夏帆さん(34)「完璧主義じゃなく、不器用なだけ。だから頑張りすぎちゃうんです」【ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』インタビュー】

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“恋人ファースト”を心掛けすぎて自分を見失った山岸鮎美と令和時代に珍しく“料理は女が作るもの”という考えの海老原勝男。そんなカップルが破局を迎え、「あたりまえ」を見直すドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が放送中です。
主人公・鮎美を演じている夏帆さんは、20代の頃とは違った、作品への携わり方に挑戦していると言います。20代から30代にかけての変化について聞きました。

Profile

1991年6月30日生まれ、東京都出身。近年の主な出演作に、ドラマ『ブラッシュアップライフ』、『ホットスポット』、『塀の中の美容室』など。

今の私は「過渡期」にいるかもしれません

——自身の幸せのため、鮎美は“モテること”にフォーカスを置いています。夏帆さんが演じてきた役柄のなかでも新しいタイプなのでは?

お話をいただいたときも、すごくビックリしました! 鮎美と自分自身がなかなか結び付かなくて、私が演じている姿がイメージできなかったんです。鮎美のような役柄を演じるのは、どちらかといえば苦手なのですが、漠然と“やってみたい”と感じて。

——それはなぜでしょう?

20代の頃は、自分に何ができるのか手探りだったけど、経験を重ねていくうちに、自分の中で何が得意で不得意なのかがわかってきて。「これは自分に向いてない」「これは合っている」とわかってしまうからこそ、そうした役柄を自然と選ぶようになっていたんです。でも、まだ自分の新しい一面を探したいし、想像つかないことにチャレンジしたいという気持ちもあって。だからこそ、鮎美という役に出会えたとき「やりたい!」と思ったのだと思います。

——実際に演じてみて、いかがですか?

撮影序盤では、自分と鮎美を重ね合わせるのがすごく難しかったです。でも、スタッフさんたちにいろいろと相談できたおかげで、みんなで一緒に鮎美を作っていけた気がしています。勝男と別れたことで、鮎美は見た目も変化していくのですが、髪型やメーク、ファッションにもすごく助けられました。

——新しい扉を開かれたのですね。夏帆さんは20代のころと比べて、仕事の向き合い方に変化したところはありますか?

20代のころの私は、とにかく自分を追い込んで仕事をしていた気がします。作品に入っている期間は、ずっと頭はフル回転していて、常にギリギリの状態で…。でも、20代後半になるにつれて、「そうじゃないよね」って思えるようになったんです。そこからは、もうちょっと現場を楽しみながら、リラックスする余裕を持たないといけないなと思い始めた気がします。そんな20代を経て、30代は自分を大切にする考えへと移り変わっていきました。

——もしかして、夏帆さんは完璧主義ですか?

すごく不器用なだけなんです(笑)。新しいことをすぐに習得して表現できるタイプではないからこそ、“もっと頑張らなくちゃ!”という思いが先走って、完璧主義のようになってしまうのかも。それに、私の場合は常に走り続けていないといけないような気がしていて、うまく息抜きもできていなかったんです。でも、徐々に、心と体を大切にしたいと思うようになった。ここ数年でそうした方向へ変わり始めたような気がしています。

——心に余裕が出てきたのですね。

というより、“余裕を持つようにしよう”と心掛けている感じです。じゃないと持たないということに、ようやく気づきました(笑)。だから、大きなきっかけがあったかというよりは、毎日の積み重ねかもしれません。睡眠と食事は気を付けるようにしていて、お風呂も大好きなのでサウナへもよく行きます。

自分の心と体に向き合いたい

——では、20代の夏帆さんに声をかけるとしたら「楽しんで」と伝えてあげたい?

「もうちょっと楽しくやればいいじゃん!」と言ってあげたいです。でも、20代の頃にしかできない頑張り方ってあるじゃないですか。全力で壁に当たって跳ね返ってきても、めげずにまた飛び込んで——。力の出し加減も間違えるから、空回りしちゃったりもするんだけど(笑)、それにしかない輝きもあると思うから羨ましくもあります。

——夏帆さんは今、楽しめていますか?

この作品にクランクインする前、「絶対に楽しむぞ!」って言って現場へ入ったんです。でも、やっぱり案の定いっぱいいっぱいで(笑)。“こんなんじゃダメだ”って反省して、気を取り戻してまた落ち込んで…の繰り返しです。だからまだ、思い切り楽しめているかと聞かれたらもう少し時間が掛かってしまうかも。でも、リラックスする大切さに気づけただけでも成長したなと思うようにしています。そうした意味でも、きっとこの作品は私にとってターニングポイントになるんじゃないかな。

——出会うべきタイミングで、この作品と出会えたのですね。

本当にそうだと思います。これまでは20代のころの延長線上で物事を考えていたところがあったけど、そうじゃいけないんだなって。体だけではなく、お芝居、現場での過ごし方、生活スタイル、すべてを見直すタイミングが来たのだと感じています。まだ、その答えは見つかっていないけど、ここから少しずつ、30代の自分と向き合っていきたいです。

information

ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」
10月7日よりTBS系にて、毎週火曜22:00〜放送。発行部数のべ40万部の同名ヒット漫画を原作に、現代日本の「あたりまえ」を見直すロマンスコメディー。“恋人ファースト”な彼女を演じ、自分を見失った主人公・山岸鮎美(夏帆)と「料理は女が作って当たり前」という亭主関白嗜好思考の彼氏・海老原勝男(竹内涼真)というカップルが、結婚寸前の別れをきっかけに“自分らしさ”を考え直していく。

レースブラウス¥275,000(グリードインターナショナル)ピンクサテンパンツ¥23,800(マスター&コー/マッハ55リミテッド)ピアス¥39,600(リューク)パヴェリング¥170,500、ダブルフィンガーリング¥218,900(すべてプライマル)

SHOPLIST
グリードインターナショナルinfo@greed.co.jp
マスター&コー/マッハ55リミテッド03-5846-9535
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撮影/上村透生 ヘアメーク/石川奈緒記 スタイリング/金子夏子 取材/小林揚 編集/越知恭子