弘中綾香さん(34)「社会から取り残された孤独感がキツかった」産後5カ月で復帰した背景【著書『たぶん、ターニングポイント』インタビュー】

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透明感あふれる無邪気な笑顔で、毒気のあるマイペース発言を繰り出す、アナウンサーの弘中綾香さん。その飾らない雰囲気で、多くの女性たちから支持を集めています。現在は、2歳の女の子の母として、仕事と子育てを両立中。そんな弘中さんが、初めての妊娠と出産を通して感じた気持ちを、ありのままに綴っていた備忘録が『たぶん、ターニングポイント』として書籍化。そこで改めて、子どもを産んだことで訪れた「人生の変化」について、ご本人に伺いました。

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プロフィール

1991年生まれ。 神奈川県出身。2013年、慶應義塾大学を卒業後、アナウンサーとしてテレビ朝日に就職。入社1年目から『ミュージックステーション』のサブ司会に抜擢され話題となった。オリコンの「好きな女性アナウンサーランキング」では、2019年から5年連続1位を獲得し殿堂入り。『激レアさんを連れてきた。』や『あざとくて何が悪いの?』などの人気番組に続々と出演。現在は、子育てと両立しながらも、多数の番組を担当している。

ホルモンバランスの変化によるメンタルの不調は、生まれて初めてのことだった

――弘中さんが、初めての妊娠と出産を通して感じたことを、等身大の言葉で綴った『たぶん、ターニングポイント』が発売されました。もともとは、備忘録として書き留めていたとのことですが、ご自身で読み返してみて何か思うことはありましたか?

あの頃は、とにかくいっぱいいっぱいだったなと思います。今は娘も2歳になって、言葉でコミュニケーションが取れるようになったぶん、少し肩の荷が下りた気がしています。だからこそ、妊娠中や出産直後の自分を思い返すと、本当に一生懸命だったなと、感慨深いです。

――著書の中でも、妊娠や出産にまつわるさまざまなエピソードが語られていますが、改めてとくに大変だったのはどんなことでしょう?

出産の痛みや産後のケアは、医療の力やプロの方々のサポートのおかげで、身構えていたよりは大丈夫だったんです。だから、何よりツラかったのはメンタルの乱高下。私、もともとはホルモンバランスの影響を受けにくいのか、生理前でも心身の不調を感じた経験がなくて。それが妊娠したとたん、自分ではどうしようもできない気分の浮き沈みに振り回されたんです。わけもわからずイライラしたり、「何で私ばっかり、こんなに大変なんだ」とくよくよしたり。それまでの32年間は、ずっとハッピーに生きてきたし、メンタルは強いほうだと自負していたのですが…。まったく抗えませんでしたね。

――たしかに、妊娠と出産に伴うホルモンバランスの変化は、かなり急激だといいますよね…。

出産してからも、なかなかメンタルは持ち直さなくて。家で娘と2人きりで過ごす時間が、少しずつ負担になっていったんです。社会から取り残されているような孤独感がキツかったんでしょうね。ドラマで見るような“お母さん”って、ふわふわ温かい雰囲気で、すごく幸せそうじゃないですか。でも、私は全然そんなふうにはなれなくて。「早く仕事に戻りたい」と思ってしまうけど、それは母親としていけないことなのかなと、さらに落ち込むという…。私の場合は結果的に、生後5ヶ月で職場復帰してからメンタルの不調が少しずつ改善されました。やっぱり、大人と話すことでいろいろと発散できるのが大きかったみたいです。今思い返してみても、自分が自分でなくなってしまうような、生まれて初めての体験でした。

子どもを産んで訪れた大きな変化は「愛を持って世界を見られるようになったこと」

――初めての妊娠と出産を通して、さまざまな変化があったかと思います。著書の中で「自分の中のOSが変わっちゃった」と表現されていたのが印象的でしたが、ご自身の価値観や考え方はどんなふうに変化したのでしょうか?

