俳優・中村ゆりさん (44歳)「理想のパートナーは、”ヨレヨレのTシャツ姿を見せられる人”(笑)」自然体の恋愛観とは?
画面の中や舞台に現れると、その場を澄んだ空気で満たしてしまう俳優・中村ゆりさん。儚げな美しさと凛とした強さを併せ持ち、確かな演技力と唯一無二の存在感で作品を彩ってきました。そんな中村さんに、これまでの俳優としての歩みや40代を迎えてからの心境の変化、そして暮らしの中で大切にしていることまで、ご自身の“今”を等身大の言葉で語っていただきました。
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素直に学び、補い続けてきたから今がある
長く続けることが難しいと言われるこの業界で、ここまでやってこられたのは、「素敵だな」と思う人のいいところを素直に取り入れてきたことが大きいかもしれません。監督の考え方や先輩俳優のお芝居や現場での立ち振る舞いを見ていると、”活躍している理由”がわかる瞬間があるんです。そういう部分は、自分でも積極的に真似するようにしてきました。
もちろん、何でもかんでも取り入れるわけではなく、自分の中で腑に落ちたことだけ。シビアに判断をする“尖った部分”もちゃんと残しています(笑)。
私はもともと、自分の意見を強く主張して周囲を引っ張っていくタイプではありません。だからその分、人のいいところを吸収しようという意識を持てたのかも。憧れの俳優さんがいれば、「どうやってあの作品に出会ったんだろう」と、そのキャリアの変遷まで研究することもあります。
以前、お仕事関係の方に「あなたは天才肌じゃないから、努力していないとダメなんだよ」と言われたことがありました。当時は悔しかったけれど、瞬発力でやり切るタイプではないという自覚もあったので、自分に足りない部分を分析して補うことを続けてきたんです。悔しさを糧に積み重ねてきたことが、今の自分の土台になっていると思いますね。
30代で美容に開眼!美容はセルフケアとコスパが命(笑)
美容に関しても、振り返ると“出会い”が大きかったと思います。若い頃は社会派の映画作品に出演することが多く、監督たちから「きれいにしなくていい」と言われる環境にいたので、「いつでもすっぴんでやります!」というスタンス(笑)。もともと美容に熱心なタイプでもなく、ケアも最低限という感じでした。
転機になったのは30代。美容誌のお仕事に声をかけていただくようになり、編集者さんから「ちゃんとケアしたら、もっときれいになるから!」と熱弁されて(笑)。美容のプロの方々と接するうちに、手をかけた分だけ肌が応えてくれることを実感。スキンケアも一から勉強するようになりました。
美容って、その人のセンスや価値観も表れますよね。ツヤツヤ、ピカピカな肌も素敵ですけど、私は目尻にシワがあるような、年齢を重ねたからこその柔らかさも魅力だと思っています。だから必要以上に美容医療に頼るのではなく、ナチュラルに歳を重ねていきたいんです。
その代わり、日々のセルフケアは怠らないのがモットー!休みの日に温泉で汗を流したり、少し贅沢なパックをしながら美顔器を使ったり。美顔器は高価ですけど、エステに10回通うことを考えれば、十分モトが取れるし先行投資かなって。関西人なので、コスパは命です(笑)。
美容は特別なことではなく、毎日の積み重ね。心と美容は直結しているから、無理のない範囲で自分らしく楽しんでいきたいですね。
ヨレヨレのTシャツ姿を見せられる人が理想です(笑)
理想のパートナー像は、”自分を繕わず、自然体でいられる人”。恋人であっても、友達のような関係でいたいです。もちろん親友同士だって腹が立つことはあるし、一緒にいる以上は我慢や歩み寄りが必要な場面もありますよね。”100%理想通りの人”なんていないから、お互いに許容し合えることが大切。相手に寄りかかることなく、それぞれが自分の人生を生きながら支え合える、そんな関係が心地良いと思います。
私は俳優という仕事柄、きちんとしているイメージを持たれがちなのですが、家では本当にラフ。愛用しすぎてヨレヨレになっているTシャツじゃないと安心して眠れないタイプで、シルクのパジャマよりその方が落ち着くんです(笑)。
そんな自分を隠さなくてもいい、ゆるゆると過ごせる相手がいいですね。結婚に対しても、前向きな気持ちはありますよ。私自身、仕事柄ちょっと変わっている部分もあると思うので(笑)、そんなところも含めて面白がってくれる人だと嬉しいな、なんて考えたりしています。
”休日に頑張らないこと”こそ、大切なセルフケア
休日の過ごし方は、以前に比べてずいぶん変わりました。若い頃はオフの日でも、「何かを学ばなきゃ」「映画を観なきゃ」と、常に予定を詰め込んでいたんです。
でも年齢を重ねるにつれて、自分が思っている以上に心も体も休めていないことに気づいて。今はむしろ、「何もしない」と決めることも大切なセルフケアだと思っています。放っておくとストイックになってしまうので、あえて“頑張らない”ことを自分に課すようになりました。
休日は自然の多い場所へ出かけたり、ヨガをしたり、美術館や神社に足を運んだり。”気のいい場所”でゆっくり過ごしながら、感情や疲れを手放して自分を整える。仕事でいいアウトプットをするためにも、しっかり休んでリセットする時間は欠かせません。
貪欲に、しなやかに。仕事も人生も、自分らしく楽しみたい
ありがたいことに最近では、「中村さんだからお願いしたい」「ぜひこの役を演じてほしい」と言っていただける機会が増えました。10代〜30代は、「何でもやります」精神で駆け抜けてきたから、ここからは数打ち勝負というよりも、濃密で質の高い仕事を積み重ねていくフェーズ。自分が本当に心を動かされるものに、責任を持って取り組みたいという思いが強くなりました。
そして今でも、「もっとお芝居が上手くなりたい」という気持ちは変わりません。出演作を観て、「まだまだだな」と反省する瞬間も多々あります。素敵な先輩たちは常に挑戦し続けているので、私も間口を狭めず、苦手な役にも貪欲に挑戦したい。面白いクリエイターや監督との出会いによって、まだ知らない可能性を引き出してもらいたいと思っています。そのためにも、いつ呼ばれてもいいように準備をしていたいですね。
人生のほとんどを仕事に捧げてきましたが、本質的にはもっとゆるやかに生きたいタイプ(笑)。昔と比べて環境は大きく変わったけれど、自分自身はあまり変わっていないんです。上京した頃から付き合いのある友人たちは、30年来の仲。今も変わらず仲が良くて、旅行に行くときは一緒にLCCの飛行機に乗ったり、「宿なんて寝られたらいいよね〜」なんてコスパの良いホテルに泊まることもしょっちゅう(笑)。気の置けない仲間たちとの時間は、これからも大切にしていきたいですね。
ずっと走り続けてきたからこそ、ここからは仕事だけでなくプライベートも大切にしたい。しなやかに人生を楽しんでいけたらと思っています。
中村ゆりさん profile
1982年生まれ、大阪府出身。1996年にアイドルとしてデビューし、2003年より俳優としての活動を開始。2007年、映画『パッチギ!LOVE&PEACE』のヒロインに抜擢され、全国映連賞女優賞を受賞。以降、映画やドラマ、舞台、ナレーションなど、幅広い分野で活躍中。2025年第45回ポルト国際映画祭ディレクターズウィークベスト女優賞を受賞。現在は、映画・特別先行版「鬼平犯科帳 本所の銕/密告」 に出演中。
ワンピース¥55,000(ハイク/ボウルズ)ピアス¥46,200・ネックレス¥52,800(リューク)リング(右・人差し指)¥28,050・リング(左・小指)¥28,050(プリュイ/プリュイ トウキョウ)リング(左・人差し指)¥94,600(プライマル)レーストップス(スタイリスト私物)
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撮影/遠藤優貴 ヘアメーク/AYA(TRIVAL) スタイリスト/辻村真里 取材・文/渡部夕子 構成/福吉由紀子
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