジョンはどのようなものだったのですか?
会社のトップを目指そうと思ったことも、トップになりたいと思ったことも、バリバリのキャリアウーマンになりたいと思ったことも、実は一度もないんです。あえて言うなら、将来素敵なカフェ&ラウンジでも開きたいなぁ~と何度か思ったことがあるくらい(笑)。
正直、私はこれまで色々な運とご縁とタイミングに恵まれ自然とここまできました。今のお仕事以外にも興味のあるお仕事や分野は他にもあります。ただし軸として、シングルインカムでも、子どもたちには、両親が私達三姉弟に与えてくれたような教育や生活環境を整えてあげたいという強い思いがあるので、子どもたちが成人するまでは、ただ自分の好きなことをするわけにもいかず、どんなにハードなお仕事、そしてそれが自分の能力以上のものであっても、本当にやりたいことではなくても、与えて頂いたチャンスに心から感謝しながら、常に勉強し挑戦し続けることが大切だと考えています。
ただ、実は私はどちらかと言うとワーカホリックで……。出産直前の病室のベッドの上でも仕事をしていて、長男出産時には病室で大きな契約を決めました(笑)。産後も息子は生後3ヶ月で、娘は生後2か月で保育園に入れすぐに仕事復帰をしましたので、実際仕事は好きなんだと思います。
――陣痛中に契約を? それは伝説ですね(笑)。ほかにも何かエピソードがありそうですね。
今年の桃の節句は、WBCの仕事で出張が入ってしまったのですが、なんとしてでも、夜は娘を祝ってあげたいと思い、朝一番の飛行機で大阪に行き3時間滞在して、すぐに宮崎へ飛び2時間滞在、そして遅めの夕食にギリギリ間に合うよう東京に戻り、翌朝また大阪に移動、なんて強行日程をこなしました(笑)。ほかにも、子どもたちを想い、保育園や学校行事に参加するために、数時間のために出張先から一時戻り、終わり次第とんぼ返り、なんてことはよくあります。
――想像するだけで目の回りそうなスケジュールです。仕事と子育ての両立するうえで、大事だと思われることはなんですか?
間違いなく一番はタイムマネジメント力と気合ですが(笑)、チャイルドケアのサポート体制を整えること、また自分自身の体調管理や息抜きの時間を作ることも同じくらい大切に考えています。
――どのように息抜きをされていますか?
ゴルフとお酒、特にワインがとにかく大好きなので、普段は友人や親しい方々とゴルフに行ったり、外で美味しいワインやお料理を頂きながら語らう時間、そしてたまに行く旅行だったりが息抜きになっています。ただ、気分が落ち込んでいるときは家にこもり、沖縄に住む心友であり親友である大好きなお友達と会話をしたり、読書をしたり、子どもたちの可愛い寝顔や悪い寝相を見て息抜きをしています(笑)。
――美容面では、何かされていますか?
いつまでも、子どもたちに「可愛い、綺麗、大好き」って言ってもらえる母でいたいですし、自分自身も幸せでいたい! なので、“歳をとっても綺麗でありたい”という意識は常に持つようにして、ネイルサロンやヘアサロン、そしてマッサージやカイロも、忙しくても時間を見つけて毎月欠かさず行くようにしています。
また、常に身体を内側からも外側からも冷やさないように努力しているので、お酒以外はできるだけ常温、または温かいものをとるようにして、夜はできる限り毎日湯舟に浸かり、ヒーティング機能付きリカバリーギアなどでお腹、腰まわり、首肩、頬などを温めて血行を良くするようにしています。
――お子さんたちに可愛いって言ってもらえるなんて、優しいママなんでしょうね。
いえいえ、むしろ怖くてとても厳しいママだと思います。「ママの特技は怒ること~」なんて、子どもたちがふざけて口ずさむくらいですから(笑)。ただもちろん、躾やお勉強・お稽古事に関しては厳しいですが、普段お仕事で子ども達と一緒に過ごす時間が少ない分、それ以外においてはいつも子どもたちを喜ばせようと、かなり甘やかして育ててしまっている部分が正直あります。
――ワークライフバランスについての理想はありますか?
これまでずっとシングルで子育てをしてきていますが、お仕事で家を空けることも多く、子どもたちには生まれた頃から寂しい想いをたくさんさせてきましたし、両親には未だに心配ばかりさせています。
今は子どもたちもしっかりと自分の気持ちや意思を伝えられる歳になり、よく、どんなところでどんな生活を送りたいかという夢を語って、絵で表したりするようにもなりました。子どもたちの夢を叶えてあげるためにも、私自身の今後の人生を考えても、もっとQuality of Lifeを意識して、ワークライフバランスを半々に近づけ、公私ともに充実した人生を送りたいなと思っています。
人生一度きりですし、仕事を頑張るときは頑張って、遊ぶときは遊んで、自分の時間、そして家族や友人と過ごす時間も大切にしたい。色々な経験を通し、やっぱり自分自身が幸せでいないと、子どもたちを幸せにしてあげることができないということを心底感じていますし、高齢の両親を心配させたまま天国に送り出すような親不孝はしたくありません。子どもたちにも両親にも残りの人生を、幸せで豊かに過ごしてもらうために、自分自身も幸せで笑顔を絶やさず日々過ごせるよう意識し努力したいと思っています。
撮影/BOCO 取材/篠原亜由美
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