香取慎吾さん「俳優人生のターニングポイントかも」。『虚ろな十字架』は今まででいちばん辛い現場!?
WOWOWにて毎週(日)午後10時より放送・配信中(第1話~WOWOWオンデマンドで配信中)の香取慎吾さん主演のドラマ、連続ドラマW 東野圭吾「虚ろな十字架」(全4話)。小説家・東野圭吾さんの最大の問題作と言われ、死刑制度から見えてくる“贖罪”をテーマにした重厚な作品に、香取慎吾さんが“被害者”として体当たりで挑んでいます。「もしかしたら、僕の俳優としてのターニングポイントになる作品かもしれません」と語るほどの熱演はまさに必見!今回美STオンラインでは、話題ドラマ「虚ろな十字架」に主演する香取慎吾さんに取材を敢行!撮影時のエピソードや見どころまで、たっぷりとお伺いしました!
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Profile
香取慎吾/かとりしんご 1月31日生まれ。神奈川県出身。1991年CDデビュー以降、国民的な人気を誇るアイドルであり、俳優であり、タレント。近年はアート作品も多数発表し、多彩な才能で常に新たなファンを獲得し続けている。俳優としては「西遊記」(’06)の孫悟空、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(’09)の両津勘吉と人気のキャラクターに扮する。映画では「ジュブナイル」(’00)、「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」(’04)、「座頭市 THE LAST」(’10)など。三谷幸喜作の舞台にも多数出演している。9月6日より放送中の「連続ドラマW 東野圭吾『虚ろな十字架』」(WOWOW)にて主演の中原道正を演じる。2027年1月8日には主演映画「高校生家族」が公開予定。
今までで一番辛い現場に!でも「新しい地図」のファンミーティングのおかげで撮影期間を乗り切ることができました
普段はどんな重い作品や役柄に携わっていても、それをプライベートの生活にまで引き摺ることって全くないんです。ですが今回は取り扱うテーマが非常に難しくて、僕が演じる中原を取り巻く状況は困難の極み。一筋縄では到底いかない撮影現場であり期間でした。現場入りした時は、僕を求めてくださったスタッフさん達や瀬々監督の気持ちに応えたい一心でしたね。僕は撮影が始まって少し遅れてから現場入りしたのですが、初日に海辺で奥さんと子供と遊ぶシーンを撮ったんですよ。海や空を見て、「こんな穏やかな時間久しぶりだなぁ」とスタッフさんが仰ったかと思えば、「それも今日で最後ですね」と。僕が入る前はそんなに大変だったのかなぁ、と呑気にしていたら、本当にあれが最後の笑顔で(笑)。あとは怒涛の撮影の日々でした。これまでも大変な現場はありましたし、ファンタジーだって経験してきましたが、本当に今まで経験したことのない世界観で、振り返ってみれば一番辛い現場でしたね。「僕で大丈夫かな?引き受けて良かったのかな?」と考えこむほど、いつもの僕では立ち向かえない作品だったのだと思います。
そんな撮影を乗り切ることができたのは、たまたま同じ時期に「新しい地図」のファンミーティングの企画進行をしていたのが何より大きかったですね。全国を回るファンミーティングで、演出も構成も全部自分達(稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さん)で考えていましたから。ドラマで裁判所のシーンを撮影しながら隙間でオンラインの打ち合わせをする、なんてこともありました。色んなことが重なっていて忙しい期間ではあったのですが、全然違うことをすることで気持ちにメリハリがついて、一つのことに煮詰まり過ぎずに済んだのかもしれませんね。
子供の頃から知っている鈴木杏ちゃんとの夫婦役は、むしろやりやすかった!
