滝川クリステルさん(47)息子の読み聞かせは夫担当「遅い時間でもパパの帰りを待っています」

光文社から発売された絵本『本当の赤ずきんー子どもは読んではいけません』は、赤ずきんとオオカミ、それぞれの視点から同時並行で話が展開する新感覚絵本です。翻訳したのは、これが初めての絵本翻訳となった滝川クリステルさん。ご自身も2児の母であり、ご自宅には何百冊と絵本があるそう。ご家庭での読み聞かせの話や、ご自身が現在取り組まれている活動についてのお話をお聞きしました。

(第1回/全2回)

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息子への毎晩の読み聞かせは、夫の担当です

STORY編集部(以下同)――お子さんが生まれてからご自宅は絵本だらけという滝川さん。絵本の読み聞かせはよくなさっていますか?

子どもが産まれてから、絵本に対しての興味関心が急激に高まって、いま我が家は絵本だらけなんです。家には何百冊と絵本があって、息子が小さい頃から、様々な本を寝る前に読み聞かせしています。

息子への読み聞かせは、主に夫が担当なんです。息子が読みたい本を選んで持ってくることもあるし、夫が読ませたい本を買ってくることもあります。夫は普段とても忙しいですが、どんなに疲れていても、息子への読み聞かせは絶対にすると決めているみたいで、夫にとっても特別な時間ですね。パパと話せる時間は読み聞かせの時だけ、という日もありますから、遅い時間でもパパの帰宅を待っていたりしますね。読み聞かせが父子の大切なコミュニケーションになっています。家には日本語と英語とフランス語の絵本があって、フランス語の本が読みたくなると私が呼ばれますが、それ以外は「パパ読んで」ってご指名なんです。

絵本ってそれこそお父さんに読んでもらった方がいいんですって。その方が、子どもの多様な力が向上するというデータが出ているんです。学力向上にも繋がるそうですし、想像力もついて、色々な感情を読み取る力がつくなど、本当にいいことだらけなんですよ。なので、私は彼らの環境を整えるために、本棚を組み立てる役目ですね(笑)。先日、ネットで300冊収納できる回転式の本棚を注文して、自分1人でドリルを使って組み立てました。我が家では私がDIY担当です。

子育ての役割分担とかは特に意識はしていないのですが、夫は忙しい中でも、手が空いていたら子どもをお風呂にいれたり歯磨きもやってくれます。もともと子どもが大好きな人なので、私が掃除とか家事をやったりしている間に、子どものことを率先してやってくれるっていう感じです。

リアルな世界はハッピーエンドばかりじゃない。絵本を通じて周りに潜む危険について子どもたちに伝えられたら

――今回、初めての絵本翻訳に挑戦された滝川さん。翻訳に込めた想いをお聞かせ下さい

今回翻訳した「本当の赤ずきん」は、とにかく絵が強烈でインパクトがあるので、怖い話なんだろうな、というのは分かるじゃないですか。なので、言葉遣いが強すぎてもいけないと思い、そこは加減しました。狼の語尾に敢えて「〜だぜ」とかつけて、お父さんやお母さんの読み聞かせの時の言い方次第では、ちょっとマイルドに、可愛らしく聞こえるように少し丸くしたんです。あとは「なんて大きい歯なの!おいしいものをたくさん食べられそうね」といったセリフは、グリム童話の方にあるフレーズをなんとなく思い出して使ってみたり。読んだ人が「なんかこのセリフ聞いたことがあるな」って回顧できるかな、とか、文字数が少なく表現が限られている中で、自分なりに脚色して工夫しました。あまり怖く見せすぎず、でもメッセージはきちんと伝えたいという想いを込めて。

赤ずきんは無邪気で素直で、最後の方まで何もわかっていなくて、狼に「またすぐ会えるといいね」とか言っちゃうんですよ。大人(親)からしたら「もうだめだ、危険だっていうことを全然分かってないよね」っていうのがリアルで、子どもの純粋さを表していますよね。この絵本の結末としては、赤ずきんが最後食べられてしまったのかどうかはわからなくて、どちらにでも解釈できるんですが、赤ずきんの作品として最も古いものとされている、フランスで出版されたぺロー童話集では、本当に救いがない結末なんです。

