姿勢で顔のたるみが加速!?ブルドッグ顔を招く4つのNG習慣とは【薬剤師監修】

「なんとなくフェイスラインがぼやけてきた」「頬のたるみが気になる」などの悩みを抱えていませんか? 頬や口元のたるみが進むと、いわゆる“ブルドッグ顔”に見えてしまうことも。実はその原因、年齢だけでなく、姿勢や日常のクセにも隠れているのです。顔のたるみを防ぎ、すっきりとした印象を取り戻すためのセルフケアを紹介します。

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1.たるみが気になる“ブルドッグ顔”って?

頬や口元が下がり、フェイスラインがもたついた状態を指す“ブルドッグ顔”。皮膚の弾力を保つ成分であるコラーゲンやエラスチンが減少し、目の下や頬が重力に逆らえなくなることで起こります。
また、リンパや血流の滞りによって老廃物が溜まり、顔全体がむくんで四角く見えることも原因の一つ。
ブルドッグ顔になっていると、口角が下がることで表情が沈んで見え、見た目の印象に影響します。
こうしたたるみは放っておくと進行してしまうため、早めのケアが大切です。

2.顔のたるみを加速させる4つのNG習慣

顔のたるみは、生活の中の「何気ない習慣」から進行していくことがあります。避けたい4つのNG習慣を見ていきましょう。

①姿勢が悪い

長時間の猫背やスマホを見る際のうつむき姿勢は、首から顔にかけての血流を悪くします。血行が滞ると肌細胞に十分な酸素や栄養が届かず、ハリが失われる原因に。むくみにもつながり、余分な老廃物が溜まることで徐々にたるみやすくなります。
また、パソコンやスマホを見る際の顎を突き出すような姿勢や、頬杖をつく癖は、顔の左右差やフェイスラインのゆがみを招きます。

②紫外線対策をしていない

紫外線対策をしていないことも、顔のたるみを加速させるNG習慣の一つ。紫外線は肌の弾力を保つために必要なコラーゲンやヒアルロン酸などを分解する作用があるため、浴び続けると肌のハリや弾力が低下します。
さらに、肌が乾燥して水分不足の状態になり、肌のターンオーバーが乱れて顔のたるみが加速する可能性もあります。

③間違ったスキンケア

肌をこするようなクレンジングや強いマッサージによって摩擦が加わると、顔のたるみを招くこともあります。摩擦が加わると肌に負担がかかり、コラーゲン繊維が破壊されます。
例えば、化粧水を塗る際に頬をパンパン叩く、マッサージで力を入れて押したりもんだりするといったケアはNG。肌のバリア機能が低下し、たるみ以外にシワやくすみなどの肌トラブルにもつながります。

④表情筋を使っていない

口元や頬にある表情筋を使っていないことも顔のたるみを招きます。顔の筋肉が弱ると皮膚や皮下脂肪を支えられなくなり、重力に引っ張られて頬が下がりやすくなるのです。
「話す機会が減った」「普段あまり笑わない」「柔らかいものばかり食べる」などの生活を続けていると、表情筋が衰えやすくなるため注意が必要です。

3.顔のたるみを防ぐセルフケア5選

日常の習慣を少し変えるだけで、ブルドッグのような顔のたるみは改善できます。ここからは、今日から実践できるセルフケアを紹介します。

①正しい姿勢を心がける

デスクワーク中は、骨盤を立てて背筋を伸ばすことを意識しましょう。前傾姿勢になりやすいときは、背もたれとの間に厚手のタオルを挟むと姿勢が安定します。
また、作業の合間に休憩を挟み、首と肩を軽く回したり1時間に1度立ち上がって伸びをしたりすることも効果的。首や肩の筋肉の緊張をほぐすことで、血行促進につながります。

②スキンケアを見直す

スキンケアを見直し、肌への刺激を減らすことも大切です。化粧水や乳液などは手のひらで包み込むように塗布し、摩擦を最小限に抑えましょう。肌の乾燥を防ぐために、クリームなどでしっかりと保湿をすることも忘れずに。
紫外線対策も1年を通して行うことが重要です。外出時には日焼け止めを塗り、日傘や帽子を活用して紫外線から肌を守りましょう。

③生活習慣の見直し

肌のターンオーバーを整えるために、食事や睡眠などの生活習慣を見直すことも重要です。
睡眠中には肌の修復に必要な成長ホルモンが分泌されます。寝室の室温や寝具などを調整して睡眠環境を整えたり、就寝前にアロマやストレッチなどでリラックスしたりして睡眠の質を高めると肌の健康を保ちやすくなります。
また、食事ではコラーゲン生成をサポートするビタミンCを含む果物や野菜を意識して取り入れましょう。肌の新陳代謝を促すビタミンAを含む食品も効果的です。ビタミンAはレバーやうなぎ、チーズなどに多く含まれます。これらの食材を使用した1品を日々の食事にプラスしてみましょう。

④表情筋を鍛える

表情筋を鍛えて筋肉を引き締めることも、顔のたるみ予防につながります。おすすめは「アイウエオ体操」です。

<アイウエア体操のやり方>
(1) 「ア」の形に口を縦に大きく開け、目を見開く
(2) 「イ」の形に口を左右に大きく引く
(3) 「ウ」の形に口をすぼめ、目をギュッと閉じる
(4) 「エ」の形で口角を上げ、目を見開く
(5) 顔全体を上下に引っ張るように意識して「オ」の形に口を縦長に開く

表情筋を動かすことで頬や口元の筋肉が引き締まり、フェイスラインのもたつきを防げます。「アイウエオ」と声を出さなくてもOKです。顔全体の筋肉を動かすよう意識し、鏡で動きを確認しながら1日2〜3セット行いましょう。

⑤漢方薬を試してみる

初期の顔のたるみには漢方薬を活用するのもおすすめ。漢方薬は不調の根本原因からアプローチし、体質を改善することでトラブルの解決を目指します。
顔のたるみには「水分代謝を整える」「血行を促進する」「肌の新陳代謝をよくして紫外線によるダメージを回復する」などの働きがある漢方薬を選びましょう。

<顔のたるみ対策におすすめの漢方薬>

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
むくみやすく、冷え症で貧血気味の人に。水分代謝を促すことでむくみを解消するとともに、血行を整えて体を温め、冷え症も改善します。

・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
疲れやすく汗をかきやすい人に。水分代謝を整えて体の余分な水の排泄を促し、むくみや水太りを解消します。

漢方薬は自然由来の生薬でできており、西洋薬よりも副作用が少ないとされています。ただし、体質や症状に合わない漢方薬を選ぶと思わぬ副作用が出ることもあるため、服用する際には専門家に相談することが大切です。漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談したうえで、セルフケアに取り入れましょう。

<参考文献>
 公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット「ビタミンAの働きと1日の摂取量」

教えてくれたのは…あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子さん

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

編集/根橋明日美  写真/PIXTAほか

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