映画館の4DX上映って何?【映画ライターの体験レポート】

映画館入り口

4DX、IMAX、ドルビーシネマなど、映画鑑賞料金にプラスして特別料金を払うスクリーンがある映画館、増えましたよね。Martの読者さんやライター仲間からも「それってどんなもの?」「子どもと一緒に行って大丈夫?」などと聞かれる機会が多く、今回改めて体験して記事にすることにしました。この記事では「4DX」について紹介します。

目次

  • 4DXとは?
  • 実際に体験してみてどうだった?
  • 食べ物の持ち込みや身長制限など気になるポイントを解説
  • 4DXで観るのが向いている映画は?
  • 4DXが観られる映画館

4DXとは?

4DX映画館のいす

4DXとは、五感を刺激する体験型の映画上映システムのこと。今回4DXスクリーンを体験したグランドシネマサンシャイン 池袋の場合は、前後左右や上下に動く「モーションシート」に加え、「フラッシュ(光)」「香り」「風」「雨」「煙」「エアー」「ミスト」「嵐」「熱風」といった特殊効果が映画のシーンに合わせて作動することで、映画を”観る”のを超えて、アミューズメントパークのアトラクションを”体験”しているような感覚になれます。

※4DXの効果は作品や劇場の仕様によって異なります。「バブル」や「雪」の効果がある作品や劇場もあります。

実際に体験してみてどうだった?

4DXスクリーン

正面と左右、270℃の視界がスクリーンの「4DX SCREEN」

グランドシネマサンシャイン 池袋。こちらでは通常の4DXに加え、両サイドの壁にも映像が映し出される視野270度の3面マルチプロジェクション「ScreenX」が融合した「4DX SCREEN」シアターを導入しているので、よりダイナミックな映画体験ができました。

ちなみにこの「4DX SCREEN」を導入しているのはグランドシネマサンシャイン 池袋(東京)のほか、シネマサンシャインららぽーと沼津(静岡)、109シネマズグランベリーパーク(東京・町田)、アースシネマズ姫路(兵庫)の4カ所です。(2023年8月現在)

【座席の特徴】

前後左右や上下に動き、背中や座面からも刺激を感じる「モーションシート」座席背面には、風やミストが出る穴が開いていました。ミストはオンオフボタンがあり、顔にかかりたくない!という方にも対応。フットレストの前にはチューブがあり、足元に何かぶつかるような刺激を与えます。

【どんなシーンで何の効果があった?】

実際に鑑賞したのは『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』。上映中に感じたエフェクトを紹介します。

  • 潜水艦にミサイルがぶつかった時の衝撃が座面からドーンとくる。
  • 砂漠のシーンでは前方から煙が出て砂埃と同化し、砂の香りも。
  • マシンガンの銃撃戦では背中にドドドドドという衝撃。
  • 速足で人とすれ違うと風を感じる。
  • カーアクション、バイクアクションシーンではかなり揺れを感じ、カーブを曲がる場面では座面が傾き重力がかかる。
  • 鍋に入ったスープがこぼれるシーンではミストがかかる。

観ながらメモができる状態じゃないのでこれで全部ではないですが……アクションシーンでは特に座席から様々な衝撃を感じながら画面を追うことになります。

トム・クルーズがバイクごと崖から落ちるあのシーンではシートが下向きに傾き、ふわっと崖の下をのぞくような感覚に。落ちていく場面では強風が送られ、パラグライダーが開く瞬間にはガクッと衝撃を感じました。

もちろん、会話中心のシーンや静かなシーンでむやみやたらに座席が動くことはないので、メリハリはしっかりついています。

食べ物の持ち込みや身長制限など気になるポイントを解説

【荷物や食べ物について】

入り口にロッカーがあり、貴重品などを預けることができます。劇場で買った冷たいドリンク(ふた付き)や食べ物は持ち込めました。

荷物は、入り口に小さいロッカーがあり、壊れやすいものなどは預けることができます。グランドシネマサンシャイン 池袋では、通常の手荷物は膝の上や足元に置くことができました。

上映開始以降NGなのが、ホットドリンク、アルコール、アイスクリームですが、冷たいドリンクとポップコーンなどのフード類は本編中でも飲食可能でした。ただ、飛び散る可能性を考えて、私の場合は予告編上映中にポップコーンを1/3くらいは食べて減らしておきました。

※劇場によって条件が異なる場合があります。

【身長制限】

ジェットコースターなどのアトラクションと同じで、身長制限があります。身長100cm未満の子ども、妊婦さんは利用できません。身長120cm未満の子どもは、保護者同伴での鑑賞となります。

※身長制限以外にも鑑賞いただけない条件がありますので、詳しくは各劇場へお問い合わせください。

【料金】

劇場によりますが、通常の映画鑑賞料金に+1,000〜1,200円の追加料金を支払って体験します。今回体験した3面マルチスクリーンの「4DX SCREEN」はもう少し価格が上がり、+1,400〜1,600円です。

大人(一般)の映画鑑賞料金が1,800~2,000円ということを考えるとトータル2,800~3,600円くらいになりますが、テーマパークのアトラクションに2時間ちょっと乗りっぱなしで楽しめると思うと妥当な料金ではないでしょうか。鑑賞料金が安くなるサービスデイがねらい目です。

4DXで観るのが向いている映画は?

4DX映画館全体

今回観た「ミッション:インポッシブル」シリーズのようなスリリングな展開のスパイ映画、アクション映画、冒険ものは最もおすすめです。

電車、飛行機、潜水艦、車、バイク、そして馬などに乗るような作品も、自分が乗っているような臨場感を味わえると思います。乗馬シーンが多い「キングダム」シリーズや、車とロボットの要素を兼ね備えた「トランスフォーマー」シリーズなど。

また、アトラクション要素のあるアニメ映画も4DX上映だとより楽しめます。今年ですと『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』などは親子連れに大人気でした。劇場版の『鬼滅の刃』や『名探偵コナン』も4DX上映されていました。

そして同じ映画のリピート鑑賞者が多いのも、4DX上映の特徴。一度目は通常上映でストーリーを単純に楽しみ、次は物語を振り返りながらアトラクションとして楽しむ、という方が増えています。

4DXが観られる映画館

4DX前の座席の空気が飛び出すところ

現在4DXスクリーンは、北海道から沖縄まで64カ所の映画館で導入されています。(2023年8月時点)

主な導入映画館はシネマサンシャイン系列、109シネマズ系列、イオンシネマ系列、ユナイテッドシネマ系列、コロナシネマワールド系列、USシネマ系列など。

ちなみに4DXは韓国のCJ 4DPLEX社が開発したシステムですが、似たような体験型上映システムに「MX4D」というのがあります。こちらはアメリカが開発したもので、TOHOシネマズ系列を中心に全国15カ所で導入されています。

以上、4DXについて詳しく紹介しました。4DX未体験の方、次の映画を4DXで観るか迷っている方の参考になったら嬉しいです。

<今回体験した映画館はこちら>

シネマサンシャイン池袋外観

グランドシネマサンシャイン 池袋

取材・撮影・文/富田夏子 一部写真提供・取材協力/グランドシネマサンシャイン 池袋