「愛情はあるのに、子に関心が持てない」は疲弊のサイン。“母”を救うためのヒント

子どもの「考える力」は、親が先回りするほど育ちにくくなる。子育てコーチ・宝槻圭美さんが提唱する「余白を持つ子育て」は、忙しい親こそ今日から実践できる、シンプルで本質的なアプローチです。

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教えてくれたのは、宝槻圭美さん

国際基督教大学卒、英サセックス大学院修了。JICA、ユニセフ勤務を経て探究学舎取締役に。保護者向け子育て講座「HOUSE OF BLOOM」主宰。2男3女の母。

「余白を持つ子育て」で子どもの考える力を取り戻して

子どもの中には、その子だけの種があります。それが自然に花開く過程を信頼し、強制や抑圧ではなく、提案やお誘いという形で関わること。存在を全肯定しながら、行動については丁寧に対話を重ねること。それが、子どもの自己決定力と思考力を育てていく土台になります。

親が先回りすると、子どもはついていくのに必死になり、自分の内側で感じたり、考えを巡らせたり、行動を自身で選択したりする時間が奪われていくのです。感じ・考え・行動するサイクルを自ら回せる子どもに育てるために、親は意図的に待ち、余白を手渡してあげるのが大切です。

待つことが重要とはいえ、じっと黙って見守ることとも異なります。先にどんどん話すタイプの親ならば、伝えたいことを話した後「どんなふうに聞こえた?」と一言添えるだけで、子ども側の受け取り方を親に言葉で表す余白が生まれ、対話でお互いの信頼が高まります。多忙な日々の中でも、5分だけ全身全霊でわが子の話を聞いてほしいですね。家以外に場所を変えた非日常の空間も、子どもの心を開くのにおすすめです。

家事のアウトソーシングは推奨派です。外注でできた時間と心の余裕を子どもと向き合うことに使い、親子の関係性だけは外注しないと意識して。愛情はあるのに、子への関心が持てなくなっているなら、ご自分の心が感じることをやめている疲弊のサイン。まず自分自身を丁寧に扱うことから取り戻していきましょう。

撮影/加治屋圭斗 イラスト/Yuko Kawason 取材/羽生田由香 デザイン/秋穂佳野 ※情報は2026年5月号掲載時のものです。

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