志田未来さん(32)芸歴25年以上…子役時代の「一番悲しかったこと」とは

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10代のころから、俳優として第一線で活躍し続けている志田未来さん(32)。30代を迎えたいま、演技の幅はさらに広がり、数々の作品で無二の存在感を発揮しています。そんな志田さんは、放送中のドラマ『北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。』に出演中。恋人をシェアする“サブスク恋愛”という画期的なテーマに、戸惑いはなかったのでしょうか。役作りで意識したことや現場でのエピソードをはじめ、志田さんの仕事観についても話を聞きました。

プロフィール

1993年5月10日生まれ。神奈川県出身。2005年に出演したドラマ『女王の教室』で一躍注目を浴びる。初主演ドラマ『14歳の母』では圧巻の演技力を披露し、第15回橋田賞新人賞を史上最年少で受賞。映画では、2009年公開の初主演作『誰も守ってくれない』で、第33回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞している。2000年のドラマ初出演から25年を迎えた現在も出演作が後を絶たない演技派俳優。

恋人をシェアする“サブスク恋愛”は「賑やかで楽しそう」

――出演中のドラマ『北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。』では、恋人をシェアする“サブスク恋愛”という新しい恋愛観が描かれています。志田さんご自身は、率直にどう思われますか?

最初は、「え…?」と戸惑ったんですが、実際に演じてみると「なんだか楽しそうでいいな」と、すんなり受け入れられました。物語のなかでは、北くんと彼をシェアする3人が、明るく賑やかに共同生活をしているので、そういう恋愛の形もありなのかなと思いました。

――志田さんが演じている比留間東子は、「真面目が取り柄の料理大好き女子」とのことですが、どんなことを意識して役作りをされましたか?

東子は、北くんが大好きというまっすぐな気持ちだけでなく、両親との関係で悩んでいる複雑な思いも抱えているので、北くんに見せる顔と、1人でいるときの表情を、うまく演じ分けられたらいいなと思っていました。でも、現場でみんなが集まると、その空気感が自然と東子にしてくれる感覚があって。あえて役作りについて意識しなくても、自然体で演じることができています。

現場はワイワイと楽しい雰囲気。年下組をツッコむことも?

――撮影現場は、どんな雰囲気なんですか?

初日からずっとワイワイしていますね。(本田)翼ちゃんが率先して場を盛り上げてくれるので、そのテンションに引っ張られて、みんなすぐに素を出せるようになりました。本当に頼もしい座長です。

――ちなみに志田さんは、現場ではどんな立ち位置なんでしょう?

共同生活をしている4人のなかでは、岩瀬(洋志)くんと増子(敦貴)くんが年下組なんですけど、2人とも可愛らしい一面があるので、私もよくツッコんだりしています。でも、翼ちゃんに聞いたら、「あなたはツッコミじゃなくてボケだよ?」って言われそうです(笑)。

10代のころは「友達のおかげで赤点を免れました(笑)」

――『女王の教室』や『14歳の母』など、10代のころから多くの話題作に出演していた志田さんですが、当時を振り返ってみて、辛かったことや大変だったことはありますか?

子どものころは、友達と遊ぶ時間がないことが1番悲しかったですね。自分から誘って約束しても、急に仕事が入って行けなくなってしまうこともあって…。それが申し訳なくて、だんだん自分から声をかけられなくなってしまいました。

――それは悲しいですね…。そんななかで、友達といい関係を築くために、気を付けていたことはありますか?

遊びに誘われたときは、はじめから「行けなくなるかもしれないけど…」と伝えておくようにはしていました。でも私は、本当に友達に恵まれていて、「仕事だからしょうがないよね」と、受け入れてくれる子が多かったんです。学生生活で辛い思いをしたことはほとんどなかったので、周りのみんなには心から感謝しています。もちろん、学業と仕事を両立するのは大変でしたけどね(笑)。

――あれだけ忙しいなかで、学業を怠らないのはすごいです…!

仕事でテスト勉強をする時間がないときは、当日の朝にみんなが「これだけ覚えておけばいいから!」と教えてくれたりして。友達のおかげで、なんとか赤点は免れていました(笑)。

子役時代の感覚が抜けず、自分を追い詰めた20代

――志田さんの俳優としてのキャリアはすでに20年以上になりますが、この仕事を続けていこうと決意したのはいつごろなんですか?

大学に進学しないと決めたときですね。いろいろな考え方があると思いますが、私は他の仕事を選択肢に入れるなら、大学に行こうと思っていたので。高校を卒業したとき「これまで以上に真剣な気持ちで、俳優という仕事に向き合わないといけない」と強く思いました。

――そこから、さらに活躍の幅を広げていったわけですね。20代のころは、どんなことを意識して、仕事をしていましたか?

20代のころは、とにかく自分に厳しかったです。常に仕事モード全開というか、空き時間にも、誰とも話さずセリフの確認をしたりして。今思うと、「真剣にやらなきゃ!」って思いが強すぎて、自分で自分を追い詰めていたんだと思います。

――そんなに思い詰めてしまったのは、なぜなんでしょうか?

子どものころは、母が現場に付いてきてくれていたんですけど、すごく厳しかったんですよ。「余計なおしゃべりはしちゃダメ」とか「自分だけ座っていちゃダメ」とか、いつも注意されていました。その緊張感のおかげで、仕事に真剣に取り組めていたんですけど、大人になって1人で現場に行くようになってからも、その感覚が抜けなくて…。このままじゃよくないとはわかっていても、急に態度を変えたら「生意気になった」と勘違いされるかもと怖かったんです(笑)。だから、なかなか抜け出せませんでしたね。

――でも今は、さきほどおっしゃられたように、現場でも自然体でいられるようになったんですよね。

そうなんですよ。年齢を重ねるうちに少しずつ、ほぐれていったんだと思います。同年代の方との共演が増えてきて、「現場では、こういうスタンスでいればいいんだ」と気付かされたことも大きかったです。

30代になった今、「自分にも周りにも広い心を持てるようになった」

――そして、30代を迎えられた今、仕事観に何か変化はありましたか?

少し余裕が生まれました。現場は基本的に時間に追われているんですけど、効率のいいやり方を周りに提案したりすることもあります。20代のころは、思うことがあっても自分の中でモヤモヤしているだけだったので、うまく伝えられるようになったのは大きな変化ですね。自分にも周りにも、広い心を持てるようになったのかなと思います。

――たしかに、角を立てずに言うべきことを言えるのは、大人の余裕という感じがします。広い心を持てるようになったのは、自信の表れなんでしょうか?

いえ、ぜんぜん自信はないです! ただ、広い視野で全体を見渡せるようにはなったと思います。10代、20代のころは自分のことで精一杯だったので、20年以上かかってようやく、周りが見られるようになったんです(笑)。

information

志田さんが出演する『北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。』は、カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜23:00〜放送中。
老若男女を虜にする謎の美青年、北くん(岩瀬洋志)に恋をした、浅田南(本田翼)、比留間東子(志田未来)、西野悠(増子敦貴)の3人。彼らは、北くんを33%ずつシェアする協定を結び、4人での共同生活を送ることに…。

撮影/木村敦(Ajoite) ヘアメーク/菅井彩佳  スタイリング/千本松良枝 取材/近藤世菜 編集/越知恭子