「真逆な夫とは”良い影響”を受け合って」元体操日本代表・田中理恵さん(39)、家族のごきげんを作る秘訣

元体操日本代表として五輪の舞台に立ち、現在は二児の母として、体操指導者として、体を動かす楽しさを伝える田中理恵さん。もうすぐ迎える40代は、「ずっと憧れていた年代」なんだそう。頑張りすぎる自分をふっと緩めてくれる夫、感謝の言葉を交わす家族の教え、そして毎日のストレッチ。30代を駆け抜けた今、田中さんが見つけたのは、家族も自分も大切にしながら「今」を楽しむ生き方でした。

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アスリート家系出身ではない、自然体な夫。考えが新鮮!

夫はアスリート家系ではないからこそ、お互いの考え方が違うことがまた新鮮で、良い影響を受け合っています。

一人目を出産したとき、私はアスリート気質なもので、「よし頑張るぞ!絶対目標課題決めてやり遂げるぞ!」と気合い十分でした。そんな私に、「あなたもまだお母さんになって一年だよ、わからないことばかりなのは当たり前のことだから」と現実的な声をかけてくれました。確かにそうだな、と。そういう気持ちは大事にしなきゃいけないなと思ったことはありましたね。つい「いける!」と頑張ろうとしちゃうから、それをちょっとセーブして、ニュートラルな気持ちを保たせてくれるのが夫なんです。

逆に、私のアスリート気質なポジティブさが夫を感化していることもあるようです。私はプラス思考なので、「どうにかなるよ」「もう気合いで行こう」なんて伝え続けていたら、少し繊細で心配性でもあった夫もだんだんと「そうか、大丈夫か」みたいな感じになってきました。

夫婦仲良しの秘訣は、夫を“めちゃくちゃ褒める”こと

夫婦の決まりごとはありません。自由な夫婦かもしれないです。夫も私も比較的自由でいたいタイプなので、お互いに求めすぎないようにしていて、気づいた方がやるとかでちょうどいいバランスをとっています。

でも、当たり前のことかもしれませんが、目を合わせて会話をすることって大切。自分の気持ちは素直に伝えるようにしています。特に、何かをしてもらった時はめちゃくちゃ褒めますし、ありがとうの気持ちを伝えるんです。

夜、シンクに食器が置きっぱなしだった時。子どもたちを見るのに必死で寝落ちした私をみて、仕事から帰ってきた夫が洗ってくれて……。そういうときは、朝起きたら綺麗になってるのを見た瞬間、感謝を伝えます。そうすると、夫も「おー全然いいよ」みたいに綻んでいて、それを見て私もまた楽しくなってしまう(笑)。子どもが生まれてから一層夫へのありがたみを感じました。そして子どもたちにも自分の気持ちを伝えることの大切さを知ってもらいたくて、意識的にその姿を見せるようにしています。特に3歳の息子に対しては、パパの前で感謝の気持ちを伝えるところを見せているかもしれないです。

私の両親も、全く喧嘩せず、子どもの前では絶対お互いの文句も言わなかったんです。父が、「お母さん、3きょうだいのご飯をこれだけ毎日作ってくれるって本当に感謝だね」って言っていたのを私も見習って、「パパはすごい人なんだよ、頑張り屋さんなんだよ」とか、子ども達に伝えるように意識してます。

実はもうすぐ、結婚10周年です。「何かするの?」と言われますが、まだ特に計画していないんですよね(笑)。私たち夫婦は今まで、誕生日にもプレゼントを贈ったことがなく、手紙を渡すのが定番でした。

「ついに10周年だね!」ってことあるごとにアピールして「何かしてあげないと」って気にさせようかな(笑)。

メンタルキープのコツは、「自分との対話」にあり

私、嫌なことで凹んでも、寝たら忘れるんです。「ま、いっか」精神(笑)。体操競技は4種目あって、1種目目に失敗したとして、そこで落ち込んでしまったら、残りの3種目ができなくなってしまいます。この切り替えは大切で、どうにもならないことがあるんだっていうことを分かっておく。諦めてはいけないけど、いい意味で、諦めなければいけない。そうやって常に自分と会話できる自分がいました。体操競技では、それこそ「自分との戦い」でしたから。

心もそうですが、「自分の身体の状態を知っておく」こともマストです。私は小さな頃からストレッチを欠かさずしていることで、もしかしたら、自分の身体と対話をすることに少しだけ長けているのかもしれません。年齢とともに、「生理痛が強くなったな」など些細な体調の変化を感じたり。そういうとき、自分の身体に向き合って、対処法を探す姿勢を大切にしています。

公式YouTubeチャンネル『Riefit』のエクササイズ動画配信も、友人に「家の中にずっとこもっていると気持ちが沈む」と聞いたことがきっかけで始めました。私が落ち込むことが少ないのは「身体をほぐして動かしていたこともあるのでは?」と思ったからです。

ストレッチは、数年後の自分の身体のためでもあるんです。自分の身体を理解することで、薬を飲むタイミングや、体調がどこまで悪くなったら病院に行くべきなのか、ジャッジをしやすくなると思うんです。ストレッチをすることで自分の身体と会話ができること自体も楽しいですからね!そんな意図をお伝えできていたら嬉しいです。

 

40代は“希望に満ちた年代”。だけど、年齢は気にしすぎず過ごしたい

30代半ばから、早く40代を迎えたいという気持ちが大きくなっていきました。周囲の40代の方々が輝いて見えたからかもしれません。30代は、子育てに精一杯で、懸命に駆け抜けた10年間でした。だからこそ40代は、その間に積み重ねてきた努力が実を結ぶ、希望に満ちた年代だと感じているんです。

ただ、同時に、「年齢にとらわれず、意識しすぎないようにしよう、年齢はただの数字だから」という感覚も自分の中にはあるんです。

私、25歳でオリンピックに出場したんです。当時は16〜18歳の若い選手が代表として活躍するなか、それでも出場できたのは、年齢を気にせず、「今」の自分を受け入れ、その時点で出せる成果に集中していたからだと思います。その姿勢は今も変わらず、気づけば39歳。憧れの40代は目前ですが、良い意味で気にしないようにしたいです。

そして40代の目標と言えば、今を楽しみながら、何十年後も元気でいられるよう、ストレッチで健康を積み立てていくことです。そして、その思いを同世代の皆さんとも共有したいです。

兄・弟とともに力を入れている「田中体操クラブ」では、子どもたちに体を動かす楽しさと大切さを伝えて、保護者の方にも成長の喜びを感じてもらいたいです。何歳になっても逆立ちを見せられる体操の先生で、子どもたちの前で格好いい田中理恵でいることが、私の原動力。私の原点を作ってくれた、体操を通して、クラブに通う家族みんなを笑顔にしていきたいです。

田中理恵さんさん PROFILE

和歌山県出身、1987年6月生まれ。

公式インスタグラム

女子体操選手としては大柄な身長157㎝の長身と長い手足を生かした美しい演技を持ち味として活躍。日本体育大学、同大学大学院を卒業。ロッテルダム世界選手権(2010年)にて、日本女子初の『ロンジン・エレガンス賞』を受賞。全日本体操競技選手権大会(2012年)女子個人総合優勝、NHK杯体操競技(2012年)女子個人総合優勝など輝かしい実績を残す。ロンドン五輪(2012年)にも同じ体操選手である兄の和仁選手、弟の佑典選手とともに出場。兄弟3人揃っての五輪出場は日本代表史上初の快挙。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事を務め、様々なスポーツイベントやテレビ番組への出演など、多岐にわたって活動。「田中体操クラブ」では、体操を通じて”自信と挑戦する心”を育てることをコンセプトに、兄・和仁、同クラブの所属選手でもある弟・佑典とともにコーチを務めている。

田中体操クラブHP

撮影/田中駿伍 ヘアメーク/杉野加奈 スタイリスト/MORIYA 取材・文/竹永久美子 構成/今野葵 撮影協力/シェリル・アー

ツィードトップス¥26,400(カデュネ/カデュネ プレスルーム) ピアス¥44,000 ネックレス¥44,000 ブレスレット¥37,400(以上プラウ) リングは本人私物 パンツ・パンプス/スタイリスト私物

〈問い合わせ先〉
カデュネ プレスルーム TEL 03-6863-0100
プラウplow-jewelry.jp

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