髙橋ひかるさん「バラエティに出始めた当初は、笑うことが苦手でした」【感情を表に出せるようになった理由とは】

スタッフのしょうもない(失礼)ギャグを拾ったり、ちょっとした鼻歌に反応してくれたり。「私にできることは、笑うこと」と言っていた通り現場の空気をパッと明るくする髙橋ひかるさん。でも以前は、自分の感情も悩みも外に出すことができなかったそう。努力して自分を理想に近づける、その姿が素敵でした。

自己解決するタイプだったけれど、人を頼るようになりました

以前は、自分の考えを言葉にする

以前は、自分の考えを言葉にするのが苦手でした。仕事への向き合い方、現場でのあり方、役作りの仕方など、ひとつひとつに疑問を抱えつつも誰にも相談ができない。「これを言ったら、こういう解決論が出てくるだろうな」と先回りして考えてしまい、自分なりに調べたり本を読んだりして、解決したつもりでやり過ごして…。ですが、一時休養することになり、知らず知らずのうちに抱え込みすぎていたことに気がつきました。自分の中だけで「こうしなきゃダメ」と決めつけていたけれど、それでは何の解決にもなっていない。何より自分が納得していなかったんだな、と自覚。この頃から悩みやモヤモヤを周囲に伝えられるようになり、人と話すことで消化されたり、問題の原因が分かることもある、と知ることができたのは転機になったと思います。

周りはずっと、「溜め込まないで話してね」と言ってくれていましたが、私は「話してもどうにもならないじゃん」と思っていて。それまでは、なんとなく上手くいかないこともがんばるしかない、と蓋をしてきました。でも休養をきっかけに、人に頼る大切さを実感できた。今は自分では解決できないと感じたら、家族やマネージャーさんに相談しています。

自分も周りも幸せにするために、よく笑うようにしています

自分が下の世代でいることが長かったので、年上の方が多い現場は安心して飛び込めます。目上の方たちは経験も知識も豊富で、人としても役者としてもいろんな幅を持っているから、疑問に思ったことは素直に聞くように。ありがたいことに優しい方ばかりなので、どっぷり甘えさせてもらっていますが、昔は現場で「分からない」が言えなくて。自分の考えが合っている確証はないけれど、とりあえずやってみよう、というスタンスでした。でも結局、分からないままにしていると後々バレる。分からない時点で聞いたほうがよかったな、と思うことも増え、徐々に監督や共演者の方に相談するようになりました。今まさに撮影中のドラマ『リビングの松永さん』の現場でも中島健人さんやシゲさん(山口森広さん)にアドバイスをもらっています。

年齢の上下にかかわらず、人と接する際に気をつけているのは、自分の考えがすべて正解ではない、ということ。自分理論を持ってしまいがちなタイプなので、周りに対しても「私だったらこうするのに」と思うことも正直少なくありません。でも、相手にも考えがあるし、私とは違う部分を意識しているのかも知れない。それを理解しないまま、自分の考えを押し付けてしまうと、その人の良さを消してしまったり、萎縮して行動しにくくさせてしまうこともあると思うんです。だから、相手の意図を汲み取って理解する姿勢を大事にしたい。自分も泳がせてもらえたほうがありがたいし、信用されているな、と思えます。自分も周りも幸せでいるために、私ができることを挙げるとしたら、よく笑うこと。「よく笑ってるよね」と言っていただくことも多いです。でもバラエティに出始めた当初は、笑うことが苦手でした。感情を表に出すことに抵抗があったから、心では笑っているのに、「笑ってなくない?」と突っ込まれたり…。喜怒哀楽を表に出せるようになったのは、この仕事に出会えたおかげ。感情をオープンにすると現場が沸くし、空気感も良くなるんです。そんなふうに場のムードをポジティブに持っていける人でありたいです。

髙橋ひかるさん
2001年生まれ。滋賀県出身。2014年、「第14回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを受賞。2016年に映画『人生の約束』で女優デビュー。以降、NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』、TBS「村井の恋」、テレビ朝日「ハレーションラブ」など、映画、ドラマ、バラエティと多岐にわたって活躍。1月スタートのカンテレ・フジテレビ系「リビングの松永さん」(火曜23:00〜)では、ヒロインの園田美己を演じる。

【衣装】ジャケット¥79,200シャツ¥39,600(ともにカオス/カオス丸の内)スカート¥26,400(ブリル/ブリル新宿)ブーツ¥71,500(ファビオ ルスコーニ/ファビオ ルスコーニルミネ有楽町店)バングル¥41,580(ソコ/ZUTTOHOLIC)イヤリング¥71,500(マリハ)ニット(スタイリスト私物)

撮影/菊地 史〈impress+〉 ヘアメーク/imutan スタイリング/児嶋里美 取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc