「性犯罪を犯した人が、子どもの近くで働けてしまうのはなぜ?」
※このコラムはVERY2023年11月号(2023年10月6日発売)に掲載されたものです。
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VERY webでも日本版DBS(ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス)についての署名が呼びかけられましたが、私ももちろん、賛同しています。日本版DBSとは、子どもたちを性犯罪から守るために、子どもと接する仕事をする人に性犯罪歴がないか証明を求める新たな仕組みのことです。性犯罪は再犯率がとても高いのですが、日本では性犯罪を犯しても一定程度休めばまた先生に復職できてしまう現状があり問題視されています。日本が性犯罪、特に小児への性犯罪に対して甘いことは世界的に有名になっていて、例えば英語でサイト検索すると「日本 小児性愛 野放し」ってサジェストが出るくらい。自国で性犯罪の前科のある人がそういう目的で来日して働くケースがあるという話も、残念ながら実際に聞いたことがあります…。
子どもへの性犯罪を犯した人が、子どもの近くで働けてしまう現実。学校や塾の先生、学童や送迎のスタッフ、スポーツのコーチ、ベビーシッター…。性犯罪で捕まった人は、熱心でいい人だったと評判を聞くことが多いらしいのですが、それはそうしないと、子どもに近づけないから。そうしてグルーミングされているのは実は親も同じだったりするんだと思います。
少し飛躍しますが、少し前に「おじさんと女子中学生との恋愛がありうる」というようなことを発言した元議員がいましたよね。もちろん年の差恋愛はありだけど、それは双方が十分に大人になって成立するものだと思うんです。グルーミングについてや性教育が不十分なまま、小児性愛をロマンチックに受け止められることもある現状にモヤモヤしてしまう私がいます。2023年、性犯罪の時効が5年延長されましたが、それも全然「短すぎて実態に即していない」と声が上がっていますね。日本では現状、18歳未満(未成年)で被害に遭った場合33歳の時に時効になってしまいます。でも性犯罪では30代でやっと「あれはそうだったかも」と認識できて、声を上げるのは40代、50代になってからというのも珍しくない。裁判には時間もお金も、大きな心の負担もかかります。30代だと難しい場合が多いというのは、想像できますよね。
「フェムテック」という言葉ができたことで、私たちは昼間のテレビでも「生理」について語れるようになりました。言葉の持つ力ってすごい。だから、「性的いたずら」はもちろん、「わいせつ」「痴漢」という、被害の大きさに対して軽すぎる言葉を使うことなく、「性暴力」「レイプ」などと適切に言葉にしていくことも大切なんじゃないかな。日本版DBSでは学校や保育所での活用が想定されているそうですが、塾やボランティア活動なども含め、子どもに関わるすべての人へのチェックが可能になるようにしてほしいです。加害者が再犯しないでいるためにも。そのためには今、お母ちゃんたちは頑張りどきです!(十分、頑張っていますけど)今、歴史上、私たちお母ちゃんは一番力を持っている時代(まだまだですが、過去と比べて!)。「こうなればいいな」と思う世界を、一緒に作っていきたいですね。
◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。7歳と5歳と0歳の娘の母。
奥多摩で釣り堀に行きました。釣れはじめたらテンション上がって大興奮! 怖がらずにニジマスを摑んで針を外すことができました!
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撮影:須藤敬一 取材・文:有馬美穂 編集:羽城麻子
*VERY2023年11月号「シェリーの「これってママギャップ?」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。