実は私、もともとはけっこうドライな人間だったんです。それこそ、何か持病があるわけでも、ホルモンバランスに左右されるわけでもないから、「自分のことは、自分でなんとかできないの?」という嫌なヤツで(笑)。妊娠と出産を通して初めて、この世には自分の力だけではどうにもならないことがあると、身を以て学びました。それに、いろいろな福祉サービスを活用させてもらって、自分がどれだけ社会の恩恵を受けて生きているか思い知って。これまで「私は自分1人の力で生きてきた」みたいな顔をしていたのが、本当に恥ずかしいです…。どれだけ甘ったれた人生を送ってきたかを自覚できたので、それはすごくよかったなと思います。

――それは、ポジティブな変化ですよね。ただ、そんなプラスの影響がある一方で、読者の中には、ライフステージが変わることに不安を抱いている女性も少なくない気がします。

そうですよね。私の場合は、いい方向に変われたと思うんですけど、変化を恐れる気持ちはよくわかります。でも安心してほしいのは、子どもを産んでも、自分の“本質”が大きく変わってしまうわけではないんです。人生の根幹はそのままだけれど、その先にある枝葉が増えたというか。視野が広がったという表現のほうが正しいかもしれません。私は、愛を持って世界を見ることができるようになったので、これからは後輩の相談にもたくさん乗ろうと思っています。

娘は自分に似て“陽キャ”で物怖じしない性格「早く私を追い越してほしい(笑)」

――現在は、2歳になった娘さんの子育て真っ只中の弘中さんですが、どんなときに楽しさや幸せを感じていますか?

子どもって成長スピードが著しいので、それを間近で見ているとすごくおもしろいんですよ。今は、何かを「取ってきて」と頼んだら、ちゃんと持ってくるんです。少しずつ言葉も達者になってきて、「抱っこしてください」とか「ティッシュ取ってください」なんてことも言うんですよ。まさに“進化”という感じで、興味深く見守っています。

――たしかに、友人の子どもに数ヶ月ぶりに会ったとき、急激な成長に驚くことが多々あります。

私自身はもう、そんなに成長を実感する瞬間ってないんですよ。仕事も20代のころにがむしゃらに頑張ったおかげで、今は一人前になれているし。渾身の力を出さないといけない場面もなく、ただ素直に楽しく働いているという状況で。そういう環境をいただけていることがありがたい一方で、これ以上の“進化”はないだろうなとも思っていて。そんななかで、娘が唯一の希望なんです。性格は私に似て“陽キャ”っぽいし、物怖じもしないタイプみたいなので「早く私のことを追い越してくれ!」と、いつも思っています(笑)。

子どものいない友だちの“フットワークの軽さ”がうらやましくなることも

――逆に、仕事と育児の両立にストレスを感じたり、「出産前に戻りたい…!」と思ってしまったりすることはありますか?

もちろん、ありますよ! 出産前の私みたいに、フットワークの軽い生活をしている友だちを見ると、すごくうらやましくなりますね。週5で友だちと外食していたような人間なので、最初は夜に家にいること自体に違和感がありましたし。22時くらいに連絡が来ても、そのままパッと飲みに行ける…みたいな生活ができなくなったのが少し悲しいですね。今はもう慣れましたけど、17時に家に帰ってるなんて、出産前の私からは考えられないですよ。子どもが大きくなったら、いつかまたそういう生活に戻れるって信じてますけどね。

――そんななかで、育児のリフレッシュのために「これだけは譲れない」という習慣はありますか?

友だちと出かける時間は確保しておきたいです。みんなでワイワイするのが大好きなので。もちろん、出産前と比べたら回数は減ってしまいましたけど、夫とも連携して定期的に出かけられるようにしています。子どもがいる友だち同士なら、子連れで遊ぶこともありますが、20代のころからの飲み仲間とは、今でもカラオケで騒いだりしています。やっぱり本質的な部分は何も変わってないんですよね。

娘とは女同士の趣味を共有したい「アイドルの“推し活”を一緒にできたら」

――今後、成長していく娘さんとの関係性を、どんなふうに築いていきたいと思っていますか?

せっかくなので、一緒に楽しめる何かを見つけたいですよね。そういえば私も、小さいころに母が好きな歌手のコンサートに、よく連れて行ってもらっていました。同じ趣味があると、躾のうえで厳しくしないといけなかったり、お互いぶつかってしまったときも、元の関係に戻りやすいんじゃないか思うんです。だから、アイドルの“推し活”を娘と一緒にできたらいいなと思っています!

Information


『たぶん、ターニングポイント』(朝日新聞出版)
定価:1540円(税込)
テレビ朝日アナウンサーの弘中綾香さんが、初めての妊娠と出産を通して感じたことや学んだことを綴ったエッセイ。弘中さんらしい飾らない言葉で、等身大の思いが語られています。

衣装協力
chibi jewels JAPAN(chibi jewels) / ZUTTOHOLIC(STASH JEWELLERY) / yoaa(yoaa)

 

撮影/杉本大希 ヘア/KIYO IGARASHI メイク/齋藤佳野 スタイリング/髙野夏季 取材/近藤世菜 編集/越知恭子