危険なことについてどう教えるかと考えた時に、実際にあった怖い映像などを見せて「こういう事にならないように気をつけよう」と伝える方法もあるかもしれませんが、ショッキングなものを敢えて見せることでトラウマになってしまうのも心配ですし、難しいところですよね。でも親が伝えることを先延ばしにしてしまったら、本当の怖いことや、周りに潜んでいる危険なことを、いつ、どうやって教えるんだろうって。だから、1つのきっかけとして、絵本を絶対利用した方がいいと思うんです。ハッピーエンドのお話ばかりじゃなくて「実際の世の中はこんなハッピーエンドばかりじゃないんだよ」っていうリアルな話を、絵本を通して伝えることが最初のステップになればいいなと。そ

情報化社会の現代において、もう親の目が見えない、手が届かないところで、様々な事を子どもだけで知り得る社会になってしまっています。そこはもう歯止めがきかないと思っているので、親が危険なことについてしっかり伝えることが大事だと思います。私もこの絵本のお話をいただく前に、ちょうど息子に「知らない人には絶対についていかない」ということをしっかりと伝えたところだったんです。大体 4・5歳ぐらいから注意喚起する必要があると思っていて、ちょうど良いタイミングでこのお話があったので、この絵本でも伝えられるかなと思いました。

子どもと犬が触れ合うことでお互いがハッピーになれる読書犬の活動を啓発していきたいです

――今、力を入れている活動(一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル)について教えてください

子どもたちが本を読むときに、その横に寄り添って、聞き役となってくれる犬のことを読書犬と言うのですが、その読書犬をサポートする活動をしています。人前で読むことが苦手な子や、自分の内心を上手く表現できない子、人前だと読み間違いを指摘されちゃうんじゃないかと弱気になってしまうお子さんが結構いるんですよ。でも、ワンちゃん相手だと何か言われることもないし、全部受け入れてくれる。ワンちゃんに本を読むことで、子どもは自己肯定感が高まって幸せな気持ちになれるんです。ワンちゃんはワンちゃんで、本を読んでもらっていることが心地よくて寝ちゃう子もいますよ。ワンちゃんの目を見ながら、時には撫でたり触れたりしていると、ワンちゃんからオキシトシンっていう幸せホルモンが出るんです。赤ちゃんと母親が触れ合っている時に出ると言われているオキシトシンと同じものが、動物のなかで、特に犬が多いんです。

読書犬の活動を通して、子どもにとって動物が身近な存在になり、思いやりの気持ちが育まれるといいなと思い、今後も図書館などで活動していこうと思っています。

あとは、動物愛護管理法の改正に向けて署名活動に力を入れています。今の法律だと、飼い主に虐待されている動物が一時的に保護されたとしても、所有権は飼い主にあるので、もし彼らが有罪になったとしても「返して欲しい」と言われたら飼い主の元に返さざるを得ないんです。それをやめさせよう、法律を変えよう、っていう署名活動をしています。私自身、小さい頃から動物がたくさん身近にいたので動物を大切にするという感覚が普通で。人間がもっともっと色んな動物たちに配慮していけるよう、ペットや家畜の「アニマルウェルフェア」をもっと啓発していきたいです。

撮影古/水良 ヘア・メイク/野田智子 衣装/ご本人私物(CELFORD) 取材/渡辺景子

本当の赤ずきん――こどもは読んではいけません

著:フィリップ・ジャルベール 訳:滝川クリステル
光文社 1,980円(税込) 

滝川クリステルさんprofile

1977年、フランス生まれ。青山学院大学文学部仏文学科卒。J-WAVE「SAÚDE! SAUDADE…」のパーソナリティーを務めるなど、メディアで幅広く活躍。「地球いきもの応援団」、「WWF(世界自然保護基金)ジャパン」顧問なども務める他、2014年には「一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル」を設立し、動物保護や生物多様性保全にも尽力。2019年に現・農林水産大臣である小泉進次郎氏と結婚・妊娠を発表。2020年に長男を、2023年に長女を出産。

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