僕が演じる中原の妻・小夜子は、鈴木杏ちゃんが演じています。杏ちゃんと映像作品で共演するのは2000年の映画「ジュブナイル」以来なので、約26年ぶりですね。作中では中原と小夜子は、11年前に起こったある衝撃的な事件を機に関係性が一変し、離婚します。以来2人は一度も顔を合わせていませんでしたが、ある日小夜子が路上で身勝手な犯人に殺されたことで、変わり果てた姿となって再会を果たして……、という筋なのですが、その空白の期間がある関係性を表現する上で、杏ちゃんと僕の空白の期間がリンクして、とても演じやすかったんです。子供だと思っていたのに、急に大人になって目の前に現れた、みたいな(笑)。お互いに愛し合ってわかり合っている夫婦だと思っていたけれど、それでも知らない部分がある。それはこの作品の大事な部分でもあるので、今回の役の関係にピッタリだと思いましたね。
今回の中原という役に巡り合い、高倉健さんの言葉を思い出したんです
随分前に、俳優の高倉健さんとお会いする機会があったんです。光栄なことに僕のことをよくご存知でいてくださって、「『西遊記』の孫悟空とか、『こち亀』の両津勘吉とか、面白い役をやっているよね。役をやり続けていく内に、『ああ、この役が来たか!』と巡り合えることがあるから、続けることが大事だよ」と仰っていただいたことがあるんです。20代、30代と本当に沢山の役を演じてきて、現時点での集大成として中原という役に巡り合えた気がします。その意味で、僕にとってはターニングポイントとも言える役ですね。僕、この作品の撮影で一度もポケットに手を突っ込んでいないんですよ。普段は役の細かい所作やディティールを意識して演じることはあまりないのですが、「中原なら」と、今回は現場入りをしてかなり早い段階から意識が刺激されていたんです。
ひどい事件は起きないに越したことはないけれど、たとえ起こってしまったとしても、人は生きていかないといけない
原作者である東野圭吾さんがお亡くなりになったことは、街を歩いている際にスマホのニュースで知りました。思わず足を止めて天を仰ぎましたね。東野さんご本人とはお会いできていないのですが、この作品を生み出した方ですし、しっかり認めていただくために東野さんを想いながら作品に挑んでいたので、「いなくなってしまわれたんだ」と、頭の中が真っ白になりました。
本当に生きていると、にわかに信じ難いことが起こるものです。今回の作品や役を通じて、特別死刑制度や裁判に詳しくなった訳ではありませんが、中原という役を生きたからこそ知ることができたこともあります。痛ましい出来事のニュースを見て、さらにその先にある怒りや悲しみなどについて、今までとは違う感じで受け止めるようにもなりました。ひどい事件は起きないに越したことはないけれど、たとえ起こってしまったとしても、人は生きていかないといけない。そんな気持ちを新たにもしました。瀬々監督も仰っていましたが、ひどい事件に巻き込まれながらも、どんなに苦しくてもがいていたとしても、ふとした夫婦の会話だったり、わずかでもホッとできる瞬間を見逃さずに描きたいな、と。そういうふとした瞬間こそ、生きる上での光になりうるのかもしれませんね。そうそう、クランクインする前、瀬々監督が僕の出演していたミュージカルを観に来てくださったんですよ。「新宿発8時15分」という、三谷幸喜さんの作・演出だったのですが、三谷さんらしい笑いのテイスト全開の作品で。終演後瀬々監督にお会いした時に、「参考になりました」と言われて(笑)。「虚ろな十字架」とは大分世界観が違うので、何が参考になったのか未だにわからないので、僕も一視聴者として楽しみつつ、チェックしたいと思っています。
連続ドラマW 東野圭吾「虚ろな十字架」 (全4話)
東野圭吾×WOWOWドラマ、記念すべき第10弾。東野圭吾による社会派サスペンスを、香取慎吾を主演に迎えて、日本映画界の巨匠・瀬々敬久監督により初映像化!
■番組概要
連続ドラマW 東野圭吾「虚ろな十字架」
放送・配信:毎週(日)午後10時よりWOWOWプライム・WOWOWオンデマンドで放送・配信中(全4話 ※第1話~WOWOWオンデマンドでアーカイブ配信あり)。
第1話無料放送【WOWOWプライム】 第1話無料配信【WOWOWオンデマンド】
出演:香取慎吾 赤楚衛二 蓮佛美沙子 宇崎竜童 ピエール瀧 / 鈴木杏 ほか
原作:東野圭吾『虚ろな十字架』(光文社文庫刊)
監督:瀬々敬久 脚本:杉原憲明 音楽:安川午朗
企画・プロデュース:松本太一 下田淳行 プロデューサー:熊谷悠
アソシエイトプロデューサー:樋浦悠真
制作プロダクション:ツインズジャパン
製作著作:WOWOW
WOWOWオリジナルドラマ公式Xアカウント:@drama_wowow
WOWOW公式Instagramアカウント:@wowowofficial
【第1話 期間限定公開】連続ドラマW 東野圭吾「虚ろな十字架」
撮影/佐藤容平 ヘア・メイク/石崎達也 スタイリスト/黒澤彰乃(rises) 取材/キッカワ皆樹 編集/佐藤拓真
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