【9/1防災の日】「いつもの持ち物」が避難グッズに!助産師ママのもしもの備え

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9月1日は防災の日。熊本地震や千葉、北陸の豪雨などの災害を受け、備えを見直しているママも多いのではないでしょうか。今回は自身も東日本大震災の被災者で1児のママでもある助産師で防災士の宗内優美香さんに、子ども連れの避難の際、あると便利な防災グッズについて教えてもらいました。

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【夏の防災用品】

普段使っている「ハンディファン」や
「虫よけスプレー」など入れておくと
熱中症やとびひ対策に有効です

「日本の夏は年々暑くなり、毎日が災害といってもいいほど酷暑日も増えました。阪神・淡路大震災や東日本大震災など、これまで大きな地震は寒い時期に起きることも多かったのですが、先の熊本地震や千葉、北陸の豪雨など、夏の災害にも十分注意が必要です。特に子どもは大人より体温が高く、抱っこ紐で過ごす月齢の場合は熱がこもりやすいと言われているため、一般的な水や食料、衣類などの防災グッズに加えて、熱中症対策が大切になってきます。そこでお勧めしたいのが『ハンディファン』『日傘』『汗拭きシート』です。これらのアイテムは普段から使っているママも多いと思いますが、避難時すぐに手に届く場所に置いておくほか、スペアとして防災リュックに詰めておくのがおすすめです。なかでもハンディファンは災害時の停電を考え、電池や電源が不要な手動ハンドル式のものがストレスなく使えると思います。ちなみにモバイルバッテリーをバッグに詰めている方もいるかもしれないのですが、ソーラー充電や手回し充電ができる『防災用ラジオライト』を持っておく、という選択肢もあります。こちらは充電式のハンディファンはもちろん、USBでつないでスマートフォンにも使用することができ、ラジオやライトとしても使える多機能アイテムです。一台で何役も使えて、手のひらサイズで持ち運びにも便利ですので、防災グッズのひとつとしてぜひご活用ください。

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また、夏場の避難生活、外で過ごすことが多くなると意外に見落としがちなのが虫刺されです。なかなか入浴できずかきむしってしまうと『とびひ』に移行してしまうこともあるので、侮れないトラブルと言えるでしょう。完全に予防するのは難しいですが、防災用品の中に『虫よけスプレー』『かゆみ止め薬』を準備しておくと安心です。

そして、夏に入浴できないのは大人でも気分が悪く、特に汗っかきな子どもには何かしらケアしてあげたいのが親心だと思います。暑い時期は『あせも』も気になりますよね。『おしりふき』を常備しているご家庭も多いと思いますが、お風呂に入れない避難生活ではおむつ替え以外にも全身を拭くのに使うことができます。看護の世界では『清拭(せいしき)』と呼ばれ、入浴できない方の清潔を保つための方法です。お子さんが少し大きくなっても手口拭きの代わりとして少しストックしておくと、もしものときのあせも予防に心強いと思います。私も日常で、4歳の子どもがお風呂に入る間もなく寝てしまいそうなときに実践しています」

【冬の防災用品】

冬は、防寒具を常に玄関近くに。
普段使うものこそ、
すぐ持ち出せるようにすることが
何よりの対策になります

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「私が茨城で経験した東日本大震災は3月で、まだ寒い時期。住んでいた家は揺れで物が散乱したりしましたが、何とか無事で自宅で過ごすことができました。ガスも通っていたのでご飯を炊いたり味噌汁を作ったりすることができたのですが、それでも『寒かったな』と記憶しているので、家で過ごせないことも考えるととにかく防寒は大切です。

リュックの中に準備しておくと心強いのは『カイロ』『保温シート』です。カイロは家族の人数×3日分ぐらい用意できると安心です。加えて、アルミ製の保温シートがあると暖かく過ごせると思います。そして何より、『特別なものを用意しなくても冬場はコートを自宅玄関近くに置いておく』など、防寒具をすぐ持ち出せるようにしておくことが何よりの対策になります。赤ちゃんなら『足先まで全身を包めるカバーオール』があると靴下や靴を履けなかったとしても避難できるのでいいと思います。災害時はとにかく混乱しますし、防寒具はリュックに詰めておくとかさばり、いざというときに持ち出すことができないかもしれません。お子さんがいればなおさら普段通りにいかないことも多いでしょう。だからこそ、日常から準備していつでも防寒具を持ち出せるようにしておくことが大切です」

【赤ちゃんのための防災用品】

液体ミルクやレトルトの離乳食は
ローリングストックに。
避難所にすべてあるとは限りません

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「季節問わず気にかけたいのは、赤ちゃん特有の防災用品です。私は避難所運営マニュアルにおける妊産婦乳幼児への支援を大学の卒業論文のテーマにしたのですが、実は研究当時の2015年、母子に特化した記述はどの自治体も薄く、阪神・淡路大震災が起こった神戸ですら粉ミルクや授乳スペースに関する記載は十分ではありませんでした。このあと改善が見られたことを祈るばかりですが、私たち自身も日々、もしもに備えて自分たちで備えておく必要があると思います。

そのまま飲める『液体ミルク』『レトルトの離乳食』を普段から使っているママも多いと思いますが、少し多めに買い、ローリングストックするのも備えのひとつ。賞味期限が近くなったら使い、新しいものを補充していけば常に一定量の備えがある状態を保てます。また、アレルギーがある場合は『アレルギー対応の食事』も準備しておくと、配給の中に食べられないものがあったとしても安心です。また、『母子手帳のコピー』については予防接種・特記事項のあるページがあると、もしものときに医療従事者に見せることができ、急病時の大切な情報になります。赤ちゃんだけでなく妊婦さんも、ママと赤ちゃんの健康のためあらかじめ防災バッグの中にコピーして入れておくといいですね」

危険が迫ったときは命を優先に 身ひとつで逃げてほしい。 また、家族で集合する場所の再確認を

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「災害が起きたら避難所に逃げれば安心と思われるかもしれませんが、受け入れ体制や水や食料の備蓄も、地域の全住民をカバーできるわけではありません。そして、災害が起きたとき、家族全員が同じ場所にいるとも限りません。もしものときはどこに集合するのか、第1集合場所、第2集合場所と複数を順番も決めて、これを機に話し合ってみることをおすすめします。今回は防災用品についてお話ししてきましたが、津波などの危険が迫り、すぐにでも逃げないといけないというときは大きな防災バッグが足手まといになることもあります。もしかしたら緊急時はご自身やご家族の命を第一に身ひとつで逃げることもあるかもしれません。ご自身の地域ではどのような災害が起こりやすいか、防災マップを確認して頭に入れておきましょう。もしもに備え、家族のためにどんな対策ができるのか、防災の日をきっかけに考えてみていただければと思います」

Profile

教えてくれたのは…   宗内優美香さん(With Midwife)

助産師、防災士。高校生のときに東日本大震災で被災。当時避難所で出会った千葉大学看護学部の教員の活動に影響を受け、看護の道を志す。衝撃的な避難所での経験から、大学の卒業論文には「避難所運営マニュアルに記載されている妊産婦・乳幼児への支援の分析」を選択。助産師への災害時母子支援の学びを提供するため、2024年には防災士の資格も取得。プライベートでは4歳の男の子を育てるママ。

取材・文/石川仁美 イラスト/Ryosuke.Nagatomo
※掲載のイラストは、VERY2024年6月号「その防災グッズ、まだ使えますか?」、2025年2月号「もしも子どもと一緒の時に地震にあったら」のものです。

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