「レスなのは太っているから?」46歳が必死の18kgダイエットをした結果【セックスレス AND THE CITY -女たちの告白-】
日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。46歳の亜美さん(仮名)も例に漏れずレス歴10年です。1人娘を出産してから20キロ太った亜美さん。「痩せれば変わるんじゃない?」という友人の言葉で一念発起。ピラティスと糖質制限で18キロ痩せましたが、夫の勇人さん(仮名:47歳)からは予想外の反応が……。
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■ミュージシャンとの不倫で20代を無駄にする

亜美さんは、音楽・映像関連のエンターテインメント企業に短大卒業後入社。現在まで勤続26年です。
夫の勇人さんとは、30代前半のころ、上司が開催してくれた合コンで出会ったそう。勇人さんは、亜美さんの会社の系列会社のWebディレクター。彼のおっとりとした性格や、友達の多いほがらかさに惹かれて、友達から恋人へ、婚約者から夫へと、すんなりステップアップしました。
「彼と私の給与は同じくらい。夫婦ともに高収入とはいえませんが、お金に困っているわけでもないので、まぁこんなもんか、と。私は20代のころ、ズルズルと不倫もどきにハマって婚期を逃してしまっていたので、結婚できただけでもよかったと思うようにしています」。
亜美さんは「不倫もどき」という表現を使いましたが、正確には「内縁の妻がいるミュージシャン」との腐れ縁が長く続いたそう。
「彼には、一緒に住んでいる未入籍の妻と子供がいたんです。そのことに気がついたのは交際1年目の26歳のとき。バツイチの妹と姪が転がりこんできて一緒に住んでいると聞いていたのですが、まさか内縁の妻と実の娘だとは。でも『彼女が家を見つける経済力を身につけたら別れる約束だから』と言われて。そのまま5年を無駄にしました」。
■産後、お酒で48キロから68キロに
30歳を過ぎてからようやく焦り始め、内縁の妻との同棲をズルズルと続けるミュージシャンに別れを告げて婚活を。そうして出会えたのが勇人さんでした。結婚して37歳で出産するまでは順調でしたが、産後は乳腺炎や貧血などトラブルがあったそうです。
「産後に性交渉を拒否していたのはむしろ私のほう。『2人目は考えている?』と言われてキスされたり迫られたりしたときに、邪険にしたことが数回あります。でもそのころは睡眠不足だし乳腺炎にもなるしで、私は私で必死。夫もそこまで執着はなかったのか、いつのまにか独身時代の趣味のテニスを再開したりと自分のペースで暮らし始めて、誘ってこなくなりました」。

その頃は、体重はまだ5キロ増くらいだったといいます。
「太ったのは娘が乳離れをしてお酒を解禁したころ。妊娠出産で飲めなかったビールが美味しくて美味しくて。産休後の会社のストレスや子育ての疲れも相まって、デパ地下でおつまみを買って飲みまくっていました。気がついたら163センチ48キロが、68キロにまでなっていたんです」。
数年前、家族で新婚旅行以来のハワイに行った際に水着姿の自分の写真が「おばさんそのもの」だったことにショックを受けたとか。
「夫は『100キロとかなら注意するけど70キロ以下なら健康的でいいんじゃん? 俺も70キロだし』と気にしないようでしたが、175センチ70キロとは訳が違うので……。それに、新婚旅行と同じホテルで、娘が隣の部屋で寝入って2人きりになっても何もないというのも少し凹みました」。
■ピラティススタジオでダイエット
亜美さんには中学校時代からの仲である玲子さん(仮名:47歳)という親友がいるそう。
「あるときヘアサロンでセックスレス特集を見て『40代でセックスレスっておかしいのかな?』と不安になったんです。玲子に相談したら『おかしくはないけど、うちはレスではないね。なんだかんだで忙しくなければ週1はあるよ。お酒を飲んだらそんな感じにならない?』と言われショックを受けました。我が家はお酒を飲んだら飲むだけです。玲子はピラティスが趣味でスタイルがいいので、『やっぱり体型がいけないんだ』と思ってしまって。『ピラティススタジオを紹介して』と彼女にお願いして、その週のうちに入会しました」。
玲子さんにダイエットスープの作り方も教えてもらい、早速ダイエットを始めた亜美さん。
「スープは、コンソメと塩とトマト缶と旬の野菜を煮るだけの簡単なものです。もともと短大時代はラクロス部で練習に励んだ体育会系なのでストイックになろうと思えばなれるタイプ。糖質制限をしながら、半年で18キロのダイエットに成功しました」。

■せっかく痩せたのに、夫からの反応はまさかの…
スリムになった亜美さんは、早速、娘の塾の夏合宿にあわせて、夫を軽井沢旅行に誘ったそうです。
「軽井沢の大人でシックな雰囲気の中で部屋風呂に入って、夫婦でしっぽり……のつもりだったんですが、夫は美味しいご飯とお風呂とお酒に満足したみたいで、早々に寝てしまいました。部屋風呂に一緒に入ったときは『うわ、痩せたね』と言ってはいたんですが。寝ているとき、後ろからハグしたり絡んでみたりしたんですけど『ねぇ、ちょっとふざけないで。暑いよ』とはがされて、ダイエットの意味のなさに意気消沈しました」。

さらに翌日、2人で散歩をしているときに、言いにくそうにある話を切り出されました。
「『思い切って言うけど……』と言うので何かと思ったら『がん検診、行ってる? 怖がらせたくないんだけど、最近すごく痩せたじゃん。うちのばあちゃんが胃がんだった時、そんな感じの細い首になったんだよ。安心を買うと思って検診行ってくれないかな?』と言われたんです。『がん検診なら毎年行ってるよ。ダイエットをしていたの、気が付かなかったの?』と言い返しました。『よかった、怖かった…』と泣きそうな顔をされて愛は感じましたが、恋愛の愛じゃないですね」
その日のうちに亜美さんはネックケアクリームを購入し、デコルテマッサージを予約したそう。
「すっぴんを見ている家族としては理由のわからない18キロ痩せは不気味だったようですが、化粧をして会う相手は別みたいですね。高校の同窓会の後に元彼に『今度ランチでも行かない?』と誘われました。断りましたけどね」。
肝心の家庭内では健康の心配をされ、外では無駄モテをしてしまった亜美さんですが、体調はいいので今後もピラティスと糖質制限は続けると話しています。
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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